紙の本
不幸にならないで
2023/09/27 12:06
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
もちろんミステリーでサスペンスだったけど、
一方で苛烈なラブストーリーだったんだと。
成就しなかった恋は、
それでも泣かせたくない存在を与えたし、
ちゃんと生きる原動力になる存在を持つ人は、
もう他人の気持ちがわからない人じゃない。
それでも、幸せになって、じゃなくて
不幸にならないで、としか言えない
彼のこれまでとこれからがやるせない。
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あいかわらず人間関係の微妙な空気感が上手い。特に狐塚の友人の恭司がいい。彼のおかげであのラストが綺麗に決まったと思う。ただミステリーとしては爪が甘いような。この作者の作品が好きな読者が求めてるのはそんな所じゃないとは思うけど、論理の組み立て方が本格という形式が好きな人だとしか思えないんでそこは期待したい。
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最初の方、長いなーという感じだったのですが、下巻に入ったあたりから、早い展開でどんどんおもしろくなってきました。
デビュー作、これと全体的に暗いので、すっぱり明るい感じの作品も読んでみたいなーと思います。
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060501 切な過ぎる!!みんなが少しの誤解とかですれ違って、悲劇が生まれて・・・この作者の描く登場人物はみんなすごいなぁ。月子や狐塚みたいに私はなりたいよ・・・
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なかなか読み応えがありいっき読みする。
屈折した心理描写はさすがの妙。
謎解きはありがちな感じでかなり残念。。。
結局それかよって!突っ込みたくなった。
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せつないくらいのすれ違い。自分の首をしめてるのは自分なのに最後までそれに気づかない。
読み応えもあるし、とても読みやすい本だった。
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何書いてもネタバレになりそう・・・。後半からページをめくる手が止まらなかった。月子と浅葱、悲しすぎるな・・・。
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正直ラストは拍子抜けですが、そこに至るまでの展開に目が離せなかった。一つのすれ違いが次々と擦れ違いを引き起こして、そこから修正出来ないズレを引き起こしていく様が胸に響きました。
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幾つかの新事実に驚くが、結末は拍子抜けした。
確かに今更新しい人物を出すわけにはいかないだろうが・・・
「冷たい校舎の時は止まる」の方が好きだった。
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私が一番恐れる殺害方法が容赦なく出てきて結構くらり。ぅわーそうしちゃいますか。ぞくぞくしましたね(変態) 寄生の話はぞっとする。
結末は一転二転して予想外でした。…憎い演出を。
「人間てのは、年取って死ぬまでの何十年かを生きなきゃならない。俺は早く死にてぇけどさ。それでもまぁ、人生を消化するのに、ここでこんな風に働いて年を取るのはなんか違うって、そう思っちゃったんだ。死ぬまでの何十年かの暇つぶしを、あんなとこで終わるのは嫌だ。ああ、もう本当に早く楽になりてぇよ」
「どうせ誰にだってできるんだ、こんな仕事は。
遅々として減らない目の前の仕事の山を眺めていると、不意に何もかもを放棄したい気持ちになってくる。今の仕事を辞め、この土地を離れ、今の友人達とも離れ。そうできたらどんなにいいだろう。
が、童子に本当に自分がそうすることを考えると、途端に自虐的な苦笑が洩れた。くだらない。」
「彼は自殺だったのか。事故だったのか。
彼が自殺しなければならない原因は、全く心当たりがない。けれど、頷ける。理由は何だって良いのだ。「今日仕事をすることを思って疲れた」とか、「通勤ラッシュに嫌気がさした」とか。
多分、そんなことでいいのだ。彼が自ら死を選んだという可能性はどうだっていい。衝撃だったのは、自分たちの年でもう死ぬということがあるという現実、それ自体だった。今こうやって生きている場所をあっさり捨てて、全てが途切れる。信じられなかった。今齧りついてる仕事も、執着している恋人への思いも何もかも全てが一瞬のうちに自分と無関係になる。」
「自分にないものは、他人が持っているからこそよく見えるの。自分がそれを持った途端、みるみる価値が失せていく。そういうもの」
「『恋は落ちるもので、愛は陥るものだ』と答えた女性がいました。時々思い出すんですよ。彼女が言っていたのは、どういう意味だったのかと」
「恋は『落ちた』だけだから、まだそこから這い出すことができるけど、『陥った』愛からはそうすることが不可能だという意味なのか。それとも彼女は恋に『落ちる』という状態は本人か能動的に選び取った状態であるのに対し、愛に対しては受動的に外からの不可抗力によって『陥る』ことになると考えていたのか。どうなんでしょう。僕は恋も愛も、本人が望むからそこに存在するんだと思っている。本人の希望と意志でそこに巻き込まれていくんでしょう。」
「思い通りにならなければ嫌なんです。僕の妻などは、僕の事を子供のようだと笑うことがありますが、僕は子供ではありませんよ。子供は世の道理や仕組みを理解しないから理不尽で我儘、無邪気ですが、僕はそうではない。きちんと理解した上で、利己的で傲慢です。好きな人には幸せになって欲しいし、嫌いな人間にはその逆です。好きな人間が、一時的な恋や愛に溺れて破滅していくことが、僕には耐えられない」
「目の届く範囲の人々の幸せしか、僕には関心がない。難民の飢餓、痛ましい動物実験、世界のどこかで起こる戦争。僕はそれらを率先して見ることは絶対にしない。目に見えない不幸は、僕に��っては存在しないのと一緒です。見なければ、心がとても穏やかでいられる。」
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おおー、この結末かー…。という感じでした。最後自体は悲しいなぁという気持ちで終わるのですけれども、エピローグで少し和らいだ。このまま終わってしまうのでなく、あそこであのエピソードを付け加えたのは良かったと思います。スパイス。
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この作者は人物描写が長けているから、人が符号のように殺されるミステリと同じ心持で臨むと痛い目にあう。
何かを失うかなしさや、どうにもならない鬱屈した思い、そんなものを痛感した。
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予想通りな展開……と思わせておいてラストで二転三転。途中までがやっぱり重いけれど最後は結構好みな終わり方。
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もう、一人の夜には帰りたくない―。残虐非道な事件に潜む、孤独な殺人鬼と彼を操る共犯者の存在。罪の意識に苛まれながらも、二人の間で繰り返される恐ろしい殺人という名の遊びは、一体いつまで続くのか!?そして傷つけずには愛せない、歪で悲しい恋の行方の結末とは…。辛い過去を孕んだ事件の真相は少しずつ解き明かされ、漆黒の闇を照らしていく。
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【もう、一人の夜には帰りたくない―。残虐非道な事件に潜む、孤独な殺人鬼と彼を操る共犯者の存在。罪の意識に苛まれながらも、二人の間で繰り返される恐ろしい殺人という名の遊びは、一体いつまで続くのか!?そして傷つけずには愛せない、歪で悲しい恋の行方の結末とは…。辛い過去を孕んだ事件の真相は少しずつ解き明かされ、漆黒の闇を照らしていく】
後半で明らかになっていく事実たち。
から回るそれぞれの関係。
予想もしなかった結末。。
後半はもう泣きっぱなしでした。
なんでこんなふうになっちゃったんだろう?と悲しく、苦しくなるばかり。。
月子のとった行動、そして浅葱が選んだ道・・
ぼろぼろ泣きました。
これはハッピーエンドだったのかそうでないか・・・・・・
とても切ない話でした。
辻村さんの作品は、すごく残酷な部分と、すごく優しい部分があって複雑な気分になります。
それでもやっぱりいいですね。
【ぼくのメジャースプーン】を読んでいたので、秋山教授と消えた男子学生の謎には納得。
気づいた時はちょっと得した気分でした。