ロアルド・ダールコレクション 2 チョコレート工場の秘密 みんなのレビュー
- ロアルド・ダール (著), クェンティン・ブレイク (絵), 柳瀬 尚紀 (訳)
- 税込価格:1,320円(12pt)
- 出版社:評論社
- 発売日:2005/04/01
- 発送可能日:1~3日
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
チョコレートも、ほどほどが良い
2007/05/31 22:39
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実は、ロアルド・ダールの本を子どもの頃に読んだことがない。はじめて彼の作品に触れたのは大学生の時で、英語の授業のテキストだった。英米文学短編集で、サキ、モームといった作家と並んでいたのだが、メンバーからわかるように、なかなかシュールな作品が集まった短編集だった。ロアルド・ダール=シニカル・ブラック氏という図式が頭にあったので、彼が有名な児童文学者と知った時は驚いた。その後、『マチルダは小さな大天才』や『おばけ桃の冒険』等を読んで、「なるほど」と思った。物語は奇想天外で面白いけれど、時々ひやりとする場面や、チクリという皮肉が隠されている。
さて『チョコレート工場の秘密』だが、本書を手に取ったきっかけは映画公開ではなくて、柳瀬尚紀氏による新訳の出版と、それが引き起こした新旧それぞれの翻訳を支持する読者たちの熱きバトルに興味を抱いたからだ。早速、田村隆一氏版と柳瀬尚紀氏版を並べ、読み比べてみる。
日本語で物語を語ることに心を砕いた田村氏と、翻訳と言葉遊びに力を込めた柳瀬氏という感じで、どちらを好むかは読み手によると思う。敬体と常体が与える印象の違いもあるし、同じ東京でも早稲田界隈の雰囲気が好きな人も六本木ヒルズ辺りを好きな人もいる。それくらい印象が違う二冊だった。翻訳って、本当に面白い。けれど本書の「訳者から」は、やはりいただけない。品がなく、醜く、ダールの作品まで急に色褪せてしまう。
『チョコレート工場の秘密』作品そのものについては、チョコレートが好きかどうかによってだいぶ印象が変わる気がする。嫌いな人は止めておいた方が無難、たぶん胸焼けがしてくる。
私はダールの作品ならば『マチルダは小さな大天才』の方を薦めるが、『チョコレート工場の秘密』には、次に何が飛び出してくるかわからないワクワク感があって(ただし、笑えない場面もかなりある)、この本が長く子どもたちに支持されている理由はわかる。
私は、チョコレート工場の秘密が明かされる後半よりも、チャーリーが工場見学の為の「黄金の券」を手に入れるまでの前半が好きだった。もの凄い貧乏なのだが、愛がある7人家族が心を温かくする。物語がハッピーエンドであるか微妙なところだが、チャーリー一家はともかくも、飢えることも寒い想いをすることもなくなった。少年が永遠にチョコレートを愛し続けるかは別問題として。
紙の本
訳の違いで内容が変る
2005/09/21 17:03
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yan - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作
以前に読んだ旧訳はかなりキテレツで
大丈夫かなという表現もあったが
子どもは大喜びしそうで
すごく面白かった。
今回の新訳は挿絵がおとなしい
工場に招待される子どももおとなしい
旧訳ではひっちゃかめっちゃかなことをして
ひどい目にあった子どもたちだが
無事に家に戻されているように感じるのだけれど
内容は同じはず。
英語版も読んで見たが
こちらは普通の表現で、
こどもがは特にはちゃめちゃなことを言ったり
やったりしていないように感じた。
それは英語力のなさかも知れない。
日本語の訳が違うと内容も変ってしまうのかと驚いた。
映画はラストシーンが変えてあるから、
しんみりしてしまうようだが
やっぱり原作どおり、
チャーリーは工場主になってほしいな、と思う。
貧乏でも良識を持った子ども、チャーリーの存在が
お金で解決しようとするわがままな人々の気持ちを
変えてほしいと思う