紙の本
神社は神様の足跡です
2013/02/18 20:34
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は高天原神話・出雲神話・日向神話のうち、日向神話の解説本、いわゆる入門書です。
今まで、神話というと、文字どおり「神様の話」ということで、異次元空間の話と思い込んでいました。加えて長いカタカナの名前を見た瞬間、読む気を失っていました。ところが、本書は神話ゆかりの地や神社を訪ねて歩く紀行文の形式で、神話の世界に導いてくれますので、イメージが湧きやすく、容易に梅原ワールドに入ることができました。本書を読めば、神社を見る目が変わること必至です。
また神話を研究することは、天皇を含めた日本人のルーツを辿る上で、不可欠であることが良くわかりました。「神様(渡来人の長)は、鹿児島に上陸した後、宮崎にたどり着き、土着の豪族と交わる中で力をつけ、その後東征し、大和国家を作った」という梅原説が、日向神話を読み進めていく中で、あぶり出されます。日本人なら日本の神話を知らなければならないと思いました。
紙の本
天皇家のふるさと
2021/01/02 20:05
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
神話になどあまり興味がなかったのですが、高田崇史「QED」シリーズなどを読んで興味が出てきました。知識がなくても読みやすく、興味が深まりました。面白いです。
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過去の歴史が伝承や神話と言う形で今に残されているのか。
とても面白く読みました。
とりあえず宮崎に行ってみたいな~と思いました。ハイ。
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ニニギノミコト、山幸彦、ウガヤフキアエズノミコトの日向3代、その皇后であったコノハナサクヤヒメ、トヨタマヒメ、タマヨリヒメの物語から、神武天皇の4兄弟。宮崎県の各地を歩き、古墳、地名、郷土の祭りなどを取材し、例によって梅原流の解釈です。高千穂は二上山か霧島山か。ニニギノミコトはどこから来たか。山幸彦と兄の争いは何を意味するのか。そして山幸彦が行った海の中の国はどこか。タブーとされた神話の世界に、全くの作り話ではなく、実はモデルとなった史実を解き明かす鍵が隠されている・・・。美しい写真が多く入り、楽しく読める本です。
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日本古代史研究で次々に独創的な説を構築した著者が、日向神話の舞台となった地を訪ね歩きつつ、その謎に挑んだエッセイです。また、多数のカラー写真も収められています。
とくに、ニニギノミコトからヒコホホデミノミコト(山幸彦)、ウガヤフキアエズノミコトを経て、サノノミコト・カムヤマトイワレヒコすなわち神武天皇に至るまでの四代にわたる日向王朝の物語を描き出しています。著者の自由な思索は、この地に降臨した天孫族によって征服されることになった狩猟採集民の恨みと鎮魂の物語へと向かい、日本文化を形成した縄文文化と弥生文化の重層性を見ようとしています。
著者の代表作である『隠された十字架』や『水底の歌』とは違い、一つの主題をどこまでも突き詰めていくようなスタイルはとられておらず、むしろ個々の謎に対して比較的自由に連想を走らせていくことで、大きな物語を描き出そうとする手法が取られているように思います。実証的な歴史学の手法からかけ離れているのは確かですが、ある程度は民俗学的な方向からの裏付けがなされているので、今後検証されるべき興味深い仮説として捉えればいいのではないかと思います。
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2005(底本2000)年刊。日向、薩摩各地に存する神社の伝承、継承される祭祀を踏まえ、さらには、紀記の字面はもとより、専門外と断りつつも考古学的知見まで加味しながら、日本創世神話、天孫降臨について解説。推測は不可避なので、どこまで真理に迫っているかは疑問なしとしないが、各伝承や祭祀につき、各地を訪問し、実地に見聞調査することで臨場感を増している。このような学問的誠実さのみならず、戦中派の真摯な述懐も胸を打つ。もちろん、宮崎・鹿児島を訪れる場合のガイドブックとしての意味は高いだろう。
が、天孫降臨等の神話や伝承から一定の史実を推測することは、個人的には不可能と考えている。せいぜい、考古学的知見の補充・意味充填が可能と言い得る程度か。
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梅原猛 「天皇のふるさと日向をゆく」宮崎県の神社や古墳群をまわり古事記の日向伝説を検証した本
日向伝説は、渡来の天孫族が土着の異民族と結婚しながら勢力を拡大し、大和へ向かうまでのストーリー。人間臭い具体的なエピソードに終始した神話であり現実の記録として検証する展開。とても面白い
天孫族の長ニニギノミコトが降臨した場所を 宮崎県西臼杵郡高千穂町として、天孫族のスタートを日向の高千穂に設定。以後、山幸彦→ウガヤフキアエズノミコト→神武天皇の4代の長が、西都→日南→薩摩へ勢力拡大し、神武天皇が初代大王として 大和を侵略するまでを追跡
日向伝説によると、初代大王の神武天皇の体には 天孫族の血が1/8、土着人の血が7/8(うち6/8は南九州の土着民ハヤトの血)ということになる
高千穂神社におけるミケヌノミコト(十社大明神。神武天皇の兄)や高千穂神楽におけるミケヌノミコトに殺された鬼八の鎮魂の検証は見事。この本に沿って、日向四代の神々を祀る西都や霧島六社権現など巡ってみたい
日向伝説は神武天皇の4代前からの年代記
1.天孫ニニギノミコト
サルタヒコ
*ニニギノミコトの道案内
*天孫が降臨したとき、ここに土着していた国つ神〜天つ神アメノウズメと結婚した
サルタヒコ(狩猟採集をする土着の縄文人)とアメノウズメ(稲作農業をもって渡来する弥生人)の結婚が、日本民族の成立を示す
この結婚により、渡来の天孫族の長ニニギノミコトと土着のオオヤマツミの神の娘コノハナサクヤヒメの結婚が可能になった
2.ヒコホホデミノミコト(山幸彦)
日向支配の英雄
ワタツミの神(漁労民 ハヤト)の娘トヨタマヒメと結婚
記紀においてハヤトの祖は海幸彦とされている
3.ウガヤフキアエズノミコト
4.カムヤマトイワレヒコノミコト(神武天皇)
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宮崎と鹿児島は豊穣な神話の国だった。高千穂とか知っていたけどこれ程記紀に出てくる神話にまつわる神社や伝承、祭りや史跡があるとは全く知らなかった。本を読んだ後、インターネットで調べると宮崎なんて神話の国として発信しているんですね。西都原の古墳群とかも知らなかったし、神武天皇につながる神話の世界もちゃんと理解していなかった。この本を読んで、神武天皇って実在していたんだなと思うようになった。韓国から来た渡来人がベースになっているんだなと想像が膨らんだ。一度この本で紹介された場所を回ってみたい。
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故郷のことを知りたいという気持ちで本書を購入。これまで神話には興味なかったのだが、天皇の起源や地元との関連が見えてきて非常に面白かった。これを機に神話に興味をもった。