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信長の棺 みんなのレビュー

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みんなのレビュー97件

みんなの評価3.7

評価内訳

97 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

現宰相を虜にした魔性の覇王

2005/09/04 05:44

16人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 謙信は死に、宿敵・信玄亡き今、さらに毛利をも粉砕し、まさに覇王の座に翔りつめんとした1582年、信長は本能寺で無念の横死を遂げた。しかし、信長の遺体は寸分たりとも見つかっていない。そもそも何故大乱世の牽引者たる信長が、僅少な手勢と共に本能寺で宿営などしてしまっていたのか。戦国最大の謎である。本書は、独自の視点と綿密な資料調査をもとに、その謎に迫っている。
 「信長は、明智光秀によって殺された」。誰もが習う事である。しかし、私も以前から、ことはそう単純ではないと思っていた。少なくとも、光秀が逆上して信長を急襲したなどというのは相当確率が低いと思うに至っている。光秀の背後には家康がいたと言う説、いや朝廷がいたと言う説、幕府がいたと言う説・・様々あるが、本書の視点はそのどれとも異なる。それも、資料調査は十分になされている。そこは、新人とは思えない。
 仮に、本書に言う人物が背後にいたと言うのなら、日本人の歴史観そのものに大変革が起きるだろう。関ヶ原の見方も変わるし、家康への評価も変わるだろう。
 しかし考えてみれば、あの人物が背後にいるとすると、全ての辻褄が合う。信長の死によって莫大な実利を取れる位置にあった人物はそう多くない。そして、本書では史料調査をもとに、信長が何故過小な手勢で本能寺にとどまっていたのかなどを解明しようとしている。
 本書が、これら全ての論証に成功しているのかといえば、残念ながら手薄な感は否めない。しかし、本書の要諦は史実の解明ではないのだから、その点は問題ないと思う。
 この「信長の棺」は、小泉総理が最近読んだそうで、「本当に面白い」といって、官邸周囲の人に散々勧めて回ったほどだという。ある政府関係者は「次に総理が何を言うかは、この本を見れば分かる」などとまで言ったそうである。現宰相をしてここまで心酔させるとは、本書の功績とともに、さすがは信長公というべきか。考えてみれば、宰相の上には天皇陛下がいらっしゃるとはいえ、小泉総理は現在の最高権力者である。天下人に最も近い人間であり、抽象的に考察すれば、彼ほど天下人信長に感情移入できる立場の人間もいないといってよいかもしれない。
 信長は、比叡山を焼き討ちし、後世の人々に非情な人間としての確固たるイメージを植えつけてしまった。しかし、叡山には、僧侶とは名ばかりの酒池肉林の破戒僧が開き直って立て篭もったのである(勿論素晴しい僧もいるが)。当時の情況を考えれば、信長も我を忘れて単に怒り狂って放火したわけではないだろう。もしかしたら今回の衆院解散もそうなのかもしれない。衆院解散をまえに本書を読んだ孤独の宰相はひとり何を考えていたのだろうか。
 いずれにしても、棺に入った信長は、なんと無念であったろうか・・。もう目前に天下人の椅子があったのである。信長がいなければ秀吉もいなかったであろうし、その後の歴史は大きく変わっていただろう。江戸時代がなければ、明治時代も変わっていたわけで、日露戦争も日本が勝てるか不明である。原爆もいまだ世界に落ちてないかもしれない。謙信や信玄、三成がいなくとも歴史の変化は誤差の範囲だったろう。
 時代には、必ず誰かが歴史のカギを握って生まれてくる。明らかに信長はあの時代のカギを与えられた人間だった。そういう意味で、信長という人は、その後の世界秩序にも影響を与えた世界史的大人物のひとりとさえ言ってよいと思う。
 儚くも50をまえに棺に入った信長だが、その天下人を棺に引きずり込んだのは誰だったのか。「信長公記」の作者太田牛一を捜査官とした形で物語りは進んでいく。ミステリーや歴史小説に「タイムリー」とは珍しいが、時の宰相を魅了して止まなかった小説をじっくり読み耽ってみるのも、きっと悪くないだろう。

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紙の本

戦国最大の謎に挑む

2005/08/02 18:27

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:からす天狗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

信長公記の作者、太田牛一が、本能寺で亡くなったといわれる織田信長の遺骸の行方に挑む。
秀吉の天下に信長を慕う牛一は、本能寺の変に隠された謀略を暴こうとするが、行く手に立ちはだかる闇に愕然とする。群雄が割拠した戦国の世は、また、現代に匹敵する情報と策謀が渦巻く
凄まじい時代であった。
「奇跡には必ず裏があるもの。歴史とは勝者の作り話に過ぎない」陰湿な駆け引きと陰謀、それを制した者だけが歴史に名を留める。だが、その背後で糸を操った陰の力は、決して名を顕すことは無い。
明智光秀は、その明晰な頭脳の故に、罠に嵌ったといえないだろうか。何故に光秀は叛旗を翻したのか、この謎は現代においても、格好の推理ゲームのテーマである。
本書もまた、それに一石を投じた。お勧めの一書である。
類書で、池宮彰一郎「本能寺」も、面白い。

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紙の本

2005年のベストセラー

2008/08/31 13:04

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る

2005年のベストセラー。本能寺で亡くなった信長の遺骸が、どこに消えたのか?というなぞに挑む歴史ミステリー。

遺骸の行方を捜すことは、すなわち「本能寺の変」の真相解明、もっと言うと誰が信長を殺したのか、という問題に行き着きます。

この小説は、安易な黒幕説はとらず史実に基づきつつ独自の解釈をしています。

その結果、犯人は・・・

直接的には、もちろん光秀。

作者の加藤氏の経歴も非常にユニークです。東大から中小公庫、証券会社とビジネスの世界の住人だったのに、いきなりこんな本格小説を書いてしまうとは。

すごいの一言。

http://blog.livedoor.jp/c12484000/

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紙の本

もし加藤が30代でこれを書いたら、凄かったでしょうね。でも遅くデビューした作家、例えば松本清張、隆慶一郎もいることだし、次回に繋ぐ第一作ではあります

2005/08/25 20:01

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人の友人に建築家の内藤廣がいます。彼は芸術選奨も取ったし建築学会賞も取った天才です。で、加藤廣、名前が似ている。だは、それだけ。といっても、私がこの本を手にしたのは、あくまで著者名ではなく、「信長」という名と歴史ミステリ、そしてのデビュー作という言葉に惹かれたからです。
さぞかし、若い作家の意欲作だろう、でもファウストではなく日本経済新聞社というお堅い出版社から出たのは何故だろう、そう思いはしました。先入観とは凄いですね。著者略歴も見ずに読み進めたものですから、若いのにやるじゃん、結構、調べているし、などなど思うわけです。
で、書評を書こうという段になって著者紹介を読んでビックリ。加藤廣は、1930年生まれ。金融畑を歩き、経営書の著書も多く、講演活動、企業経営指導でも実績があり、この作品は作家転向の第一作だという。ちなみに2005年現在75歳だから、この話の主人公が信長記を纏めた頃の年齢と近いですし、作家として転向する自分と重ねているのではないか、そう思いもしました。
主人公は『信長公記』を書いたとされる太田牛一で、彼の事跡を辿る本かといえば、そうではなくて本能寺の変で亡くなった織田信長を軸に、光秀、秀吉、三成、家康といった有名どころを登場させながら、歴史と称される文献資料の意味などを問い直していきます。牛一にとっての信長と秀吉にとっての信長、生きている時の信長と死んでしまってからの信長。
同じ人間にとっても、時代、立場によって信長の姿は変わっていきます。そして浮かび上がる歴史の真実。ま、太田牛一という隠居した人間を主軸に置いたせいか、若々しさというようなものはどこにもありません。歴史ミステリといっても、驚愕の真実、というほどではないでしょう。
特に、前半は全く面白くなくて、私など電車の中で寝過ごしそうになってしまいました。でも、主人公の下に若い女が転がり込んでくるあたりから、話は俄然、面白くなります。やはり恋愛は最高のスパイスではないでしょうか。私などもお目々パッチリ、平均読速120頁くらいには速度を上げました。
加藤は既に書いたように経営畑にいたわけですから、例えば南原幹夫の多くが経済小説的な要素をもっていたように、そういう金絡みの展開をさせてもいいのでしょうが、そういう方面へ向かう気配はまったくありません。ひたすら、信長の若き日の姿と、死の真相、そして秀吉が太閤へと上り詰める背景を探っていくのです。
老人ばかり出てくるので、老人臭プンプンのところがありますが、救いは後半に登場する丹波生まれの女 の存在です。案外、映画にでもしたら、彼女とのカラミが一番面白いかもしれません。そして、キリシタンの歴史までが絡んでくるのですから、スケールもある話です。安土城の天守閣の解釈も、斬新で、少なくとも私はこのような話を聞いたことはありません。これで加藤が30代だったら凄いな、と思うのです。
構成は、第一章 安土脱出、第二章 市中の隠・太田牛一、第三章 捨万求一、第四章 舟入学問所、第五章 隠れ里・丹波、第六章 吉祥草は眠らない、それに、あとがきです。
装幀 間村俊一、装画 水口理恵子で、水口の絵の渋さがいい。気になるので自分の書評を調べましたら、この人、桐野夏生『グロテスク』『残虐記』、林真理子『聖家族のランチ』、乃南アサ『嗤う闇』などを担当していて、そのどれも褒めています。とくに、ちょっとマットな感じで日本画を思わせる間の取り方、透明感と静けさが気に入ったとあります。この人、ちょっと注目ですね。いや、水口のことですが。
加藤は次作待ちでしょうか。今回は及第点。あとは女性をどこまで書くか、ですね。隆慶一郎や松本清張のデビューも遅かったですが、加藤はさらに年齢が上。これからは年齢との競争になります。楽しみにして待ちましょう。

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紙の本

一気に読める歴史小説本

2007/05/13 00:55

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:武蔵野 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 世の中は時代劇、特に戦国時代復興ブームである。その中で、最近は、信長、秀吉、家康、信玄、謙信たちの軍師、参謀の小説が多い。私もTVでこのドラマを見て興味を惹いた1冊である。
 メジャーな戦国大名は、既に書き尽くされた感がある中で、信長の棺は、ミステリー性も加味しながら、信長、明智、秀吉の政治家(謀略家)としての見方として、新鮮味が有り、一気に読んだ珠玉の本である。これひとえに、筆者の経験豊富さのなせる業か?私には吉川英治を彷彿させる文体であった。
 今、秀吉の枷を読み進めている。さらに明智左馬介の恋へと読み進めたい。久しぶりに、追いかけしたくなる筆者である。但し、頭脳明晰、経験豊富のなせる業と思われるが、ストリーでたまに横道に脱線するのはいかがなものか? 他の読者に意見を委ねる。
 以上

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紙の本

歴史の秘密

2009/06/09 22:33

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

信長の棺(ひつぎ) 加藤廣 日本経済新聞社

 主役は太田牛一、信長を慕う警護役の家臣であり、かつ伝記作家でもあります。秀吉から信長や秀吉の伝記執筆を依頼されています。
 本能寺の変で亡くなった信長の遺骸が見つからない。それを探す推理小説になっています。織田信長氏の偉大さが伝わってきます。世界の中の日本の立場・発展途上の位置を正確に理解し把握して将来の日本像を描き日本を発展させていく。そこに、私利私欲はみられません。信長はうつ病になるときがあって、そのときに虐殺や殺戮(さつりく)が起こるそうです。彼は躁うつ病だったのでしょうか。
 桶狭間の合戦における策謀、陰謀がきっかけとなって、信長の死についても同様の策略があったと信じこませてくれる説得力があります。235ページあたりから続く牛一と若くて魅力的な女性楓(かえで)との男女関係の話は、わたしにとってはつまらなかった。ふたりの姿は、歌探しをする長崎ぶらぶら節、なかにし礼著に登場する学者さん、そして遊女と重なりました。
 物語における真実の解明と推理に、はらはらどきどきしました。秀吉の中国大返しを始めとして、自分の頭の中にある日本地図上で、時を越えて複数の人物たちがこの安土桃山時代に重なるように現れては消えるという幻を楽しみました。
 第6章は秀逸です。織田信長氏の人格とか素養とか寛大さについて考えました。

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紙の本

小泉さんも読んだ、ベストセラー

2007/03/14 16:49

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 前首相の小泉さんも読んだという話題の一冊です。
媒体は忘れましたが、なにかの書評でこの本について読んだ時、
太田牛一っていうおじさんが、恋したりする話し、、って書いてあったのですが、
この本は、この太田牛一って人(存在に)にそれこそ、どれだけ萌えられるか
にかかっているといっても過言ではないと思っています。
 つまりこの本の肝は、信長公記の作者太田牛一を主人公に持ってきた
ところなのです
 私は、日本史は、それほどコアなファンではありませんが、
秋山駿さんの、「信長」読んだあたりから信長を知る上での
もっともキーになる資料本の作者として太田牛一の名前を認識するようになりました。
秋山さんの本でもなんども、太田牛一の筆によるととなんどもなんども太田牛一の名前が、
出てきます。
 あの太田牛一が、どういう風に探偵役をするんだ??と
あの、と太田牛一の名前に、あのをつけて強調しつつ
興味を持って読まないと普通の歴史ミステリになってしまいますね、、。
 と、本書については、読む前からずーっと思ってきたことで、
これが、一番言いたかったことです。
 読んでみると、またちょっと違った、感想を持ちましたが、、。
 書き手としてそれこそ、後世に残る作品を書くんだという、
太田牛一の矜持と著者の加藤さん自身の執筆する上での矜持みたいなものが、
 物凄くシンクロして、書き手の思いみたいなものが、
面々と伝わってきます。
 又、権力と書き手(表現者)みたいな構図もばんばん出てきます。
それと、これって、ある種密室トリックなんですね。
読む前は、全然思いもしませんでしたが。
 強調すべきは、以上の上記でそれ以外は、割と普通の歴史ミステリですね
読みやすく、間口が広く、万人受けし、
普段あんまり本を読まない人をひきつけるベストセラーの要素を全てもっています。
 そして、めちゃくちゃ面白いわけでは、ないけれど、
面白くないとは、決して書けない。そんな感じですね、、。

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2005/09/23 12:49

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2005/09/24 12:44

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2005/11/18 08:05

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2005/11/21 01:19

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2006/03/29 00:57

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2006/04/10 02:11

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