サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

国家とはなにか みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー19件

みんなの評価4.3

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (7件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
17 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

新しい批評家の登場

2006/02/08 15:27

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る

平易な文章で書かれた理論書で、「国家」という概念の根底に暴力を見て、一種の力学的な構造を抉出していく手つきは極めて明快であり、かつ説得力に富んでいる。ひさしぶりに理論的な本を読んだという気がした。
ウェーバー、シュミット、ベンヤミン、フーコー、ホッブズ、スピノザ、アルチュセール、などの文章を引用しそれに批判を加えまた解釈を加えして展開する論はいかにもポストモダン以降の理論家といった風貌を見せていて、しかしいわゆるポストモダン的な「戯れ」とは無縁のぶっきらぼうな実践的態度が、新世代の批評家の誕生といった印象を与えてくれる。
もっとも、暴力論を基底にした首尾一貫した論理で「国家」という概念をキリキリ練り上げていく手腕は見事ではあるのだが、その原理性ゆえにどうも結論が先取りされて分析が組み立てられているように思われる箇所も見られ、それは国家の成り立ちについて歴史的に分析するところなどに多く現れているように思えた。
本書で対象とされている「国家」はやはり西欧に出自をもつ近代国家から遡行して抽象された「国家」であって、いわゆる「アジア的専制」や「アフリカ的段階」といった別の思考といかに交叉するのか、といった疑問を感じずにはいられなかった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

先だつもの

2008/12/18 19:58

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

思想・哲学書のなかでも、(一部をのぞいて)ひじょうに読みやすい部類の本だ。理由は三つ。

一つは、他の評者さんもご指摘のように、論理展開がじつに理路整然とすすむこと。
二つめは、引用が多いが、それがただ提示されるのではなく、反芻されて著者の言葉として議論に組みこまれて進行するところ。おかげで、本文に比べややわかりにくいものもある引用文の内容が有機的に連動する。
三つめは、より主観的な見方だが、ひらがな率の高さである。漢字は名詞を中心とし、かなりの数の動詞・形容詞などをひらがなにしている(ただし、統一されていないところがある。意図的なのかどうかはわからない)。これで文面の密集感がなくなったこともあって、ソフトで読みやすくなった。この手法がつねによいわけではないのだろうが、お堅い本にはかなり効果があるやり方だと思う。

私事で恐縮だが、書評コーナーの1600字制限がとれたこともあって、私もすこしずつひらがなを増やすようにしている。が、どうしてもクセで変換してしまい、なかなか用法の統一ができない。むずかしいものだ。

《要するに、国家がまずあるのではなく、暴力の行使が国家に先行するのだ。あらかじめ存在する国家が、あらかじめ合法化された暴力を独占すると考えてはならない。そうではなく暴力のヘゲモニー争いに勝利しているという事態が国家を構成していると考えなくてはならない。》

本書を読み終えて思い浮かべるのは、山登りにたとえると何度も行ったことのあるお気に入りの縦走路で、いつも一方方向からの縦走だったが、ある日に逆走をこころみてみたときの印象だ。あるいは、いつも帰りは真っ暗になってからしか通ったことのない「通いなれた道」を、はじめて明るいうちに帰ってみたときのことでもいい。
ポイントポイントでは同じもののはずの勝手知ったるなじみの風景が、シーケンスを逆にたどることで違ったものに見えてくる、あのときの新鮮な印象。

・シュミットのいうように、敵がいるから富を手に入れて暴力を蓄えるのではない。先だつのは富を我有化しようとする欲望だ。そのために暴力は蓄積され、暴力を組織化するという循環運動がある。
・税の徴収は民の安寧をはかるためにされるというのは、原因と結果を取り違えている。暴力の格差が税の徴収に先だつ。
・マルクスのテーゼは逆転される。徴収が余剰に先だつ。
・資本主義の発展によって国家は退場しない。資本主義を崩壊させても国家は廃棄できない。

さて、本書については、「すでにさんざんやられた議論だ」といったような批判もなされたという。
たしかに、国家を考察するうえでウェーバーによる暴力を核とした国家の定義を出発点にすえるのは、目新しいことではない。アレントによる権力と暴力の関係性の把握のしかたには、弱点があるという著者の指摘もそうである。
だが、著者が「先だつもの」としての“暴力”や“欲望”を終始手放さず、徹頭徹尾つきつめていく議論類型にはあまりお目にかからなかったような気がする。
今回、読みかえしてみて「迷いのなさ」が気にはなったのだが、断定調が鼻につくというほどではなかった。

平易でありながら「凄み」が伝わってくる理論書である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2011/10/08 22:02

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/12/22 18:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/23 17:42

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/11 14:19

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/11/23 23:25

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/12/30 17:02

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/05/07 00:44

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/05/14 19:20

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/03/24 19:37

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/20 22:30

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/05/26 15:59

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2014/03/23 02:41

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2016/10/24 07:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

17 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。