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愛について、色んな角度から検証し、その例文をのせる、という形式も面白かったけれども、例文の内容がまた、面白かった。
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高校生の時に福永と出会い、初めて読んだ時はよくわかりませんでした。読み返すたびに新しい発見があります。
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福永武彦にハマるきっかけとなった忘れられない一冊。
ところどころに挿入されてる超短編小説が、またいい味出してるんだな。
愛ってなんなんだろうね。
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昔、知人がある人に、
この本をプレゼントしている場面に居合わせたことがあって、
「なんだろーあの本」と、
長年心にひっかかっていた一冊。
愛とは相手の孤独を所有しようとする試み。
もしくは、
本質的に孤独を運命付けられた人間が、
その運命に抗しようとする試み等々。
発見いろいろ。
さっくりしてていいよね。
納得できるし。
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「そうか、それは知らなかった。お前たちのことは私が何とかしよう。それに今晩のことは冗談だよ。私は癌でも何でもないんだ、ちょっと悪い冗談を言っただけさ。家の者たちにはどうか黙っていておくれ。癌じゃないんだから。お前をびっくりさせて、本当に済まなかったね。」(釣のあと)
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福永武彦の恋愛論。
人は生まれながらにして孤独であることを大前提に論が展開されていくので、それ自体に疑問を持つ人は付いていけない。
個人的にはとても好き。
初恋は(というか恋愛全般は)往々にして錯覚である。
決して冷たくはないのだが、かといって情熱的とは言い切ることができない彼の恋愛観がある意味ストイック。
これこそが『草の花』の作者という感じだった。
挿話がまた秀作ぞろい。
「花火」がよかった。
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僕はただ、人間が生きるために他者を求めて行くその魂の願いのようなものが、生きるための人間の希望の一つであると考える。(本文より)
愛と、その表裏一体の孤独について語ったエッセイ。主に男女間の愛について語っているのでいま恋愛している人、又は失恋した人にとってお薦めの名著。
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愛について考えるエッセイ。短いフィクションの挿話を挟みながら、人を愛するということ、真実の愛とは何か、孤独とは何かを思索していく。
少し理屈に走っているきらいはあるけれど、愛するということについて、深く考え続けてきた方なんだなあということは、前に読んだ『忘却の河』や『草の花』からも伝わってきました。
そんなふうに深く、自分の存在をかけて人を愛したことはないなあと、こういうのを読むたびに思います……
もっと若いうちに読んでいれば良かったかも、とも思い、あるいはもっと人生経験を積んでから読んだらまた印象が違うかもしれないとも。
孤独とは、忌み嫌うべきものではなくて、自らのうちに抱え続けていくもの。人を愛することで消えてなくなるものではなく、死ぬまで抱え続けていくもの。そういう考え方は、なんていうか、すごくしっくりくるなあって思います。
ちょっと引用。
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二人の人間が一つの愛に統一されているならば、彼等は、自己の眼で見ると共に、常に相手の眼でも物を見なければならぬ。相手の傷を自分も嘗めなければならぬ。それでこそ孤独が癒される筈なのだ。しかし悲しいかな、人は傷つけられたのが自己の、自分一人の、孤独だと思いやすいし、相手が無条件にそれに同情してくれることを望みたがるのだ。まるで愛する対象が、自分のためのものであるかのように。自分もまた、相手のためのものであることを忘れたかのように。
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読みながら、むかし、カトリックの方から聞いたお話のことを思い出していました。
そういえば福永さんは、キリスト教にご縁の深い作家さんなのだそうです。わたしはいいかげんな仏教徒ではありますが、愛されることよりも愛することに重きをおくカトリックの精神は、実践するのがなかなか難しいものであるだけに、すごく憧れるところがあります。
そういうことを、教義や議論の中にあえていわなくてはならないというのは、本来の人が、愛されることばかりを望みやすい生き物だからなのでしょうけれど。
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吉行淳之助の『恋愛論』に比べると、やや宗教的というか、精神的な印象を受ける。
僕としては、『恋愛論』のほうが実体験に即して理解できたため、身近に感じられた。
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20年前以上に読んだのですが、もう一度読みたいと思って登録しました。本当の自分をわかっているのは自分だけ。人は本来孤独である。というメッセージが強烈なインパクトで心に残っている。
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愛より孤独にどう向き合っていくか、ということ。
孤独を癒すのは愛だけ・・・
挿話が具体例、実践編のような感じでわかりやすかった。
愛が見つからないとき、愛を手にいれたとき、愛を失ったとき・・・
何度でも読み返そう。すべてのフェーズできっと心に響くだろう。
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愛について必要なテーマを設けたエッセイと、それに密接に関わっていることがわかる短編小説を挿入した本。プラトン、ゲーテ、スタンダール、ジッドと、福永武彦の幅広い教養が見てとれる。
福永武彦の本には必ずつきまとう孤独という命題ですが、愛と絡めてこの人が語ると人間の孤独という抽象的なものがとても実感に迫る感じがして少しだけこわい。
愛の試みとは、人間の孤独を豊かにするための試みである、と読み取ったのですが、果たして福永武彦が語ろうとしたことなのかどうか。もう一度、時間が経ったら読み返したい本ではある。今のわたしには無理がある部分がおおかった。
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孤独、そして愛。
人を本当に愛するとはどういうことか。
大学4年間で読んだ中で5本の指に入る良書。
人を好きになり、両想いになり、別れが来る、どの段階で読んでも素晴らしい本だと思います。
何度でも読み返したいです。
気が向いたら全体的にまとめてレビュー書こうかな。
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愛について真面目に哲学的に語ったエッセイ。愛について分析するというのに、孤独についての分析から入ったので、初めのうちは面白く読んだけれども、福永武彦と自分では基本的立場が違うことが分かり、頓挫してしまった。
例えば、福永は恋愛対象が誰でもいいということはないと言うが、自分は結局恋愛など相手を選ばないものと思っているし、また、福永は恋愛が魂に基づくもので色欲に基づくものではないと言うが、自分は全く恋愛を性欲の延長上にしか見ていない。
しかし、面白い部分もあった。例えば、自分の閉ざされた孤独な心を救うには他者へ愛を与える行為をすればいいこと。あるいは、異性への愛は、エゴの発達が世界の自己同一化を生み、それに飽いた所で異質性への希求が生じることで発生すること等。
けれども、これらは別に学術的な指摘でも何でもない(後者は心理学的か?)。やはり、文学者には人間の特徴を描き出す方に専念してもらって、そこから理論を抽出する作業は批評家なり哲学者なりに任せた方がいいかもしれない。
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私は一度読んだ本をもう一度読んでみようとはあまりしないのだけど、これについては、いつかもう一度読んでみたいなと思った。
“愛は孤独を靭くする”という言葉が印象的。
わかっていても、その愛の中に身を投じること、試みること、
それこそが人生の醍醐味なのだろうな、と思った。