紙の本
オレンジ色の車を見かけたら
2005/11/19 22:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物は皆「中年」と呼べるような年代なのに、それぞれが自分の時間を生きているという印象をもった大人のファンタジーだ。
全3話の短編集。
最後まで読んだ時に、実は連作集だったことに気づく。
ひっそりと存在する気持ち。
日常生活を描いているのに、童話世界のような。
表題作『二人乗り』の正に自転車二人乗りの場面だけは、他の2つの物語の間を振り切るようなスピード感があった。
謎めいたひとたちの、妙に印象に残る1冊でもある。
紙の本
女2人と男1人の3編
2018/05/24 04:58
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
離婚した姉と別居へと突入した妹夫婦の関係性が奇妙な味わいでした。3人の行く末に惹き込まれていきました。
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嵐子さんの岩」「二人乗り」「エジソンの灯台」の3篇。
おもしろかったのは、「二人乗り」。
人間の形に似た街に住む不治子。その街にとある理由でやってきた女優の葵。偶然の出会い。
二人乗りして行った心臓の池で、葵がぼそっと言った「きょうわたしは心臓を見ました・・・」から始まる台詞が印象的。
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3つの短編が入ってるけど、やっぱりメインの『二人乗り』がすごくいい!!ひょんな出会いから人ほど、後々自分に影響を与える人になるのかしらん?テンポ良く読めるし、面白い。ありきたりそうでありきたりじゃない感じ。大人の視点だけどなぜかとっても親近感を感じる。
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2009.12.09. 普通に読んでいるのに、気がついたらはみ出している、連作短編。そんな感じです。大人の二人乗りって、現実で見かけたら異様な感じだろうけど、読んでる分にはとっても爽快で、「私も後ろに乗せて!三人乗りいこう!」という妙な気分になるのも、この本の魔法。なったらダメなんだろうけど、嵐子さんみたいな人に憧れてしまうなぁ。
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『(お)もろい夫婦』があまりにオモロくて、『日本語を生きる』では平田の小説のイメージ喚起力にもうたれ、さて次は小説を読んでみようと、とりあえず一冊借りてきてみた。
嵐子の話、不治子の話、道彦の話の連作。『日本語を生きる』の鼎談では、小説は具体的なディテールを書いていくのが面倒くさい、というようなことを平田も言ってた気がするが、具体的なディテールが書き綴られ、ありそうな、なさそうな、ちょっとフシギだが現実的な話になっている。
表題作の「二人乗り」は、おもしろかったなー。にやにやしてしまうおかしさがあった。
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変な人ばっかり。笑
でも不治子さんと葵さんの話は何かよかった。
愁太郎さんと会った後の道彦なら、もう一度不治子さんと菜々ちゃんとうまくいくかもしれない。
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連作短編三作。「嵐子さんの岩」普通の人生をおりた嵐子さん、四十五歳。普通の人生をおりたその暮らしとは。気だるさと風の吹くまま的な感じは癖になりそう。「二人乗り」嵐子さんの妹、不治子の元に訪れた旅人は女優だった。「エジソンの灯台」不治子の夫、道彦。逆玉の輿を捨てて転がり込んだ女との暮らしは・・。私は「嵐子さんの岩」が一番好きかな。かなり好みの作風。著者の他の本も読みたい。
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連作ラストの「エジソンの灯台」。
冴えない道彦は、東へ東へ、銚子の街をぬけて、犬吠埼灯台へ。
犬吠崎のサキは崎じゃなくて埼!
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登場人物が重なりながら出てくる、ひとつの家族のそれぞれの話。とにかく、奇妙だが親近感が沸き、「ちょっとわかるなーこの気持ち」と思わせる面白い話。
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「嵐子さんの岩」「二人乗り」「エジソンの灯台」の3作。嵐子、不治子、道彦。連作になっていて面白かった。
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川上弘美の読書本から購入。
中年にさしかかっている主人公3人。それぞれが、あきらめの気持ちをかかえながら生きている様子がリアル。でも、だからといってウツウツとしているわけではなく、割り切っているからこその清々しさも感じた。3つの話が最後にぐるっと輪になったところでニヤッとしてしまった。
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わりと面白く読めました。はじめの嵐子さんは読み始めお年寄りかと思ったけど、若いのでちょっとイメージがつかみづらかった。つぎの二人乗りは面白かった。女優が突然家に泊まり続けたというのは意外な展開だったけど…
最後の「エジソンの灯台」では道彦という人がこれまた今までの話の流れでは想像できない人物だったことに驚いた。
人それぞれの道があるってことかな。
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角田光代の書評集「私たちには物語がある」を読んで、まさにこの書評で興味を持って図書館で借りた平田俊子の「二人乗り」を読了。これがかなーり面白かった。連作三短編の構成だけど、そう来たか!と膝をポンと叩いてしまいたくなるような展開でテンポもよくサクサク読めた。
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私小説、純文学なんだと思います。平田俊子さん「二人乗り」、2005.7発行。読み応えがありました。読了後もしばらく余韻が残ります。「嵐子さんの岩」「二人乗り」「エジソンの灯台」の連作3話。不倫をベースにした物語ですが、人間の内面が細かく描かれていると思います。「二人乗り」の夫道彦がゆきえの元に、娘菜々が実家行き、一人暮らしになった不治子と女優岡本葵のやりとりが面白かったです。「エジソンの灯台」では、浮気男の道彦と不治子の姉嵐子の浮気男との出会い、物語の構成として味わい深いものを感じました。