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紙の本

裏の主題(?)も興味深いです。

2005/07/19 14:47

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りあ - この投稿者のレビュー一覧を見る

11冊目となった「スティープウッド・スキャンダル」シリーズ、
今作もいい作品でした。
ヒロイン・ヘレンはアフロディーテの醜聞のヒロイン・デジレーの友人として登場していました。
デジレーは教え子の父親に襲われていた所を見られ、
それが原因で学校を去りますが、
ヘレンも過去に家庭教師をしていた時に同じような経験がありました。
その現場を目撃したのがオリヴァー・ブランドン。
彼はそれが原因でヘレンを妖婦と思い込んでいます。
そんな彼が今は学校の教師として
しかも彼の被後見人を教える立場にあるのですから
一悶着あるのは必至です。
ところで、このシリーズを通して感じるのが
女性の権利、地位の低さです。
それを前面に押し出している作品はないのですが
登場人物の幾人かはそれで涙していて、
何作か続けて読むとこれがシリーズの裏の主題なのではと思うのです。
ヘレンもそれがあってオリヴァーから非難され、
友人のデジレーも同様に非難されました。
またオリヴァーの被後見人ジリアンも
女性ゆえの規制に縛られ苦しみ危機にも直面しています。
そういう面から読んでみるのも
現在の欧米女性の地位に至る苦労も考えられて面白いと思いますよ。

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