紙の本
ファンだったら読める内容
2023/04/16 11:03
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投稿者:こっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
河合隼雄も吉本ばななも好きで読んでいる(いた)ので、関心持って読めたけど、ファンじゃないと、といったほどの内容だと感じました。対談企画自体ファン向けのものなのかも知れませんが。中身は玉石混交な感じでしたので、読む人の感性次第で得るものが違うのかも知れません。個人的には吉本ばななさんの「読者が自分の小説を読んでいる2時間は、読者が自殺を考えたくて済む」云々の箇所が印象的でした。
紙の本
無理して書かんでええんとちゃう?
2012/03/21 14:38
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人の紹介本。こういう場合、レビュー書くのに果てしなく神経使います。密かにあんなことやこんなこともありましたし。人が感銘を受けた本について述べるのは、その人の人生観について意見するのと同じこと。迂闊なことは書けません。悩みすぎてもどしそう。
だから今回はあまり持論は述べず、あっさりと「なるほど」程度に留めておきます。よって☆マークもなし。ご了承くださいませ。
では本題。ユング心理学(分析心理学)や箱庭療法を日本にもたらした心理学の第一人者、河合隼雄さんと吉本 ばななさんの対談集です。
河合:ぼくは、だいたい「はあ」とか「なるほど」ばっかり言うてるんです。それでいつも家内に言われる。「あなたは『なるほど』言うて、だいぶ金儲けしている」って(笑) (P258)
河合さんの著書「こころの処方箋」。若い頃に読んで感銘を受けた記憶があります。再読しようかな? ほのぼの温かい空気の中、「なるほど、なるほど」とばななさんを優しく包み込むように導く河合さん。そんなカウンセリング的で巧みな話術が印象的でした。
最後に一つだけ(右京さん調)。
河合:だから、ぼくらはときどき「なにも、そんなに無理して働かんでええんとちゃう」と言うときがありますよ。「あなたが生きているということが、すごいことなんだから」って。
~中略~
いま現代人は、みんな「社会」病にかかっているんです。なにも、社会の役になんて立たんでもええわけですよ。もっと傑作なのは、ただ外に出て働いているだけなのに社会に貢献していると思っている人がいる。貢献なんてしてないですよね、金儲けに行ってるだけでしょ。「そんなん、別に」とぼくは思ってます。社会へ出て行くとか、だいたい社会というものが、あるのか、ないのか。それから、なんで貢献せないかんのか、とか。全部、不明でしょ、ほんとのとこは」 (P110)
「働」を「書」に変換。「なにも、そんなに無理して書かんでええんとちゃう」・・・か。まさに、なるほどな処方箋。染み渡ります。
※「です・ます調」レビュー100本ノック。25本目。
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『News from Paradise―プライベートフォト&エッセイ』と連続して読んでしまってえらい疲れた一冊。こちらも現代社会で生きていく事の難しさ、大変さみたいな話がテーマなので。でも読み応えはありました。
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吉本隆明の父親としての顔も垣間見ることができる貴重な本。
見識を広げようとするハウツー本とか、こうすればうまくいくってのを法則みたいにして紹介する本とかいろいろあるけれども、対談集ってのはこれ、おもしろいですよ。
必ず二人以上でやるでしょ。異質な人間同士が対話する様子は、一人によって延々書かれたものよりも読者にその物事に対する広く深い見識を与えてくれる。
世の中の見方の一部をこの本は教えてくれた。
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現代社会の生きにくさなどをネガティブではなく語っていていろいろ考えました。河合さんの本も読みたくなりました。
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言うまでもない興味深い対談。
心理療法家(文化庁長官や京大名誉機教授など)
として著名な河合氏と、日本を代表する女流作家吉本ばなな氏のほんわかとした(しかし真面目な)対談。
本の裏表紙の解説には
「ふたりが明かす生き方のコツ」とかあってちょっとうさんくさい感じを受けましたが、内容はなかなかおもしろい。
・学校が嫌いだった。
・近ごろ、癒しだヒーリングだ言い過ぎだと思う。
・つい、力を入れすぎたり抜きすぎたりしてしまう。
・表紙の河合隼雄さんはcuteだと思う。
このどれかに当てはまる人は、読んでみたらいかがでしょう。
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「名は体を表す」という言葉がありますが、本にしてもそれは同じだと思います。
そのタイトルに、本の魅力がぎゅっと凝縮されているような気がする。
この本のタイトルに入っている「なるほど」というフレーズが、強く印象に残った。
今風(?)に言えば「へぇ〜」でしょうか。
でも、「なるほど」の方が、きちっと相手の話を理解したうえで納得しているようなイメージを持ちます。
心のそこから「なるほど」と呟けるほど、ばななさんと河合さんの対談は力のあるものでした。
やっぱり言葉を大切にしている人たちって、とても魅力的です。
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よしもとばななさんと河合隼雄さんの対談。河合先生の対談ものは、とても好きです。こんなふうに、人の話を聞きたいなぁって思います。
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「やっぱり自分をよく知らないと、もっともっとつらいことになっちゃう気がする。社会的にいいとされていることを、『つらいけど、やっておこう』と意気込んで、それこそ病気になっちゃったり、倒れちゃったり、過労死しちゃったり。自分を知っていれば、もう少しやりようもあるのに。」−吉本ばなな「天性の触媒みたいな人がいますよね。触媒は何もしないけれど、触媒がなかったら反応は促進されない。」−河合隼雄
そういう、なるほど…って思うような言葉にわんさと出会えてしまいます!学界でも有名な河合先生とよしもとばななのビッグ対談。周りがどうこうだから自分も…じゃあそうしとこう。じゃなくて、自分にとってどうするのがいいんやろう?ほんとーにちゃんと自分の頭使って生きていきたいとがつーんと。そう、そのヒントのような本。
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心理療法家の河合さんと小説家のばななさんの対話は、とてつもなく面白く深い。ばななさんの小説はどうしてあんなに心理描写がお上手なのか、一端を垣間見た気持ち。
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あまりにも面白くなくって久々に必殺飛ばし読みをしたもんだからますます内容が分からなくって面白くなかった。結局、今の日本では、特別な感性を持っている子どもたちはなかなか生きにくいってことを様々な角度からひたすら行っているにも関わらず、それでも日本で生きていくみたいな事なのだと思う。二人ともそれぞれ好きなんだけどなー。やっぱり対談ものってどうも得意じゃございません。前の村上春樹とのときはすとんと来たんだけど、その時は若かったのかしら。。それとも最近読んでいる本のジャンルが違いすぎたのかしら。。。
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面白かったのは、実際の会話でなく活字からも、カウンセラーとしての河合隼雄と、クライアントのように内から何かが引き出されそうになりながらも賢明に押し留めている、よしもとばななの様子が伝わってきたことだ。
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とっても素敵な会話がぎっしりつまっています。
会話って、こうゆう風に言葉を交わすことだよなって改めておもうところも。
河合さんの話方はとてもやさしく、相手の気持ちを掬っています。
あんな風にお話できる方はとっても少ないと思います。
たくさんの方に読んでほしいなぁと思いました。
二人の対話と対話してみてほしいなぁ。
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癒すということばに疑問を持っていたが、それについてまさに思っていたことが語られており、はじめて吉本ばななが好きになった。
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文句なしに5点。
最近おもしろい小説がなく、新書も知識を詰め込む作業に思えてきてたので、この本に出会えてまた読書欲アップ。
『本当に困って困って、「どうしよう」ということがあったら、寝る前に「どうしよう」って本気で自分に訊いて眠ると、朝起きたとき、必ず
答えが出てる。眠りには再生の力がある』
『自分の感覚、掴んだものは譲れないということをやっていくことが、個性を作ること。それをどうやって現代社会と折り合いをつけるかということ』
『人生にまっすぐに向き合っているのに、周りからは「変な子」だと思われる』
『日本は全体的圧力がすごく強いから、あんまりとっぱずれなかった割りに、才能を潰された人の数はすごく多い。そういう平均的な犠牲の上に成り立っている』
『日本では「○○はこうしなさい」という一般的圧力が強い。』
『関西の人は関西弁を話しているときの自分と、標準語を話しているときの自分とでは人格が違う』
『日本では「なんとなく」の中身を訊くと、イヤな顔される。』
『ほんとうのことを言ったら嫌われたり。野暮みたいな感じになっちゃう』
『自分がなんでそうなっているのか。どういう状況にあるのか。わからない人たちがいる。「なんか知らないけど辛い」とか。それを作品を読むことで「あ!!」って思ったり』
『日本はおせっかいの文化。変わってるは変わってるでいいじゃないか』
『創造する作業において、おせっかいはマイナス。創造する人はその世界にいないとダメなのに、そこへガヤガヤと手や足を突っ込んでくる』
『男女はあまりに好きになると、一体感への希求が高まり、何から何まで「ひとつ」でないと気がすまなくなる。そしてそのような生き方は一緒に住んでいると長続きしない』
『いまの子供達が気の毒なのは、自分が考えたり判断したりする前に、いろんなものが先に入ってくること。しかも「これが本当」という形で入ってくる。そんななかで「おかしい、おかしい」と思っている子達が苦労している。昔だった流行に乗るのは少数だったのに今はテレビで何がメインかとか、何がメジャーかとかを意識して、時代精神を意識する』
『学校に行く子と行かない子の違いで、いちばんわかりやすいのは、良心が認めてくれてるかどうか。あるいは家族が。誰かが。』
『なにやらおかしいとだけ思ってる子は、黙っているか、引っ込むしかない。』
『一般の人が言うことを言わないというのはすごいこと』
『千人に講演するのと、一人に会うのとでは、一人のほうがよっぽど疲れる。千人を相手の講義では、僕が勝手なことを言って、ちょっとええかっこして、みんなに喜んでもらえて、「はい、おわり」ってもんやけど、それを喜んでやったら、僕がだめになる。ところが一対一というのは真剣勝負。』『本当に気の毒な人もたくさんいるから、そういう人にこそ会わなきゃいかんという気がある。本を書くことで一般の人にはある程度。。。そやけど、そういう一般の人に話すためにはすごく難しい人に実際あっていないと、とおりいっぺんのことしかいえなくなってしまう』
『痛い目にあって、ギリギリのところ���残ったものがヒーリング』
『世の中のほとんっどのものはリラクゼーションであって、ヒーリングではない』
『昔風の所謂ばかげた幸福パターン。何かにのっかってると楽だから。自分で判断できて、自分で自分を頼みにするという人はまだ少ない。しんどいから。自分を頼みにするのはくるしい。けど楽しい。でもみんなは「楽しい」の方だけやろうとするから、急に「苦しい」に落ち込んだりする』
『自己実現。言葉としては平凡だけど、自分と向き合う、それだけで十分苦しかったり、つらかったりイヤだったりする。そういうことが自己実現。自分のしたいことをするのとは違う』
『自分と向き合う作業は、人間にとって必要。必要と言うか、せっかく生まれてきたんだから自分は他のどこにもいないし、おそらくまぁ世界に一人。』
『やっぱり自分を見ないほうが楽。「ああこんな汚いところもあるんだ」とか「こんなつらいことが」とか。「こんなふうに逃げた」とか自分自身に対して思ったり。嫌なところばかり見ちゃうことが多いと思うから、つらい作業。でもやるより仕方ない。自分をよく知らないと、もっともっとつらいことになっちゃう気がする。社会的に良いとされていることを、「つらいけど、やっておこう」と意気込んで、それこそ病気になっちゃたりしたらもったいない』
『自分でああしようこうしようと思ってたら絶対ダメ。来たものになんとなく答えてく。「時が経っていった」という感じの方がうまくいく』
『人には普通、「自分の能力を疑う機能」がついてる。「私、才能ないんじゃないか」とか普通は思う。そこで思うからみんなやめてく。でも私の中にはガード機能がある。そこまで考えがいたらないようにする機構も含めて。病と言っていいほどの思い込み。』
『大事なのは先に考えるのではなくて、それに身を任せること。それさえ出来れば、何か生まれてくる。自分を頼みにする心がとても大事。それは自分に自信を持ちすぎるでもなく。いざとなったら自分がなんとかするだろうという。』
『心が開いてる方が、いろんな偶然に対する心配りが広くなる。狭い人はおもしろいことが起こっても見えなくなる』
『失敗した事例は、論理的に説明可能。でも本当にうまくいった事例は、論理的に説明できないのではないかと思っている』
『その人の心の中で圧力の高いものがパーッと出てくる。普段はそういうことを抑え込んで言わないようにしてる』
『楽しいときも何か溜め込んでる。でも口では「楽しい」と言う。そこで溜まったものはどこかで出さないと無理をしていることになる。』
『私の場合は、自分の中で書くほうが突出してるから他のことが追いつかない』
『人間が生まれてくる、その意味は何かって考えると、なんらかの形で社会に参加することだと思う。社会に参加するというのは、他の人を助けるという意味。』
『謙虚であって、自分を信じてる。このふたつがないとダメ』