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紙の本
幸村の捨て身の突撃が家康を追いつめる
2009/12/29 19:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪冬の陣は和睦が成ったが、徳川方によって内堀までも埋め立てられた大阪方が反発し、再び戦いが起きようとするところから、大阪夏の陣が終わり、徳川家が戦後処理を始めようとするあたりまでを描いている。
本巻の見どころは何と言っても、後半に描かれている大阪夏の陣での大阪方の凄まじい攻撃と真田幸村の家康本陣への突撃。
志気の低い上層部、そして全軍を束ねる総司令官がいない大阪方にもかかわらず、徳川方に手痛い打撃を加えた戦闘シーンには引き込まれた。
特に印象に残ったのは、戦いの中で真田昌幸の娘・於菊を妻にした滝川三九郎一積と義兄・真田幸村が出会った場面。
凄まじい赤備えの真田軍の突撃を描いている中で、家康を守るため真田兵と戦う滝川三九郎。そしてそこに現れた真田幸村。
この二人が出会い、槍をまみえていた間、周囲の争いのざわめきから隔離され、二人のみの世界で複雑な思いを抱きつつ闘う様子が目に浮かんできた。
その他にも、幸村と信之の対面、草の者と甲賀忍びの闘いなど、楽しめる場面が多い。
そして本巻の最後にある信之が家康に目通りする場面は印象に残る。
頬がげっそりとした家康が信之に言った『豆州。左衛門佐には手ひどい目に会うたわ』という言葉は、かなり重い。
この幸村への感想に、密度の高い思いが詰まっているように感じられた。
次の12巻はいよいよ真田太平記の最終巻。
夏の陣を前に行方を眩ました樋口角兵衛、樋口角兵衛とともに怪しい行動をする信之の侍臣・馬場彦四郎、夏の陣でバラバラになった草の者の今後、そして真田家への徳川家の今後の対応など、最終巻でどのような結末になるのか非常に楽しみだ。
また草の者へ怨念を燃やす甲賀忍び・迫小四郎の存在も気になる。
紙の本
盛り上がる
2016/02/21 23:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
大坂夏の陣と大坂冬の陣、真田幸村の真骨頂はこの歴史的事実の中にあります。
途中は飛ばしてやっぱりこのあたりを読みたくなる願望は抑え切れません。
10巻が抑え気味に書かれていたのは11巻を盛り上げるためだったと理解しました。
紙の本
大坂夏の陣で幸村は存分に真田の戦い方を世に知らしめた
2017/08/18 23:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
文字通り、大坂夏の陣の顛末が描かれた1巻です。『真田太平記』全体を通してもクライマックスとでも言えるところでしょう。
冬の陣で早々に和睦に持ち込んでおきながら、家康の野望は尽きることなく、豊臣家を滅亡へと向かわせる手管を使うあたりの話ももちろん面白いのですが、やはり何と言っても夏の陣での真田幸村の戦いぶりが非常に印象深いところです。
ある種まともに考えれば考えるほど、幸村がなぜ豊臣家に殉じていくことになったのか不可解なところも多くなってしまうのですが、これを読んでいて、幸村は決して豊臣家に殉じたわけでなく、真田の戦い方がいかなるものかを世に示さんとしたというのが本当のところだったのだろうと思えてきました。戦国時代から安土桃山時代を経て、戦というものが日本から消えていく時の、最後の侍らしさを体現しようとしたといったところなのでしょう。そして、幸村を思う存分にそうした気持ちに向けさせることができたのは、兄信之が徳川方につくことを全うして真田家の存続をはかっているということがわかっていたからだとも言えるのでしょうか。
長い物語で、読む進めても読み進めても終わりにたどり着かないように思われ、少しでも先へ先へと読み進めてきましたが、次はもう最終巻。ここまでくると、物語が終わってしまうのが寂しく思えてくるほど、このところずっと『真田太平記』につかっていたというのに今更ながら気づいてしまいます。
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幸村〜
2002/04/04 05:22
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:足軽頭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幸村かっこよすぎ! とドキドキわくわく一気に10巻読み進みました。男気が感じられる一冊。この本のラストは…読んでみて下さい。