紙の本
泣けるが薄い!
2006/07/04 22:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る
バースディとは東京霊長類研究センターのボノボ(ピグミーチンパンジー)。このバースディは人と会話ができる。「バースディプロジェクト」に関わる真。一緒に働く由紀に結婚を申し込んだ日、あろうことか由紀は飛び降り自殺をしてしまう。
何よりこのバースディがかわいい。真や由紀たちはバースディを自分の子どものように可愛がります。研究のために利用されるバースディがかわいそうになってきます。それがわかっていながら、愛情をもって接する真と由紀。その切なさも伝わってきます。
そんな研究も恋人由紀の飛び降り自殺というショッキングな出来事で暗転。ここからドラマはなぜ飛び降りたのかに変わっていきます。目撃者はバースディだけ。人と会話できる能力を最大限利用し、真相を究明しようとします。
研究対象という動物と人間のエゴ。真も悩みながら、真相にたどり着きますが…。切ないんですよね、本当に。
切なさと裏腹にバースディを大学部内をの権力争いの描き方や、安達先生と由紀との関係などもう少し枚数を使って欲しいかった。前半が非常に良かったと思ったのはわたしだけでしょうか。真相も予想どおり。途中でわかってしまいました。
真とバースディとの会話「マコ 、メ、 ミズ」というのがずっと残り続ける作品です。
動物を主人公とし、その愛情が痛いほど伝わってきます。本当に可愛い。かたや人間はなんて勝手なのだろうと思える作品でした。
しかし、荻原さんだけにもう少し重厚さを求めたい気がするのです。十分には楽しめる快作といったところでしょうか。
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私は3月までこの小説に出てくるような環境の中で生活していました。いろんな気持ち(小説を読むにはあまり適さないと思う立場)で、只今、この小説を読んでいます。→で、読み終えましたが…。フィクションとはいえ、私が実際に生きてきた世界をモデルにして書かれているので(実際に著者が見学に来られたので…)、逆に物語りに入り込めませんでした。この手の作品に対しては最低の読者です!!これは作品のせいではありません。私のせいです。自分が生きてきた世界を客観視して考え込んだりもできたので読んでよかったなぁと思いました。でも、やはりとても悲しい話でした。
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俺個人的にはスゴイ好きな作品です。
話の最初からは考え付かないような結末が待っていました。
是非一読下さい。
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サルだけが知っている愛する人の真実。彼女はなぜ死んだのか?目撃者は人と会話をするサル(ボノボ)、バースディだけ。若き研究者が謎を追う長編ミステリー。
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類人猿の言語習得実験を行う霊長類研究センターを舞台に、そこで働く研究者、実験を
されるボノボを巡って引き起こされる人間ドラマを、上質のミステリーとして描いた傑作
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明日の記憶の荻原浩の山本賞受賞後の作品。
コールドゲームや噂に続くサスペンス調の作品。
なぜ、彼女は自殺したのか…その答えはサルだけが知っている。
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彼女の自殺をめぐるなぞを解く鍵は、ボノボのバースディが握っていた。彼女が死んだ時、一緒にいたのはバースディのみ。人間の言語を理解するバースディと会話をし、ひとつひとつなぞを解いていく。が、メロドラマにしたいのか、推理小説にしたいのかどっちつかずで微妙。でもなんとなくさわやかなのでまぁいいか。
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人語を理解する類人猿が大きな鍵を握るミステリー。昔テレビで見た京都大学のチンパンジーのアイちゃんを思い出したわ・・・
謎解きの部分が読んでもいまひとつピンとこないコンピュータ音痴の私には、期待したほど楽しめませんでした。残念!
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類人猿の言語習得実験を行う霊長類研究センターを舞台に、そこで働く研究者、実験をされるボノボを巡って引き起こされる人間ドラマを、上質のミステリーとして描いた傑作。
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とにかくバースディが可愛い!人間と会話が出来るピグミーチンパンジーのバースデイと研究者の物語。と思いきや、話は意外な方向へ転がって行く。最後は切ない決断だけれど、もっともっとバースディとの時間を一緒に過ごしたかったけれど、あのまま研究が進んでいれば、、、なんて夢も見るけれど、全ては人間のエゴなんでしょうか?
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会話するサル(ボノボ)バースディ。霊長類研究センターで、大学助手の真は、謎の自殺を遂げた安達助教授のあとを継ぎ、バースディの言語習得研究を続ける。研究仲間の由紀の協力も得て、発表会では成果をあげるが…。推理小説ですが、それ以外の要素でも楽しめました。ただ、著者の他の作品に比べると、少し物足りない。主人公以外の人物の思いが迫ってこなかった。
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【霊長類研究センターで働く主人公は人と会話するサルの研究をしていた。
そのサルは三歳のオスのボルボで名前はバースディ。
ある日、バースディの前で同じ職場の研究員が自殺する。
動機が見当たらず唯一の目撃者のバースディからなんとか情報を得ようとする主人公・・・】
ミステリーとしてはとっても面白かったです。途中でなんとなく展開が読めちゃうまでは面白くて一気に読んでしまいました。
またバースディもすごくかわいくて感情移入ができちゃうんだよね。
子供みたいに。
最後どうなったのか気になるけど
私的にはハッピーエンドと言うことにしたいな(笑)
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「ホント、こういうのに弱いんです私。。とても素敵な作品でした☆どんなに沢山の言葉でも伝わらない想いと、ほんの少しの言葉で伝わる想い。自分はあの時どれだけのことを理解してやっていたのか…心が苦しくなります。」
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専門用語が多く出て来て読みにくいかなと思ったのですが、そんなことは全く無く、むしろ読みやすかったです。この作品に出て来るサルとはボノボ(別名ピグミーチンパンジー)のことです。人間の世界にだって様々な言語があって、意思の疎通が難しいことがあるのに、何でボノボと会話をする必要があるんだろう…と疑問に思ったものの、読みやすさは抜群でした。
事件の真相に意外性は無かったです。登場人物たちに感情移入出来なかった点も残念。特に主人公の真を、あまり好きになれませんでした。物語の中でバースディを“実験動物”と言われて憤慨していたけれど(そして、そのとおりだと自覚はしていましたが)、ぶっちゃけ実験しているのは自分ですしね。だったら辞めれば良いのにとか、ついつい思ってしまいました。ラストに泣きはしたけれど、それは人間のあまりにも自分勝手なエゴによって運命を翻弄されたバースディというボノボが可哀想だったからです。
全体としては★二つなのですが、バースディがご飯を食べて頬をもこもこと膨らませる姿や、椅子に座って足をぶらぶらとさせる姿がすごく可愛いかったので、一つ増やして三つにしておきます。
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2008.03.14. わりとダラダラ読んでしまったけれど、ラスト。バースディの片言から想像されるメッセージが切ない。