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北回帰線 改版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー23件

みんなの評価3.5

評価内訳

23 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

北回帰線

2001/10/04 20:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あんぱん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 大胆な性描写で有名な小説である。しかし、この小説は大胆な性描写だけではない。たしかに筋がまとまっておらず構成がいささか整っていない部分はあるが哲学的な若者の遍歴は性描写ぬきでも充分に楽しめるほど魅力的である。

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紙の本

ヘンリー・ミラーの<ニク>、「芸術」することのかっこ悪さ

2003/06/11 08:54

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『北回帰線』で、ミラーは露骨で、卑猥な、どうしようもなく〈ニク〉に引き寄せられる人物たちを描いています。〈ニク〉の意味は色々あるのですが、大雑把に言えば、肉体の〈ニク〉や食べ物の〈ニク〉といったところでしょうか。芸術の高尚を語ろうが、人道を説こうが、彼らが〈ニク〉に憑かれていることに変わりはありません。そしてもちろん、ミラーにとって、彼ら自身ですら〈ニク〉にすぎませんでした。
 『北回帰線』は1934年に発表された、ミラーの代表長編です。34年といえば、フィッツジェラルドが『夜はやさし』を書いた年でもあります。ちょうどパリにいたアメリカ人作家たちが母国へ帰り、次の段階へ踏み出したころです。続々と芸術家連中が帰国するのを尻目に、ミラーはパリに居残り、この「センセーショナル」な小説を書き上げました。
 小説の舞台は主にパリです。あらすじといったものはありません。ただ、汚い路地裏をブラブラうろつき、妄想に頭を膨らます、ろくでもない主人公「ぼく」を、過剰なまでに饒舌な文章で描いています。
 僕の言うセンセーショナルは、当時話題になった過激な性描写のことではありません。確かに『北回帰線』にはPTAが大騒ぎしそうなことが沢山書かれています。けれど、現代から見れば、あまり過激でも、刺激的でもありません。むしろ性の形としては、陳腐で型通りにさえ映ります。『北回帰線』のすごいところは冒頭にいきなり出てきます。
 「ぼくは金がない。資力もない。希望もない。僕はこの世でいちばん幸福な人間だ。一年前、半年前には、自分を芸術家だと思っていた。いまでは、そんなことには頭を使わない—ぼくは存在するだけだ。〜これは小説ではない。これは罵倒であり、讒謗であり、人格の毀損だ。〜そうだ、これは引きのばされた侮辱、『芸術』の面にはきかけた唾のかたまり、神、人間、運命、時間、愛、美……何でもいい、とにかくそういったものを蹴とばし拒絶することだ」
 ミラーは人間を〈ニク〉の次元にまでひきずりおろします。人間につきまとう、抽象的な概念、思い込み、幻想といったものをことごとくむしりとり、肉片を剥き出しにします。小説で他にそんなことをしたのは、『枯木灘』の中上健次くらいしか僕には思いつきません。漫画ではジョージ秋山がそういったことを描いていたような気がします。
 人間と同様に、芸術や文学をも、ミラーは裸にします。僕は『北回帰線』を読んで、小説の読み方が180度変わりました。文学に対する若気の思い込みや、高尚だと考えていた観念を捨てるしかありませんでした。『北回帰線』から学んだことは、「芸術」することのかっこ悪さでした。

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2005/10/03 23:11

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2006/08/13 10:33

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2011/04/27 21:04

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2009/08/28 15:00

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2010/09/10 23:14

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2010/11/19 22:20

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2011/07/26 18:24

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2008/02/01 06:50

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2012/06/03 00:36

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2012/06/03 13:41

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2012/11/02 12:58

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2012/08/02 23:32

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2012/09/10 09:29

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