紙の本
「はてしない物語」の前史
2006/02/04 20:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が何者か、最後になるまで気付かなかった。エンデの「はてしない物語」を読んだのはだいぶ前であり、古本屋の店主の名前など忘れていた。「はてしない物語」の前史となる、若き古本屋の主のファンタージエンでの冒険物語である。「はてしない物語」の文体とよく似ていて、雰囲気や印象も合っている。翻訳のせいもあるかもしれないが。合致しているのは文体だけではない。登場人文や小道具にいたるまで、ぴったりしている。「はてしない物語」の読者でもあった作者が、整合をとって書いているのであるから、当然かもしれないが。今回のテーマもファンタージエンを蝕む虚無との戦いである。現実世界との接点となっている古本屋と一体になっている、ファンタージエン図書館の本が消滅し虚無に置き換わる原因を探索する。不思議な生物、魔法の道具、魔法使い、魔物など、お馴染みではあるが個性的な登場人物?が、それぞれで魅力的である。この作者の他の作品も読んでみたい。
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新聞の書評では「仕掛けが多いのが難点」とありましたけど、ラルフ・イーザウは『ネシャン・サーガ』から「整理が良い」という印象で読みやすいです。エンデが見出したラルフ・イーザウのエンデへのオマージュであるこの本は、エンデファンなら読まないとね。面白かったです。
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古本屋の求人広告に応募しようとやってきたカール。しかしその古本屋は見た目より、物凄く広い。というか別世界のファンタージエンに繋がっていた…。そして突然消えた古本屋店主タデウスを探しに出かけるが、次第にファンタージエン存続の危機に向かうことに…。
いや、最後に分かったんですがね。はてしない物語のオマージュだって。そして、本に色々な匂いがあるっていうのはブラッドベリ『華氏451』を思い出します。
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主人公が24歳ってのが気に入った。
こういうファンタジーってのは、たいがい何でも子供が主役で、子供でなければ純粋な心を持ってないし、子供でなければ冒険できない感があるのを払拭してくれた。ありがたい。
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ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』の続編。『はてしない物語』の中で何度も繰り返されていた”けれどもこれは別の物語、いつかまた、別のときにはなすことにしよう”がやっと実現してくれた感じです。時間の流れからいくと本編より昔の話になります。
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はてしない物語の前の話として作られた話。コリアンダーさんもやっぱりファンタージエンでさまざまな体験をして、あの本屋になったんだ。
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さすが!!
読後に鳥肌が立つ大作でつ!!「パーラ」とも何気にリンクしているし、やっぱこの人好きだー!!と思ふ。
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読み応えがある499ページ。表紙の絵はちょいと的はずれな気がする。〜1938年大学を放校になったカールは古書店後継者募集の公告を見てトルッツ氏に出会い,裏に広大な図書館があることを知ってファンタージョンを旅する。世界を救うため,グリフォンの背に乗り,期待の家で氏に再会し,竜を駆る娘クトピアと共に,空中楼閣・盗人の町,黒のエルフェンバイン塔を巡ってノックスを手に入れ,デモルクとゴーガムというヒントを得る。人狼を追ってグモルクの門を通り抜けて『失われし純潔』を持ち帰るが,それは白紙の『はてしない物語』へと変化した。〜なーーるほど・・・イーザウはミヒャエル・エンデに見出されたのだが,師の物語の続編を書くのではなく,前編を書いたわけだ。いやはや見事です。七日間と思っていたのが七年間で,戦争の終わった,廃墟のドイツに帰り着くってのも良いね。
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装丁をはてしない物語のようにこだわって欲しかったかな。
内容としては、はてしない物語を読んだことのある方ならそこそこ楽しめるかなと思います。
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エンデの作り出した世界、キャラに依存している部分がおもっていた以上で「はてしない物語」に思い入れがあるほどあたりはずれは微妙だと思う。
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コレアンダーさん大活躍!そうか、あの古本屋さんにはそんな秘密があったのね。イーザウの他の作品ともさりげなくリンクしてて面白かった。2007/5/19
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Ralf Isau; Die geheime Bibliothek des Thaddaeus Tillmann Trutz
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勿論書いているのがエンデ氏ではないから「続編」とは言い難いけれど、これもまたひとつの解釈で、「はてしない物語」がこうして受け継がれていることが嬉しい。
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ファンタージエンシリーズ最高評価。どうやって「人の子」の世界と、ファンタージエンがつながり続けてるのか秘密が分かる。かなりうれしい。一番原作に近い話の構成、つなげ方だと思う。
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エンデ生誕100周年記念、ということで、「エンデに見出された」と冠されることの多いラルフ・イーザウさんが企画した
「はてしない物語」のパスティーシュ第一弾。企画者であるラルフ・イーザウさんの著作です。
「ネシャン・サーガ」や「暁の円卓」などでご存知の方も多いかも。
主人公は「カール・コンラート・コレアンダー」、気の弱い金縁眼鏡の青年です。
そう、「はてしない物語」冒頭に登場する、バスチアンがあかがね色の本をこっそり拝借したあの古書店の主人。
バスチアンの前の救世主の若き日の物語が語られています。
訳文ならでは、の不自然な言い回しなんかが少しばかり気になりますが、「はてしない物語」をかつて読まれた方ならきっと楽しめると思います。
記憶の引きだしに「はてしない物語」が眠っている全ての大人の方に。