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続いている物語なのに翻訳者が違うためトーンがずれるので、冒頭が辛い。やがて流れに慣れてはいくのだけれど。作品が出るたびに日本で紹介されていたようだが、ブラッドベリの本を読んで来た私の目につかなかったというのはどうしてなんだろうか? ちゃんと本屋さんには通っているんだけどな。
翻訳のタイトルにまずは異議あり、というところか。タイトルがネタばれになってるじゃん、と途中で気が付く。「Graveyard
for Lunatics:Another Tale of Two Cities」というのが原題。そのまま訳せば「狂者たちの墓所:二つの都市の物語」であって、まさにそういう中身の本である。ちょっと意訳が過ぎたんじゃないかと思う。
とはいえ、読み始めればブラッドベリの世界。その上前作と違って、この人がモデルだと判る人が登場するのが嬉しい。レイ・ハリーハウゼンが本当にブラッドベリと高校時代からの友人だと知って驚いたが、2人の友情は確かに理解出来る。
だんだんと登場人物が減っていくのは前作と同じだ。次作のタイトルは「さよならコンスタンス」。物語を通してのヒロインがどう消えるんだろうか。主人公はどう生きて行くんだろうか。