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紙の本

この事実にまず触れることが大事

2006/03/12 02:02

17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は元予備校講師だった。著者の授業は、代ゼミでも屈指の人気であり、非常に分かりやすい講義が話題を呼んでいた。しかし、著者は、日教組や、代ゼミにさえ巣くう極左による誹謗中傷によって教壇をさることになった。
 本書は、左翼の言われなき中傷に苦労してきた予備校講師ならではの非常に簡易かつ平易にして高度な内容となっている。
 著者も言うように、予備校というのはべ平連・全共といった左翼の巣窟である。予備校で著者のような「日本擁護」発言をすれば、直ちに追い落とされる。著者はまさに「いじめ」だったと表現している。
 特に醜悪を極めるのが、「朝日新聞」である。いま、朝日新聞を購読されている方がいるとしたら、それが何を意味するか本書を読み考えて欲しい。奢り高ぶった中国人による、先の日本総領事館襲撃についても、日本は完全に被害者なのに、「靖国を参拝する日本が悪い」と論じたのである。著者はそれら具体的事実を上げ、朝日は中国の「人民日報」日本支局だとする。まさにそのとおりとしか言えない。朝日は人権人権と騒ぐが、中国の悪口は絶対に書かない。それは、朝日はかつて中共の機関紙である人民日報と中国に不利益な事は書かないという協定を結んでいるからである。知る権利と記者の表現の自由からすれば、全くジャーナリストの風上にも置けぬエセ人権集団であることは明白だろう。「ジャーナリズム宣言」とは笑止千万の荒唐無稽。
 さらに、日韓の対立をより先鋭化した教科書問題でも、扶桑社の教科書をわざわざ高橋哲哉というダボはぜとつるんで中韓へ「軍国教科書」と宣伝して、中韓の反日感情を煽ったのも朝日である。実際、軍国というのは完全な嘘であったことが分かり、中韓の方が戸惑ったほどだった。
 「竹島」を韓国へ譲渡せよとコラムで論じているのも朝日である。まだまだ書ききれないが、要するに朝日は日本の新聞ではない。
 さらに本書で目を引くのは尖閣諸島は日本領であるという章である。そこには、極めて具体的な事実が書かれている。たとえば、尖閣の灯台のバッテリー交換をしにいった人の話。彼は、上陸した瞬間、中国の軍艦から威嚇射撃されたという。しかし、海上保安庁は一切助けなかったという。
 しかし、正確には助けられないのである。何故なら、憲法9条がある限り、わが国は防衛すら出来ないからである。政府を責めるのは筋違いだ。9条という上位規範がある限り、政府はそれに反する法案を提出する事は出来ないからだ。尖閣はハーグ国際裁判所で争えば、100%日本領であると立証できるものである。
 ここ5年の間、まず間違いなく中国と日本は一戦交えるだろう。しかし、日本の艦船は沈むまで何もできない。たとえ目の前で日本の観光船が攻撃されても自衛隊は助けてくれない。日本人が目の前で中国人や北朝鮮兵士に殺されそうでもなにも出来ないのである。現行法規に照らせば、我々を助けて敵兵を殺したら殺人罪に該当する。
 中華尖閣ニ進撃シ、帝國法鎖に哀哭ス。これは近未来の日本の姿そのものである。人口の1%にも満たない極左集団のプロパガンダに流され護憲を唱える方は、ゆめゆめ、敵兵に殺されても日本は何もしてくれないなどと言わないことだ。もちろん、尖閣の底に眠る700万バーレルの石油(600兆円以上)に対しても政府の対応が悪いなどともいえない。ガンジーのまま軍艦と交渉せよと言われてもそりゃ無茶だ。
 他に本書で素晴らしいのは「何でも自国がルーツと言い張る韓国」の章である。韓国による武士道撲滅運動に関しては、最大の緊急を要する現代日本にとって最も劣悪な反日運動であることはこれまでの書評で再三述べさせて頂いたとおりだ。
 本書を読めば、とりあえず中韓問題で議論負けはしない。この日本にこういう頑張っている教師が1人でも増えると日本の未来も変わるだろう。

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2008/09/30 17:07

投稿元:ブクログ

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