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治安の悪化する東京都が、抜本的な対策として設立した『EDS 緊急推理解決院』。警察では対応しきれない難事件を、市井の名探偵の力で早期に解決しようという施設だ。
多様な専門分野が設置され、名探偵師(ホームズ)と助師(ワトソン)が勤務し、順調な成果を上げていた。が、クリスマスイブの朝、突如ある人物が恐ろしい攻撃を仕掛けてきた。
9人の作家がそれぞれ一つの科を受け持ち創られたストーリーを、今まさにEDSの内部で同時多発しているかのように短く切り差し込まれる様式。気を抜くと、その科で何が起こっていたのか分からなくなってしまう。
事件はほとんどが、「そんなのあり?」的な奇想天外なものばかりで、謎解きに重きを置くにはちっと・・・という感じ。じっくり考えるには向かないけれど、このようなドタバタ感を楽しむには良いのかもしれない。
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合作長編。短編集としても読める。
9人中5人は何冊か既読の作家。なかなか豪華な顔ぶれ。
それぞれの作家さんが、得意なジャンルで持ち味を活かして描いているように思う。いい企画ですね。
作者のシリーズものの登場人物が出てきたり、石持浅海さんの章で東川篤哉作品の探偵が出てきたりと、読者へのサービスも十分。
松尾由美さんの章の「みおちゃん」という子は…バルーンタウンの探偵さん?
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2016/11/27
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連作で一つの世界を奏でる。それは芯なるハナシの力が大きく必要になる。表せされる世界の拡張性は大。
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「新世紀「謎」倶楽部」は、固定メンバーではなくその時々で有志メンバーだそうですが、今回は緊急推理対策院という面白い設定を作ってそれぞれの短編を上手く時系列で分解して見事に合作長編となっていました。それぞれの作家さんが得意分野を担当しているようでしたが、別シリーズの探偵の名前が出てきたりするところも面白かったです。自分ではたくさんのミステリを読んでいるつもりでいましたが実際はこの本の作家さんたちの半数以上が未読でした。どの作家さんもとても読み易かったので是非作家さんそれぞれの他の本も読んでみたいです。