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芸術、あるいは美学を主題に扱った論が多いのですが、全体としては「見る/見られる」こと、というのがテーマですね。最後に収められている「イチローの三振する技術」という文章は、野球のプレイヤーとボールの関係をめぐる考察として秀逸です。「江夏の二一球」の、例の石渡選手のスクイズ(失敗)についても言及されており、キンテツ系読者としては、その点にも注目です。(20060220)
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攻殻機動隊に名前が出ていた人という印象しかなかった大澤さん。
読んでみると面白そうなことを言ってるけど何言ってるのか分からん。言葉が難しい、聞き慣れない言葉につまりどういう事だろうと疑問が湧くことがただあった。
美術作品と工芸品についてとイチローの話は読んでいて感心した。美術作品が工芸品より格が上に見える理由をカントの言葉から説明する。
その説明の内容が偉大な美術作品に現れるあの力(引力のような)みたいな物の本質だと思えた。
またイチローの持つ類い稀な動体視力とそれが引き起こす結果と結果以外の可能性が、どの時点で決まるのかについての考察も唸るほど整理するのが難しいけど何となく分かる。
分かるとイチローが超凄い動体視力を持ってる人だと再確認するのとさらに、時間と判断の話をもっと聞きたくなった。個人的にここが一番面白い。
それ以外の話も普段制作をする中で疑問に思う所、かつそれはなかなか正確な答えが出ないような物も上手く言葉に表してあったので、半年後辺りにまた読み返して再度制作をする手助けになるだろうと思う。
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絵画や映画、音楽、スポーツといった分野に、社会学的な考察を加えた著作である。著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの同じ主題の変奏と展開」が、それぞれの考察の通奏低音となっている。
最後の「イチローの三振する技術」は興味深く読んだ。