紙の本
神栖麗奈は、あなたの所にもいるかもしれない。
2005/12/10 19:20
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぬほがち - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず「神栖麗奈は此処にいる」という奇怪なタイトルについてですが、正直読み終わった私からすればこのタイトルは、一種の戦慄を伴って果てしなくズシリとくるものが。とても深い意味がこめられています。
あとがきで著者自身が言ってることですが、前作と作風はさして変わっていません。濃密な心情描写と人間関係をメインに、その表現力を存分に振るって書かれています。
例えば、私たちはアインシュタインの世界観なんて分かりませんし、(こんな事言うのは失礼かもしれませんが)精神異常者の価値観なんて全くもって不可解です。それは現実問題までレベルを下げても同じことで、隣の家の×子ちゃんの価値観なんて表現してもらっても理解するのはかなり無理がありますし、それはおそらく友達とて同じことでしょう。「受け入れる」ことと「理解する」ことは違いますから。
それぞれの世界の見方、それぞれの自分だけのリアル。御影瑛路さんは、それらの価値観を抽象的に比喩的に、そしてどこか病的なものを伴わせての表現によってその溢れる才能を如何なく発揮してくれています。分かりづらいことなど大前提、いとも簡単に「あーその表現分かる。よく私も考えるよ」などという風に分かってしまったあなたは精神的にヘルプが必要かと(言い過ぎ!!)
これまた前作同様、一部が微妙に推理モノじみます。しかし気になる程でもないですし、私的に論理的な展開は好みなので全く問題なし。
ここまで心情描写に特化しつつ、物語として形を持たせているのは圧巻です。私のように、好きな人は相当ハマるのではないでしょうか。
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前作「僕らはどこにも開かない」と同様、見せ棚の中で異色を放ち、思わず手にとらせる魔力がありました。
彼女と会った者は次々に自殺していく、「神栖麗奈」という不可思議な現象─。
内容も凄く自分好み。
ただ前作にも言えることですが、アクが濃いので人によって好き嫌いの差が激しいと思います。
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彼女は、【わたし】の親友。陸上部に所属していて、クラスは違うけどいつも一緒に下校している親友。
彼女は、【僕】の家族を殺した憎い仇。僕は彼女を許さない。僕の家族を殺してなおのうのうと生きている彼女を許さない!
彼女は、【わたし】の仲間。人型エネルギーを消すため……世界の危機を救うために一緒に戦う仲間。
彼女は、【俺】の……
彼女は、いつもおかしいくらい美しい微笑みを浮かべている。
彼女は、【あなた】にとっての、何……?
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読み終わったあと「結局何が何だか分からない!」ってなったけど、後からホラー小説という事に気がついて考え直した。だけど、特に怖いとも思わなかったので何だか消化不良な感じ。
まぁ取りあえず、続編もある事から狙い的には「りんぐ・らせん」みたいにしたかったのかなぁと。
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神栖麗奈は此処に散るも読了。
一言で言ってしまうと暗いよー。でも何か…色々とこねくりまわしたくなる気持ちは分からなくない…というかもごもご。
08'12'25−08'12'29
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私の親友は、おかしいくらいに綺麗なのよ。
皆さんも、一度は会ってください。絶対に、会って後悔はしませんよ…絶対に。
あぁ、麗奈!ほら、彼女が神栖麗奈。私の大親友よ!!
え?
誰もいない……?
ふふっ、
何を言っているの?
あんなに美しい存在が見えないなんて、あなたの目は腐っているわ!
残念な人。。。本当に、残念だわ……
腐っているのは私の目ですって?
残念なのはお前の思考回路。。ふふっ、自分が見ることができないからって、人にあたるのはよくないわ。。
ほら、皆さんは見えるわよねぇ?
この世で最も美しい、私の大親友!
神栖麗奈が……ね?
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水凪御奨めシリーズ第3弾。
うん、救いようのない話でした。
4章の人くらいはハッピーでも好かったのに・・・。
エピローグも全然理解できていませんが、不気味な雰囲気が十分に表現されている点は素晴しいです。
酷い後味だったから、【散る】を読んでみようと思うのでしょうか?
商売上手と思いました。
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イラストなしで不思議な雰囲気。
神栖麗奈って見る人によって違って見えるというか、ミステリアスだと思う。
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御影節ともいうべきペシミスティックな青春小説。展開の予想は容易だったが、登場人物にどっぷり感情移入していたためかさして気にはならなかった。
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ストーリーが深過ぎて驚いた
この人はすごく頭がいいんだろうなぁって思った
こんなすごい物語思い浮かばないって…
(少なくとも私では絶対思い浮かばない)
神栖さんこわい御影さんすごい
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"神栖麗奈"に関わった青年達の一部始終を、オムニバス形式で書き連ねた作品。各章ごとに話は完結しているものの、時間軸は章の流れに沿っている。
ふと気付くと、"神栖麗奈"は此処にいる。
「おかしいぐらいに美しい」彼女は、登場人物らにとって欠かせない存在となっている。そこにはさまざまな事情が含まれている。あるときは唯一無二の親友。あるときは家族を殺害した犯人。また、あるときは共にこの世界を救う救世主。彼女は一体何者なのか。本作のテーマはそこにある。
本編では、"神栖麗奈"という現象を視るために、"神栖麗奈"という名前を知ることと、自分にとっての美人のイデアが人間の神栖麗奈と似ているという条件が必要だと述べられている。そこに、「常識」というフィルターをはずした狂人のみにしか視えない、という条件を改めて追加したい。
ここで、私は二つ目の条件に疑問を持った。
登場人物によって
気になるのは、"神栖麗奈"が美人のイデアであるならば、全ての人に
とって美人のイデアは"神栖麗奈"となるのか、という点である。
私はイデアについて深くは知らない。イデアと理想像はほぼ同義、程度の
理解しかしていない。私はこの作品を読むまで、全人類が共通して同じ
イデアを持っていると思っていた。ならば、"神栖麗奈"の名を知った者は
全員彼女を認識し、取り込まれなければおかしい。この矛盾に対して、
「狂人にのみ視える」という条件を持ち出すのは納得できない。
もし、個人によってイデアは多少姿形が変わるのであれば、この疑問は消える。イデアについて詳しく調べ、また読み直したい。
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神栖麗奈は人の「逃げ」だったんですね。
友達がいない人には友達として、恋人を失った人には恋人として。
結局みんな救われませんでしたが。
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神栖麗奈に会った人間が、彼女に翻弄される物語。終末は大体が死を迎える形になり、まるで呪いを振りまいている印象を与える、所謂都市伝説系のストーリー。クライマックスで神栖麗奈が何者なのか、に迫るが結局よく分からない。
次巻の前日譚は未読なので、そこではっきりするのかな?と期待してみる。
個人的にはこういう都市伝説系の話は好きなので全然アリだが、万人受けはしないだろうというのは断言できる。
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この神栖麗奈というのが、幽霊のようなキャラでホントは一体どんなモノなんだと、そう思わせられる。そのキャラが持つ心の動きや周りの反応など不思議な雰囲気を持った人物はそれだけで、色々と考えさせられるしどんなことを思っているのか気になる。
あとは、あまりライトノベルっぽくないし。流行りの萌えっぽさもないし、かと言って中二病って感じでもないので興味があれば読んでみてもらいたい。
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電撃文庫なめてた。衝撃を受けた本。
恩田陸の六番目の小夜子を思い出した。
めっちゃ好みの不気味さ。