紙の本
一見、収束を見たはずの事件が再び動き出します!
2016/09/02 09:26
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、宮部氏の超傑作の第4巻です。特捜本部は、栗橋と高井を犯人を認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載し始めます。今や最大の焦点は、二人が女性たちを拉致監禁し殺害したアジトの発見にありました。そんな折、高井の妹である由美子は滋子に会って、「兄さんは無実です」と訴えます。さらに、二人の同級生、網川浩一がマスコミに登場し、由美子の後見人として注目を集め始めます。一体、栗橋と高井は、無実なのでしょうか?事件は、急に新しい方向に転嫁していきます。
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もう一人の男
2024/01/23 02:17
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投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕方ないのだろうけど、「何があったか」を読んできた読者としてはそれぞれの登場人物が死んだふたりを犯人としてしまうのがもどかしい展開。由美子はあんなに気丈だったのに操られてしまっているのも。暴力に依らなくてもこうやって人を思い通りにできるってことをさぞ愉しんでいるだろうっていうのがまた。それでも救いのように、懸命に考え方法を探る人たちがいて、覚えておきたいシーンがあった。そしていろんなことがつながっていくはず。
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模倣犯4
2023/05/01 16:08
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性連続殺人、そして会社員殺害の犯人は栗橋と高井の共犯と警察は考えていた。しかし栗橋の犯行の物証はあるが、高井には物証がほとんどなかった。そんなある日、高井和明の妹の由美子が兄と栗橋の同級生の綱島と一緒にマスコミの前に現れ、兄の無実を主張し始めるのだが・・・・・。
徐々に犯人らしき人物が浮かんできましたね。それまでの作品と違い、今回は新たな展開で話が動きましたね。次は最終刊ですので楽しみです。
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下町らしさがよく出ている
2021/05/05 17:42
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の地元を反映してか、下町らしさがよく出ている。気になるのは女子高校生でも、「あたし」と言わせていること。「私」でよいのではないかと思う。
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大きな展開を迎える予感がある
2016/05/15 22:01
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうとう第4巻まで読んだが、物語はまだまだ大きな展開を迎える予感がある。この長い物語をここまでぐいぐいと読者を引っ張っていく宮部みゆき氏の筆力はさすがである。最終巻を読むのが楽しみである。
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なんだかなあ
2021/01/14 17:33
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
事件に関連する人たちが、やたらと偶然に接触するんだよね。
ストーリーを進めるうえで必要なのかもしれないけど、
だとしたらストーリーそのものが不自然すぎるってこと。
最後の巻で、その辺の必然性が明らかになるのならいいけど。
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巻き添えをくって犯人にされてしまった青年の無罪を晴らしようのないもどかしさ。観客はすべてわかっているんだけれども、登場人物がすれ違いばかりで、観客の期待に応えてくれないという、昔のメロドラマのノリでした。
真犯人の狂気も人間離れしていますが、警察の情報操作なり、マスコミの影響で、ほとんど誰もが無実の可能性に目をつむってしまうところに、本当の恐ろしさを感じました。
2006/1/11
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文庫全5巻からなる大部の作品、三部構成の第三部、いよいよクライマックスが見えてきました。
以下にネタバレがあるので、またいらんことを書いて間隔を空けておきます。
大切にしているつもりなのですが、なぜか本が散逸してしまいます。引越しのときも一冊も捨てなかったはずなのに(本だけをまとめてダンボールを一つ作ると重すぎて持てないし底が抜けるしといいことがないので、文庫本程度ならほかの荷物の隙間に突っ込みまくるのが正解というノウハウを身に着けるほどに本は捨てていません)
そもそもブクログで蔵書リストを作るまでは現物と対照すべき台帳がなかったのですから、「あるはずのものがない」ことには気付きにくいはずです。でも、あんなに貪るように読んだはずの星新一や小松左京や筒井康孝や北村薫や小野不由美や矢口孝雄や手塚治が見当たらなくなっていたり、全巻揃っていたはずのグイン・サーガが歯抜けになっていたりするのをみると、所持していたはずなのにいつの間にか見当たらなくなった本がある事実を認めざるを得ません。
記憶違いでそもそも所有していなかったのか、見当たらなくなった本ばかりが詰まったダンボールがどこかで埃を被っているのか、原因ははっきりわかりませんが、でも理由の一つに借りパクがあるのは間違いありません。
本の貸し借りをする(というか、借りることはあまりなく、布教の為に貸し出すことが多いのですが)相手ってそれほど多くなく、読むものの趣味も似通っているのであまり血眼になって返却を迫ることもなく、なんとなくそのままになってしまっているのですが、ふと思い立って仕返しをしてやろうと思ったことがあります。
そのときは、『すごく面白い』と焚きつけた上で、この「模倣犯」の1巻~4巻を貸してやりました。
思惑どおり、借りパク犯は5巻だけ購入せざるを得なかったようです。もちろん、貸した4冊は無事回収しました。ささやかな復讐で宮部みゆきの売り上げもアップ。
閑話休題。
善VS悪のバトルは、有馬義男VS犯人グループ、カズVSヒロミを経て、やっと前畑滋子VSピースの最終決戦に至りました。
三度繰り返された対決構造ですが、ラストバトルにはこれまでと大きく違う点があります。善代表のはずの前畑滋子は、有馬義男、高井和明が備えている、このお話のヒーローとしての要点2つ、地に足が着いた仕事をしている大人であることを満たしていないのです。
第三部では前畑滋子本人がこのことを感じ、引け目に思っている描写が繰り返し出てきます。
1巻から5巻までを通じて、劇場型犯罪に熱狂するマスコミ、そのマスコミを利用して自己実現を図る犯人グループ、メディアスクラムに押し潰される由美子、そして自分の家の近所で起きている事件であっても、それをテレビ画面で見て初めてリアリティを感じる世間といった、最近の言葉で言えば「マスゴミ」にまつわるよくないあれやこれやがありとあらゆるところに散りばめられており、15年近く経っても基本的な構図が変わらないことに改めて嘆息します。最近はインターネットやSNSがマスコミの独裁に楔を打ち込み、ヒビを入れつつあると��思いますが、今度はネットの弊害が目立ち始めているのはご承知のとおりです。
前畑滋子はカズとヒロミの犯行のルポルタージュを書くことで、そのマスコミに自分の席を得ようとしています。しかしそれが本当に自分が望んだことなのか、彼女は常に自問自答を繰り返しています。特に、有馬義男が虚業であるマスコミを見つめる視線を感じたとき、ピースがマスコミを利用していることを感じるとき、そして、有馬義男と同じ側にいる、彼女の夫である前畑昭二の、マスコミに前畑滋子が席を得ることに対する感想――書いたものを読んで業績を評価しているのではなく、ただ単に自慢したいだけ――を見るにつけ、悩みは深くなるようです。
宮部みゆきの本を読んでいて、前畑滋子のような女性キャラは珍しいのではないかと思いました。作者の描く女性キャラは勝ち気で活発なタイプが多く、作者(または、作者の憧れ)の自己投影なのではないかと思っていました。このタイプは読者にとっても好感度は高く、感情移入しやすいためか、悲劇性を際立たせるために被害者役を割り振られることもしばしばあります。本書で言えば古川鞠子がまさにそのタイプですし、水野久美も、登場は5巻になりますが武上刑事の娘法子も同じタイプ。
もう一人、高井由美子も珍しいタイプです。大川公園で樋口めぐみと対峙していたときに見せた行動力、決断力から上記のヒロインタイプのように思えましたが、メディアスクラムと「世間」に押し潰された彼女からは、その資質は失われ、完全にピースに依存してしまいます。
こういった人物造形を読んで、このあたりの作品からは初期の作品と一線を画するようになったのだなと思います。もはや必死に自分の席を確保しようとする必要はないものの、その立場に安住してはならない、虚業かもしれないのだから――前畑滋子のキャラクターにそんなことを自らに言い聞かせている宮部みゆきを思い浮かべるのは深読みのしすぎですね。
そして、この巻では読者は真犯人Xたるピースの行動に大きなストレスを感じます。ホラー小説にも通じますが、「志村ー、うしろうしろ!」のあれです。読者のみが彼の正体を知っていて、高井由美子がまさに彼の毒牙にかかりつつあるのを、読者としては黙って見ているしかないのです(当たり前ですけれど)。
ピースは脚本家・演出家でいることに飽き足らず、自ら舞台の上に上がってしまいました。この巻では、真犯人がそんなことをするとは誰も考えず、一躍時の人となったピースは悠々捜査圏外に逃れてしまいそうなのですが…。
最初に気づいたのは「建築家」でした。
塚田真一も、前畑滋子も、反感という形ながらピースのペルソナの下に隠されているものに気付きつつあります。
相変わらず「模倣犯」の意味を思い出せないまま、5巻に突入です。
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兄の無実を訴える、容疑者の妹。彼女を擁護し、マスコミに華々しく登場した人物‐自らを死んだ容疑者の友人だと名乗る。事件は思わぬ方向に転がり、被害者と容疑者の遺族両者の傷に塩を揉み込むような真似をする。
果たして彼の真意は?
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5巻続く長い話なのですが、時間を忘れて読ませます。
2〜3巻が特にスキです。いろいろな立場の人間の深層心理に迫ります。映画とは、月とスッポンですので、映画がつまらなかった・・・と敬遠せず、ぜひ読んでもらいたい。
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ようやく進みはじめたストーリー。読み手には背景も事実も前巻までに知らされているだけに、非常に辛くショックな展開。いったいどうなるのか?真実って一体なんなんだろう。
とにかく早く続きが読みたい。
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特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。今や最大の焦点は、二人が女性たちを拉致監禁し殺害したアジトの発見にあった。そんな折、高井の妹・由美子は滋子に会って、「兄さんは無実です」と訴えた。さらに、二人の同級生・網川浩一がマスコミに登場、由美子の後見人として注目を集めた―。終結したはずの事件が、再び動き出す。
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『犯人』の無実を訴える遺族と、それを保護するものが現れる。
終結したと思われた事件は、更に多くの人を巻き込んで迷走する。
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人間のイドの部分がうまく描かれていてよかったです。事件はあまり進展しませんでしたがそれは次回の最終巻に期待します。
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4巻は、「警察・被害者の遺族・加害者の遺族・報道する側のそれぞれの葛藤とエゴ」ってとこかな。
報道は真実でなくてはいけない。
でもその真実を公表することによって傷つく人がいる。
滋子葛藤の渦にはまりまくり。
そしてその葛藤は遺族にも。
これってはっきり言って、正解がないからね。
難しいところ。
正直言って、あたしには何だかよく分からなかった。
書き方が甘いのか、あたしの思考が足りないのか。
読んでいるうちに誰の作品を読んでるのか分からなくなるぐらい、宮部作品にしては珍しく人間のエゴが書かれてた。
不愉快になるぐらいに。
そしてついに、ピースの本名発表!
「○○○○。覚えてるかい?名前よりあだ名を覚えているかな?ピースって呼ばれてたからね」
おーーーーーい!
ここまでピースの本名隠しておいて、こんなにあっさり出しちゃうんかい!?
と突っ込んでみたけど、誰からも「ピース」って親しげに呼ばれてることで彼を神聖化したかったのかしら?
それにしても物足りない登場の仕方だ。
警察だって、なんでピースの別荘見つけるのにそんなに時間をかけてるの!?
父から相続したって言ってたぐらいだから、別荘名義はピースのはずなのに〜
4巻にはヒロミの出番もないし、たるんたるんの中だるみ状態。
だから誤植を見つけて一人でほくそえんでみたり、また重箱の隅をほじくってみたり。
うーん。ストーリーは楽しめなかった。