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紙の本
SFというより限られた命をどう生きるかというテーマが主題。
2022/01/29 10:50
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
SFというより限られた命をどう生きるかというテーマが主題。むしろ空想・幻想(ファンタジー)小説に分類されそう。10年前に墜落、全員死亡したと思われていたYS-11機が突然帰還する。搭乗者にとっては突然10年後にタイムスリップ、逆に家族(遺族)にとっては10年前の家族が突然当時のまま出現。日時は8月12日から15日という設定なので、普通なら単にお盆に亡くなった家族が還ってきたという空想物語になってしまうが、そこへタイムスリップというSFを導入することで相互作用が生じ物語は現実味を帯びてくる。実に巧みな設定である。かくして、再消滅をどう処理するのかと不安を覚えつつも、3日間を有意義なものにしようという人々の奮戦がはじまり、その成り行きにどんどん引き込まれてしまう。SF・空想・幻想(ファンタジー)小説の要素も楽しみながら、3日間という限られた命を如何に生きるかという人間小説に昇華されている。
架空戦記、軍事サスペンスしか書かないと思っていた著者の意外な側面を見た感じ。
紙の本
大石英司氏が読者に贈るSFの大傑作です!
2020/10/09 10:21
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『沖ノ鳥島爆破指令』、『戦艦ミズーリを奪取せよ』、『虎07潜(タイガーゼロセブン)を救出せよ』、『死に至る街』、『サハリン争奪戦』など、自衛隊の特殊部隊を軸にしたシリーズや、近未来のサイバーSF的な作品で知られる大石英司氏の作品です。同書は、かつて忽然と消息を絶った報和航空402便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還したという物語から始まります。しかし68名の乗員乗客にとって、時計の針は10年前を指したままだったのです。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは一体どのようなものだったのでしょうか?歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語です。
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