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紙の本
起伏を付けるために「死」を用いるのは病みつきになるのかも知れない
2006/08/08 08:15
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Leon - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダーズリー家で休暇を過ごしているハリーのもとへ、ダンブルドアから嬉しい報せが届けられた。
休暇の残りを「隠れ穴」に招待されたハリーは、ダンブルドアと共に出発するのだが、途中で寂れた村に立ち寄り、そこに住むスラグホーンという魔法使いを説得してホグワーツの新しい教授として向かえることとなった。
不死鳥の騎士団のメンバーなどとは異なり、無闇にヴォルデモートを恐れる老スラグホーンにダンブルドアが執着するのは不可解に思われたが、ハリーに対する個人授業を始めた校長はヴォルデモートの過去を知る上で、スラグホーンがひた隠しにしている記憶が必要だと言い、それを引き出す役目をハリーに与えた。
そんな困難な課題のみならず、普通魔法レベル(O.W.L)試験に合格したハリーはますます難しくなっていく授業にも悪戦苦闘するのだが、思いがけない助けを得る。
スラグホーンから借りた昔の生徒の「魔法薬学」のお下がりの教科書には、余白が無くなるほどに細かい書き込みがあり、そこに書かれた秘訣に従うと「魔法薬学」が苦手なハリーでも、秀才であるハーマイオニー以上に優れた結果が出せるのだ。
教科書にプリンスと署名した元の持ち主は、勉強熱心であるばかりか創意にも富んでいたらしく、ハリーの全く知らない呪文なども書きとめていたのだが・・・
ダンブルドアによる個人授業が進む中でヴォルデモートの過去が明らかにされていくが、中でも鍵となるのはスラグホーンが過去の汚点として隠している古い記憶。
トム・リドルは、過去にホグワーツで教鞭を取っていたスラグホーンの教え子であったことがあり、後に悪を為す人物に目をかけていたという事実は、虚栄心の一際強いスラグホーンにとっては消してしまいたい思い出なのだ。
しかし、そうしてヴォルデモートの過去を探っている間に、敵は万全と思われていたホグワーツの守りの綻びを発見し、ダンブルドアとハリーの不在中に大規模な攻勢に出る。
また、前々巻あたりから登場人物達の成長に併せて仄かな恋愛感情を描いてきたが、本巻ではハリー、ロン、ハーマイオニーそれぞれの恋愛を描いてローティーンからハイティーンへの変化を明確にしようとしたようだ。
次第に陰惨となってくるストーリーの中で彼らの恋の鞘当ては一服の清涼剤になっているものの、流れた血までは拭いきれない。
「死」とバランスを取るなら「恋愛」ではなく「生命の誕生」が欲しいところだが、そのような物語のセオリーに対する配慮は無く、心地の悪い読後感だ。
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