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紙の本
大人の心をキュンとさせる‥。
2006/06/13 23:20
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「せんせい、あのな」という、子どもの語り口で始まるこのお話。大阪弁は、本当は、こんなにゆったりほんわかして、優しいものなんだと、うれしくなる。
「あのな、とうちゃん。1こうねんってしってるか。1こうねんゆうたらな、ひかりが、1ねんかかって ちきゅうにとどくキョリやねんで。ぎゃくに、1こうねんはなれたほしから ちきゅをみると、1ねんまえのちきゅうがみえるんやて。」
なるほど、おもしろい!そして、先生にそう教わったぼくは、いっしょうけんめい考える。高速瞬間移動型ロケットで、6千5百万光年離れた星に行って、そこから、よく見える望遠鏡で見ると、地球には恐竜が見えると。なるほど、なるほど、理論的には、そうなるか‥?と、のん気に読んでいると、次のぼくのせりふで、胸をつかれる。
「それでな、それやったら、4こうねんはなれたほしから、ぼくのいえをみたらな、そしたらな、きっと おかあちゃんがみえるな。」‥
ページには、おとうちゃん、おかあちゃん、こどもたちのいる、なんとも幸せそうな4年前の家族の絵が。
ぼくは、思う。大きくなったらえらいはかせになるねん、と。そして、「とうちゃんとなんかいもカンパイしてん。」
にこにこと幸せそうに暮らすとうちゃんとぼくとおとうと。でも、そこには、こんな悲しみもあったんだ。その上での、この笑顔と暮らし方のみごとさ!とうちゃん、えらい!
かくして、星の観察が宿題だったのだけど、「こうそくしゅんかんいどうロケットのえを どうしても かきたかってん」と、宿題のページには、ロケットの絵が。
それでいい、それでいい、と先生もうなづいたにちがいない。
紙の本
ジーンとくる
2019/10/22 10:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
男の子の語り口調で続くおはなしですが、愛に溢れていてとても胸が熱くなりました。
男の子の描く夢が素敵で、お母さんがいる時間に思いを馳せる様子にジーンときてしまいました。絵が男の子らしくあっけらかんとしているのも良かったです。
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