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環境共同体としての日中韓 みんなのレビュー
- 寺西 俊一 (監修), 東アジア環境情報発伝所 (編)
- 税込価格:770円(7pt)
- 出版社:集英社
- 発行年月:2006.1
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紙の本
日中韓の環境問題がハンディサイズでぱっと把握できる
2006/03/23 22:47
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
日中韓の3カ国は「政冷経熱」の状態にあるとしばしば言われる。経済交流は活発だが、歴史認識問題などで政治的な溝は深まるばかりという意味で使われる。
その一方で、おぼろげにしか理解されていないのが環境問題の共有化であろう。地理的に近いために、中国の黄砂が日本へ向けて偏西風にのってやってくることは避けられず、経済が伸長著しい中国へは、日本の廃棄物が大量に流入していくこととなる。
これらの環境問題を相互に抱えて、影響を与えあっていることは、新聞やテレビなどで部分的に報道されてはいても、本書のように総覧的に扱ってはいない。
本書は何人もの著者が寄稿しているが、文体や表記などは編集者の手で統一されており、読みやすい。単なる寄せ集め的な本ではない。これが単行本なら分かるが、新書レベルで、これだけ丁寧に編集され、読みやすくまとめられているということは、出版社としても新書にかけるエネルギーと期待が大きいことが伝わってくる。
さて、本の内容面に戻れば、黄砂や廃棄物にとどまらず、いろいろな環境問題がこの3カ国に起きており、共通して解決にあたらねばならないことがよく理解できる。韓国や中国におけるダム建設や河川改修、海辺の干拓、公害病の問題などは、かつての日本がたどった道であるのが、実例とともに紹介されているので、説得力に富む。もっとも、日本が先進的な模範国というわけでもないのは、本書を読めば痛感される。
この3カ国は、すでに環境問題に共同して取り組み始めてはいるが、まだまだこれからであり、将来的に経済的な問題、政治的な問題をさしおいて第一級の問題になるのが、予感される。
本書のよいところは、このような大事な問題が手軽にさっと読めてしまえることだ。環境問題に関心のある人には、手にとって損することはない好著としてお勧めできる。ただし、環境問題は時々刻々と変化していくので、旬のうちに読み終えておきたいものである。
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