1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TIGHT - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作よりも説明が丁寧になって読みやすくいます。かといって冗長になることなく、各部首をテンポよく紹介しています。
前作とのつながりはないのでこちらだけを読んでも問題ありませんが、前作も読むことでさらに漢字(部首)に対する理解が深まると思います。
投稿元:
レビューを見る
漢字は部首や部品に分解しておぼえると覚えやすいものだということをこの本の1が出たときに書いたが、2は1よりもいっそう文章が読みやすい。ひとつひとつの部首によくこれだけいろんなエピソードをくっつけられるものだ。著者の蓄積に感心する。漢字は確かに現在、もとのカタチから大きくずれてはいるが、単なる記号とはいえない。戦後の漢字改革は字体を減らすことに一生懸命になるあまり、示へんは衣へんと紛らわしいし、「戻」「為」等、字源との関係を絶ってしまった字が増えたことは残念なことであった。また、部首といいながらまったく関係のない字も入っていたり、ほとんどその部首に属す字がないとか、現在の漢和辞典が引く人の便宜のため、本来の部首と違う分類をしているというのも考えさせられた。一つ読んだらその話をだれかに吹聴したくなるような本である。
投稿元:
レビューを見る
前著と同様に部首ごとの漢字の成り立ちを易しく説明された本。取り上げている部首は当然のように前著よりもマニアックなものが多い。
投稿元:
レビューを見る
前の本でもそうだったけれど、常用漢字、当用漢字のしてしまった罪悪についてつくづく腹が立つ。まったくもって罪の大きな漢字の改悪だったのだ。
白川静の本を読むたびに思うことを改めて思った。
それにしても常用漢字の規定により、公用文では動植物はカタカナ表記にすることとなっているというのには驚いた。役所というところではそんなことになっていたのか。やはりこの国は相当前から駄目な方向に向かって走っていたんだな、と思う。そして何も改善されていない。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
「匠」と「区」は同じ部首なの?
「法」にはなぜサンズイがついている?
とても口に出せない、ある行為を形にした部首とは?
漢字を知るうえで部首の知識は欠かせないが、部首は全部で二百種類以上もある。
「サンズイ」や「手ヘン」など有名なものから「音ヘン」「鼎」など知られざる部首まで、52の部首について、その成り立ちやその部に属する漢字のエピソードなどを披露。
楽しい部首ワールド第2弾。
[ 目次 ]
1画
2画
3画
4画
5画
6画
7画
8画
9画
10画〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
部首のはなしは、本屋さんにならんでいたのですぐに購入しました。
漢和辞典で、部首で探すのに苦労していたからです。
最近の漢和辞典では、配置していない部首の項に、どの部首に配置しているかの索引を最初に記載しているものもあり助かっています。
部首ごとに詳しい話の続きが書かれているので、漢字の専門家でないものにとっては参考になります。 全部の部首について、完結されるのを願っている人は多いようです。
ps.
最近は辞書を引かない人が多いかもしれません。
あるいは、コンピュータでいろいろ検索できるので、漢和辞書の使いづらさには興味がない人も多いかもしれません。
今昔文字鏡があれば、必要な文字が、部首からだけでなく、それよりももっと小さい漢字の一部から検索できます。
部首のはなしに、今昔文字鏡の説明があるともっとよかったかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
『部首のはなし』(中公新書)の続編です。今回も、50の部首が取り上げられ、それらにまつわるさまざまな薀蓄が披瀝されています。
身近な漢字が取り上げられていますが、これまで知らなかった話が満載で、楽しんで読みました。
投稿元:
レビューを見る
阿辻哲次著『部首のはなし2-もっと漢字を解剖する』(中公新書)
2006.1.25発行
2021.7.23読了
『部首のはなし』という本が同じレーベルから出ているが、こちらの『部首のはなし2』は絶版になっていて、偶然古本屋で陳列されていたものを購入。この著者の本はすでに何冊か読んでいるが、とにかく面白い。ちょっとしたネタにもなるし、勉強にもなる。まさに一石二鳥である。
本書で取り上げられているところで例を示すと、例えば、漢和辞典はレイアウトやデザイン、収録字数の違いだけで中身は全て同じだと思っていなかっただろうか。筆者によると、漢和辞典における部首の配属は編者の文字解釈が反映されたものであり、辞典によってその配属が異なることもまれではないようだ。
具体的を挙げると、«所»という漢字は、«戸»と«斤»に分解できるが、現行の漢和辞典では«戸»部に入れるものと«斤»部に入れるものが混在している。いまの漢和辞典の規範である『康煕字典』では「所」は«戸»部に入っているが、最古の漢字字典である『説文解字』では«斤»部に所属する漢字とされている。学生向けの漢和辞典では«戸»部に入っているものが多く、«斤»部に入ると答案に書けばバツを付けられることになろうが、これは本来の学問の在り方としては間違っているだろう。
ほかにも、学生向けの漢和辞典の弊害というべき例があって、その一つに「色」という漢字がある。「色」は後背位の象形文字なのだが、まさか「後背位を象ったもの」とは書けないので、「男女がなかよくしている様子を象ったもの」とばかして説明しているようだ。
とにかく字源を知りたいというのなら、学生向けの漢和辞典はおススメできないということになろう。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000008071093