紙の本
骨の髄まで温まりきることのない寒さ
2007/04/15 13:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
一面の冬世界を千年歩き続ける巨人
そしてその巨人の背に作られた街で生きる人間達の物語
不思議なSFともファンタジーともつかない世界観で、きれいに話が纏まっています
キャラクターも展開もあっさりしていますが、設定や構成はしっかりしていて引き込まれるストーリーです
ただ、「寒さ」は良く伝わってきたのですが、対となる「暖かさ」も欲しかったかな
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終わらない冬、晴れることの無い雪雲、凍る大地。
人間たちの「世界」を背負って歩く巨人“ミール”に住む少年・オーリャは雲よりも高い空の上で、一人の少女と出会う。
最後の最後に起こる奇跡に、ただただ感動。
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異国情緒に溢れた寓話的作品。
しみじみと残る後味、主人公以下登場人物それぞれの生き様が胸を打ちます。
そして猫!
猫はいいねえ。
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SF好き、ファンタジー好きにオススメ!
むしろ小説にうるさい人にも読んでもらいたいです。
世界観やストーリー、今までになかったわけではないし、そこまで画期的に斬新というわけではなくむしろベター。
しかし、だからこその王道めいたおもしろさがあります。
純粋に引き込まれるし、設定や世界観を全く無駄にしない話の進み具合、テンポ感は感動さえします。
おいしいところだけを詰め込んでスッキリさせた、といったカンジ?
表紙買いして1番良かったと思えた本です。
最初はあまり見慣れない文庫ということもあって長さにも戸惑うかもしれません。
が、読み終わるまであっというまで、むしろもっと長く書いてほしかったとさえ思えます。
シンプルだからこそ引き立つものをより良く生かしている、そんな印象が強い一作、本棚に置いておきたくなる1冊です。
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画竜点睛を欠く、それに尽きる。題材も人物も魅力的であり描写も空気感がよく出ている。千年かけて常冬の凍土の果てを目指す巨人と、その背中に都市を築き暮らす人々なんて、ジブリを彷彿とさせてとても心が躍る。しかしその良質なファンタジーが、突然ご都合主義的に理由不明の大団円となってしまうのだ。これは大きな問題である。読み手が第四章まで築いてきた作品への感情移入が、突然の幕引きで行き場をうしない虚空へ消える。これでは感動できない。とてももったいない作品である。
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閉塞した階級社会の破局とそこからのエクソダスの寓話・・・のはずが、結末はちょっと肩すかし。「自力救済」に「神の恩寵」を対置するしかないあたりに、この種の寓話を現代で描くことの難しさを感じた。
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世界の終わり、科学と宗教の対立、選民と下層民の二分化、ありがちなテーマであるが、最後にうまくまとめて、かる〜く読めた。