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まほろ駅前多田便利軒 みんなのレビュー
- 三浦 しをん (著)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:文藝春秋
- 発売日:2006/03/28
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紙の本
架空の世界からの静かな励まし
2008/10/28 08:34
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人が「これは地元のM市をモデルにした話だから」と言って
貸してくれた。
M市は、私が幼稚園から高校卒業までいたところ。
方向音痴の私でも、市内は町の単位まで名前を覚えていて、
作品の中で微妙に名前が変わっていても、
すぐにどこのことを言っているかわかる。
かつていた市のすべての町名が分かるわけではないけれど、
一呼吸置いて、そうか・・・とニンマリしてしまうような感じだ。
どこにでもありそうな便利屋のちょっと翳のある店主と
ふらっと現れたかなり変わり者の元同級生が主人公。
主人公たちが卒業した「まほろ高校」は、
どうも私の母校をモデルにしているらしい。
人称は三人称で、便利屋店主の視点で語られる。
脇を固める人物たちも、変人揃い。
私の周りにはこんな人たちにはいないと思うのだが・・・。
でも、妙にリアリティーが感じられる。
変な人たちだと油断していると、たまに、深いことを言ったりする。
帯にも使われている結びの言葉が、私は、結構好きだ。
「今度こそ多田は、はっきりと言うことができる。
幸福は再生する、と。
形を変え、さまざまな姿で、
それを求めるひとたちのところへ何度でも、
そっと訪れてくるのだ。」
いろいろあったけれども、
それでも生きていけるという
静かな宣言に思えるから。
紙の本
タバコの煙が充満している小説
2007/02/28 17:00
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふじつぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
便利屋を営む多田と高校時代の同級生・行天。
ちょっとダークな過去を持つ二人の男とそれを取り巻く人間模様の物語。
読み終えた時にじわ〜っとあったかいものが心に残ったものの、以前テレビドラマで観たような設定と流れが、
直木賞受賞作にしては新鮮味に欠け、パンチ不足という印象。
適当なようでいてきっちり人とかかわっている、そんな二人の間にしだいに漂ってくる男臭い友情は
女にとって羨ましく、読んでいて心地よかったです。
紙の本
とんでもない男にふりまわされる男
2006/04/20 11:53
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まほろ駅前にある多田便利軒の多田は、ある日かつての同級生である仰天(これが名字なのである)に『転がり込まれる』。一晩だけ、と言いつつ、お人よしの多田は結局仰天にいつかれることになる。かといって、仰天が悪い男というのでは、毛頭ない。実際、多田と組んで仕事をするうちに、仰天は多田にはできない判断をして多田を救うことが何度もある。例えば預かりもののチワワを、娼婦にやることを多田はよしとしないが、仰天は「本当に犬を必要としてくれている人が適任だ」と言ってその娼婦にチワワをやる。この判断は適切だったが、この結果仰天は娼婦の彼氏気取りのチンピラに関わることになり、そうなるとなったで平気でチンピラを挑発して自らが腹を刺されたりもする。結果、多田は多大なる迷惑を被る。一事が万事、このようで、いい働きをしたと思えば迷惑なこともする、そしてそれを全く気にしない。飄々とした男、それが仰天である。そして、それがかっこいい。
多田と仰天との間には学生時代の因縁めいた話もある。しかし、それをここでは明かすまい。ただ、それは、この連作中編集においてひとつの謎となっており、作者の話運びの巧さを感じさせるものである。
最後に、仰天の基本ラインはとぼけたキャラクターであることを、再度ここに主張しておこう。そしてそれが真面目な多田とのいいコンビになっていて、笑える場面をいくつも作り上げている。それがこの作品の最大の魅力だ。
紙の本
便利屋
2019/11/21 20:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
三浦しをんさんが描く二人の男性の関係がとても印象的でした。これからどうなっていくのかもとても楽しみです。
紙の本
この世界観がすき
2019/01/28 17:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
多田のところに転がり込んだ元同級生の行天 春彦がとにかく個性的で行動、言動の一つ、一つが愉快だ。小説の実写版を先に見てしまうことは先入観が入ってしまうのであまり好きではないのだが、テレビ版はたまたま何年か前に見てしまっていた。行天を演じていたのは松田龍平だった。これは、はまり役だと思うというか、彼しか考えられないと思う。このテレビ版を見てなくても私は彼を行天そのもののとして想像していたに違いない。飄々とした風貌から想像の斜め上をいく言動や行動を連発する男、これは彼以外の誰でもないと思った。でも、やっぱり先に実写版を見てしまうのは小説の楽しみを半減させる行為であるという意見は変わらない
紙の本
読めば判る「まほろ市」
2016/09/24 04:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は、勿論架空の「まほろ市」だが、私の住んでる街を、モデルにした話。 この著者さんも住んでいらしたらしい。 だから読みすすめたら「ああ!」とニャッとした。 何か、この土地の「におい」を巧みに吸い上げている。 ここに棲む「魚」としては「水」をもらった感がある。 まっ、かなりのドメスチック感があるので何か、B級グルメっぽさはいなめないが、ジモピーとしては「住めば都」の感も、たっぷり味わえる一冊。 当然、この作品の「映画」も映画館へ行って観た。