紙の本
かつて、この国の人にとっては、かの国への入り口だった土地
2023/03/16 18:27
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名を冠した史観すら巷間に
流布している、かの作家の手になる
所謂「街道物」の第十九冊です。
本作で著者はカラの国を訪れ、
蘇州、杭州、紹興、寧波などを巡りつつ、
空海、最澄、道元らについての、
縦横無尽の語りっぷりを見せてくれます。
魯迅も登場。
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11月に杭州に旅行に行くということで事前勉強の意味も込めて購入。著者が訪れたころとは中国という国が大いに変革したこともあり同質性はあまり無い。ただ、蘇州・杭州といった中国の歴史においても一時期その中心をまさに占めていた地域の雰囲気を感じるにはとても良い本と言える。また、経済的に発展をし開発の進んだ杭州の街で昔の名残、それも歴史的なものを見つけだしていく作業は面白いものがある。
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蘇州から杭州へ。
まさに、自分が住んでいるエリアを、司馬遼太郎が旅している。
旅しながら圧倒的な知識と鋭くまた暖かい考察。
文化人の住む場所はこれなりと思わずにはいられない。
杭州へも多くのページを割き、言語や歴史、文化の発展について思いを巡らしている。
確かに、何十年も前でも、きっと彼の感覚は正しい。
現代にも通じる道理を導きだして、彼の言葉で語る。贅沢な本だ。
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先日、司馬さんのこの本を携え蘇州を訪れた。宋代に再建された盤門界隈は、立派に整備された観光名所となっておりました。司馬さんが蘇州を訪れた1980年代からの時の流れを実感。
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司馬氏はこの旅で、蘇州、杭州、紹興、寧波など長江河口の各都市を訪れ、日本の歴史や文化に多大な影響を与えた中国を語っている。この本をガイドブックとして蘇州の町並みをもう一度回ってみたい。
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長江下流、江蘇省と浙江省の旅。ざっくり言えば上海のそば。遣唐使や遣明使の乗る帆船が風に吹き飛ばされるようにして行き着く先がこのあたりで、古来より日本との交流が深い。日本にとって中華文明吸収の窓口。家屋のカタチも似ているそうな。
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来月、蘇州なので読了。
世界遺産の庭園などではなくて、蘇州の町並みを司馬は歩く。
生涯、是旅なのである。
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中国文化の流入は大きくわけて二度にわたる。朝鮮半島に四世紀から300百年存続した百済国が、七世紀滅亡の時に日本が大量の遺民を受け入れた。その百済国は非漢民族の勢力とは親しまず、漢民族の六朝と接しつづけていた(P72参照)彼らの影響と、二度目は十四、十五世紀鎌倉、室町時代であり、禅宗を媒体として明の文化が入ったことが挙げられる。『空海の風景』にいよいよ手をだそうかな~
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ちょっと力感が足りない感じ、血が通っていないと言うと言い過ぎだけれども、全体的に平板。
思い込み過ぎ的文明史観の吐露があまり感じられなかったからもしれぬ。