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紙の本

医学書ではないかたちで死というものを教えてくれる

2007/11/14 23:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

家族や近しい人の最期を看取るというのは
いまや稀なことであり、
それが出来るということは
かなり幸せなことだともいえる。
現在、病院で息を引き取るというのが当たり前の世の中である。

そんな時代に、
私は続けて二人の家族を看取った。
病院ではなく、家で。
息を引き取る瞬間を看取った。
極めて稀なことなのだと思う。

家族を看取ることができるというのは、
幸せなことではあるだろうけれど、
死に行く人の姿を見つめていなければならないという
辛さと寂しさがある。
大事なひとだからこそ
この世を去っていくことを思い
身を引き裂かれそうな気持ちにもなるだろう。
けれども、そうしてその人に寄り添うという行動が
死に行く者と残される者、
どちらともが死を受け入れる準備をしていくのだと思う。
寄り添うことしか出来ないことを歯がゆくも思い、
けれども、寄り添うことしか出来ないということを自覚したとき、
別れのときは静かにやってくる。

昔はほとんどが家で亡くなったのだろうから
人が死んでいく姿、死に向かっていく過程を知っていたのだと思う。
看取る側も代々引き継がれて
人の終焉の姿をリアルに体感していたのだろう。

しかし、
人の死を体感できにくくなっている今、
医学書ではなく、
もっと別の形で私たちにそれを教えてくれるものが必要な気がする。

それが、この本にはあった。

身近な人の死ということについて、
心の問題として捉えること。
でも、冷静で客観的であること。

淡々と語られる文章に
人の体験から学ぶことが数多くあるのだということを
実感する。

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