- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
6 件中 1 件~ 6 件を表示 |
紙の本
どう考えたって、ソーンダイクのほうがホームズより論理的でしょう。緻密さでも人間性でも上でしょ。それがこの本でよく分かります
2006/09/12 20:41
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説で森英俊が書いていますが、昔、創元推理文庫に『シャーロックホームズのライバルたち』という素適なシリーズがありました。で、高校生だった私は、何故かフリーマンの巻だけを買って、やっぱりホームズよりはいいよな、と感心した記憶があります。フリーマンを選んだのは、多分、乱歩の評論に彼の名前があったからだと思います。
で、それ以来読むこともなくきたフリーマンですが、それは面白くなかったからではなく、何故か彼の本が出版されなかったというそれだけの理由です。そこらへんの事情も、森の解説に出ていますが、こんなにもレベルの高い作品が80年近く訳出されてこなかったということ自体、日本のミステリの偏向ぶりを示すもの、としか言いようがありません。
カバー関連ですが、奥付に、装幀 スタジオ・ギブ(川島進)、とだけあって装画については記載がありません。このいかにも古き良きパリ(ロンドンと言いたいのですが、どうもオペラ座みたいなものが見えるので、テキトーに判断しました)らしい夕闇の都会風景のスケッチ、これも川島の手になるものなのでしょうか。で、折り返しの案内文です。
「夫の急死で悲しみに暮れる未亡人とその関係者たち。だが、その中の誰かが夫を毒殺したことが明らかにされる。未亡人の幼馴染であるルパートは、ソーンダイクに真相の解明を依頼するのだが、やがてそれが考えもしなかった結末へと連なっていった。誰が、いかにして夫を毒殺したのか。証拠はどこにあるのか。それも確かな証拠が。ソーンダイク博士シリーズの傑作長篇と話題を呼んだ逸品!」
となっています。全18章構成で、解説の「史上最高の科学者探偵」は森英俊です。
内容紹介はカバーの文で十分だと思いますから、主な登場人物を紹介しましょう。
主人公、というか語り手は、僕ことルパート・メイフィールド35歳、職業は法廷弁護士。事件で未亡人となったバーバラの友人で、ハロルドの遺言執行者の一人です。で、病気で死んだと最初は思われたハロルド・モンクハウスは57歳、病弱で父親の遺産で生活をしています。妻のバーバラは32歳で、少女の頃からルパートの知り合いです。で、兄ハロルドの体調を心配するのが弟で牧師のエイモスです。
ほかに、家族関係ではバーバラの義理の妹で4年前に病死したステラがいます。135頁に「僕が25歳、バーバラは確か22歳で、ステラは十六歳だった」とあることから計算をすると、彼女は22歳で亡くなっています。ステラは、ルパートの父の旧友の娘で、その母親が彼女を産んでしばらくして亡くなり、彼は2歳だった彼女を妹のように可愛がっていました。そしてステラの父キーン氏が再婚したのが、子供が一人いる未亡人で、その娘と言うのがルパートより三歳年下のバーバラだったのです。
他に、ハロルドの秘書で33歳のトニーことアントニー・ウォリングフォード、ウェストミンスター家政大学で教えている27歳のマデリン・ノリスなどがいます。彼女は学校で料理と厨房の管理を教えていますが、専門は病人食で、ハロルドの食事も作っています。
読んでいて気になったことを一つ。マデリンの位置付けが分かり難いんです。たとえば10頁に突然「マデリンは当然学校で仕事をしています」とありますが、20頁には「二人の女性が長椅子から立ち上がり、バーバラが両手を上げて近づいてきた」と、この文章からは、もう一人の女性は初めて会う人、と読めます。ところが実際には、彼女がマデリンです。
しかも29頁になると再び「バーバラからその隣の女性へと視線を移すと、二人の対照的な様子にうっすらと興味を感じた」とあり、これまたマデリンです。文学的な手法とか、トリックに関係してはいない様子ですから、訳文を工夫するだけで随分すっきりすると思います。作品のレベルが高いだけに、こういうちょっとしたことが気になります。
紙の本
久々に感動した
2016/12/10 12:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななちゃん大好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
これすごいです。プロット・トリック・ミスディレクション・ハウダニット・フーダニットとどれをとっても超絶本格ミステリーだと思います。もちろん時代がかっている事は承知の上です。しばらくしての再読も楽しみ。この著者の今読める作品が非常に少ないのは残念至極。
紙の本
ソーンダイク博士の長編初読了
2016/12/29 19:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミステリ研究部(k) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ソーンダイク博士譚は以前に創元推理文庫より2冊の短編集が出ており、数珠の掌編だと思いました。さて、この度は初めて長編を読んでみたのですが、書評にあるよりは少し残念でした。これはある意味、僕の期待が大きすぎたのかもしれません。かといって、程ほどには楽しめたと思います。後半部分にちょこっとだけジャーヴィス医師が登場するので、思わずにんまりさせられました。
6 件中 1 件~ 6 件を表示 |