紙の本
シンデレラは・・・
2006/05/02 10:17
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルを見て、催眠シリーズファンならまず、「ああまた美由紀が、あらぬ濡れ衣を着せられるのかな・・・」みたいな想像をしてしまう。実際私もそうだった。・・・が。本作品における「背徳のシンデレラ」は、なんと友里佐知子なのだ。催眠ファンなら知らぬ物の無い、友里佐知子。その生い立ちから、「あの事件」に到るまでを友里の日記を追うような形で綴られる。
物語は、「日本沈没」というショッキングな出来事から始まる。沈没してしまった日本。そこに生き残った人々。しかし、その真実は・・・。毎度催眠シリーズの、時代を捕らえる速さには驚かされるが、今回は何と「耐震偽装問題」が使われている。実際、まだ解決さえしていない問題が、物語に編みこまれていたりする。また、始まったばかりのアニメシリーズを、巧みに作中に使用してみたり。それらを作品冒頭に持ってくる事で、読み手の興味をぐい!と引き寄せてしまうあたりは、さすがとしか言いようが無い。
思わぬ方向に物語りは進み、どうやら今回の岬美由紀の敵は、あの鬼芭阿諛子のようだと分かる。そう、友里佐知子の娘だ。そして、鬼芭阿諛子に託された、友里佐知子の日記を紐解く事が、上巻のほぼ全体を占める事になる。
正直前作では、本シリーズの命である絶体絶命感やハラハラ感、そしてスピード感に物足りなさを感じた。だがその点において、本作品では初手から十二分に楽しませてくれる。シリーズのファンで、本作品を手に取らない者はいないだろうが。もし、前作の失速感からこの作品を手にするのを躊躇している、と言う人がいるのなら。心配いりません、すぐに物語りに突入して下さい。
そしてもし!あなたがシリーズ最初に、この作品を紐解こうとしているのなら。悪い事は言いません。シリーズ初刊「催眠」から、全ての物語を追う事をオススメします。
多分、シリーズ最大のボリュームとなるだろう本作品。期待度120%で!下巻へGo!となる前半戦でした。
投稿元:
レビューを見る
美由紀の師であり、宿敵でもあった友里佐知子の娘、鬼芭阿諛子が能登の白紅神社の宮司を勤めているという。蒲生警部補らと能登に急行した美由紀は、恐るべき内容が綴られた友里の生涯を記録した日記を入手した。
大津波で日本列島が海に沈んだ耐震強度偽装疑惑の当事者・音無耕市は海上の小島で名誉挽回を企てる。だが事態は急変。臨床心理士の岬美由紀は驚愕の現場に直面。一方で、捜査一課の蒲生誠警部補によると、鬼芭阿諛子という名の人物が石川県の白紅神社で宮司を務めているという。蒲生らとともに白紅神社に急行した美由紀は、そこでかつての師であった鬼芭阿諛子の母・友里佐知子の日記を入手。日記には彼女の波瀾万丈の生涯が綴られていたメフィスト・コンサルティング、ダビデ、マリオン・ベロガニア、前頭葉摘出手術ノノ日記で初めて知る新事実。友里の教えを受け、知識や技能を受け継いだ鬼芭阿諛子が、白紅神社を隠れ蓑に、いま国家転覆のテロを実行する友里佐知子からつづく千里眼の系譜に決着をつけるべく、岬美由紀は恒星天球教との最後の戦いに向かう。
やっぱり好きだなぁ。この本読むと臨床心理学士になりたくなる(笑)個人的には岬美由紀は水野美紀派です。
投稿元:
レビューを見る
耐震強度偽装事件をめぐって突拍子もない陰謀をあっさり解決したと思ったら、新たな陰謀。。。その前に、過去の回想が延々と語り告がれる。。。というのが最近の千里眼シリーズのパターンでしょうかね。
今回の過去の回想は、友里佐知子の日記が主役です。日記といっても、1万ページにおよぶスキャン画像を1枚の画像につなぎ合わせた巨大ファイル。それを虫メガネを使って読むという、ワケワカメ。三億円強奪事件の犯人まで解き明かされるというおまけつきです。
ま、エンタテーメントと割り切って、面白いので良いんですが。。。2006/5/24
投稿元:
レビューを見る
冒頭は意味がよく分からなくてあまり面白くなかった。だっていきなり日本が沈没とか言われても・・・。でも、なんでも見通せる臨床心理学っていうのは興味深かったし、友里の過去の話ものめり込むほど面白かった。発想がなんとなく修羅の刻に似ているなぁ〜と感じるかも。ちなみにこのシリーズは読んだことがなかったので、さっぱり話が分かりませんでしたが、それでも楽しめましたよ。
投稿元:
レビューを見る
<内容>
美由紀の師であり、宿敵でもあった友里佐知子の娘、鬼芭阿諛子が能登の白紅神社の宮司を勤めているという。蒲生警部補らと能登に急行した美由紀は、恐るべき内容が綴られた友里の生涯を記録した日記を入手した。
大津波で日本列島が海に沈んだ耐震強度偽装疑惑の当事者・音無耕市は海上の小島で名誉挽回を企てる。だが事態は急変。臨床心理士の岬美由紀は驚愕の現場に直面。一方で、捜査一課の蒲生誠警部補によると、鬼芭阿諛子という名の人物が石川県の白紅神社で宮司を務めているという。蒲生らとともに白紅神社に急行した美由紀は、そこでかつての師であった鬼芭阿諛子の母・友里佐知子の日記を入手。日記には彼女の波瀾万丈の生涯が綴られていたメフィスト・コンサルティング、ダビデ、マリオン・ベロガニア、前頭葉摘出手術ノノ日記で初めて知る新事実。友里の教えを受け、知識や技能を受け継いだ鬼芭阿諛子が、白紅神社を隠れ蓑に、いま国家転覆のテロを実行する友里佐知子からつづく千里眼の系譜に決着をつけるべく、岬美由紀は恒星天球教との最後の戦いに向かう。
投稿元:
レビューを見る
主人公岬美由紀が師と仰ぎ、凶悪犯罪を企てた友里佐知子の人生が紐解かれていく。
事件は解決したかに思えたが不穏な影が蠢く。
読み応えのある一冊。
ついに友里佐知子の一生が明らかになる。
母と信じて疑わない鬼芭阿諛子の企みを岬美由紀は止められるのか?
投稿元:
レビューを見る
元航空自衛官にして女性初のF15パイロット、現在は臨床心理士となり、その動体視力と観察眼、心理学の知識を併せ持ち、“千里眼”の異名をとるほどにすべてを見抜く、戦後最強のヒロインが最大級の謎に挑む。耐震強度偽装をめぐる事件に仕掛けられた罠を看破したとき、美由紀は新たな陰謀の種を発見した。そこにはかつて、日本を震撼させた天才女テロリスト友里佐知子の後継者、鬼芭阿諛子の壮絶な復讐が待っていた―。最強のヒロイン岬美由紀が、ついに千里眼の宿命と対峙!人気シリーズ最長編の書き下ろし上巻。
投稿元:
レビューを見る
旧シリーズの完結編。主人公の永遠のライバルでありかつての師匠でもあった
友里佐知子の後継者:鬼芭阿諛子との対決。
しかも只の対決ではなくほぼ全篇に今まで明かされることの無かった
友里佐知子の過去が語られる辺りがシリーズ読者には堪りません。
投稿元:
レビューを見る
岬美由紀の登場は前半部分のみ。
白紅神社の宮司鬼芭阿諛子の元で手に入れたSDカードから友里佐知子のメフィスト・コンサルティングとのかかわりが明らかになっていく。
世界を操る力の構築は壮大だが、延々と続く日記について行くのがしんどくなる。
ここまで読んだのだから(下)も読むが……。
作成日時 2006年10月15日 15:41
投稿元:
レビューを見る
美由紀シリーズの集大成的な話で、友里佐知子の過去に関する描写が多く、スピード感はない。下巻の展開に期待。
投稿元:
レビューを見る
何でもできる「千里眼」臨床心理士岬美由紀が活躍するシリーズ。
すでに倒した敵友里佐知子に後継者がいて不穏な動きをしているというので
調べる中,友里佐知子の過去が明らかになる。
以前千里眼シリーズのどれかを読んだ覚えはあるのだが,
内容はあまり覚えていなかったこともあって,今回は楽しめなかった。
投稿元:
レビューを見る
作者についても、作品についても、なんにも知らずに、どなたから頂いた本。表紙が表紙なだけに(タイトルもタイトルだし)読むのが後回しになってずっと本棚に積まれていたのだけど、ついに手元に読む本が無くなって読み始めた。
前知識が全然なかったので、読み始めてすぐ、導入部分で「なんじゃこりゃ?んなあほなぁ。(スケールがでかすぎるというかあまりに非現実すぎて入り込めないというか・・・)」と読むのをやめそうになったのだけど、とりあえずもう少し読んでみようと読み続けたら・・・・・結構オモシロイではないですか!上巻の真ん中以降は一気に読みました♪
思いっきりフィクションなんだけど、実際に起こった事件が織り込んであって、もしかして実際こういうことだったのかもぉ、とかこういうことはありえるかもぉなんて錯覚に陥いりそうになります。
好んで観ることはないし、観ていても突っ込みどころが満載だったりするけれど、観終わったらなぜかスッカっとしてエンターテイメント性の高さに満足するハリウッドのアクション映画(シュワルツェネッガーとかが出てきそうな…笑)を連想されるような小説でした♪
投稿元:
レビューを見る
松岡圭祐の千里眼シリーズ。
友里佐知子の過去が明らかになる。
面白い。個人的には過去編とかあんまり好きじゃないんだけど、
今作では過去編への導入から面白さが途切れることなく進行。
安心安定の松岡クオリティ。
下巻も早く読みたい。
投稿元:
レビューを見る
耐震偽装問題の渦中の人物・音無耕市の口を割らせるために1つの島を沈没させるという国土交通省の秘密裡の計画を阻止し、それにメフィストのイリーガル・ファンクション・プロデュース社が絡んでいると気づいた岬美由紀。ダビデとも再会し、友里佐知子やその後継者・鬼芭阿諛子についてまだ決着がついていないことを改めて思い出す。時を同じく、蒲生警部補から鬼芭阿諛子が白紅神社の宮司として存在し続けており、あの恒星天球教がまた復活するかもしれないと聞いた美由紀は阿諛子と対峙するため、白紅神社に赴く。そこで思いがけず隠されたSDカードを見つけた美由紀。中を見てみるとそれは友里佐知子の人生全てが克明に記された日記であった。
タイトルの「背徳のシンデレラ」というのは友里佐知子のことだったようで。生まれてから彼女がどのように生きてきて、どんないきさつでメフィストに絡むようになったのか。特別顧問のゴリアテにスカウトされ、メフィストグループ内でどのように這い上がっていったのか。まだ教育される側である若き日のフランシスコ・フリューエンス(現ダビデ)との関わりも描かれていて、シリーズを読む中でははずせない1冊だと思われる。上巻は大部分がいわゆる友里佐知子の過去話メイン。美由紀の活躍はほぼ無し。
投稿元:
レビューを見る
元航空自衛官にして女性初のF15パイロット、現在は臨床心理士となり、その動体視力と観察眼、心理学の知識を併せ持ち、“千里眼”の異名をとるほどにすべてを見抜く、戦後最強のヒロインが最大級の謎に挑む。耐震強度偽装をめぐる事件に仕掛けられた罠を看破したとき、美由紀は新たな陰謀の種を発見した。そこにはかつて、日本を震撼させた天才女テロリスト友里佐知子の後継者、鬼芭阿諛子の壮絶な復讐が待っていたー。最強のヒロイン岬美由紀が、ついに千里眼の宿命と対峙!