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"愛はエゴである"とか"人間誰だって一番可愛いのは自分自身"とか。
そんなフレーズは珍しくもないし、実際私がそれを思った事も何度もある。
そして"あの人"は言う。
「責任を感じるから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって、『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶんです」
ふみちゃんの為じゃない、結局は自分の為なんだと泣く"ぼく"の涙は、それでもとても温かい。
そこに流れるのが例えエゴだとしても、彼女があんなに傷つかなければ"ぼく"が必死になって"そいつ"と闘う事もきっとなかったのだから。
"彼ら"の明るい様子に思わずじわっと来て、最後でまた号泣。
辻村さんの作品は毎回私の琴線を怖いくらいについていて、しかも前作と比較して想像もつかないストーリーを持ってこられるので新作が出る度に驚かされる。
世界が反転するような衝撃ではなく優しくて温かい何かがゆっくり氷を溶かしていくような、そんなカタルシス。
きっとこれから何度でも読み返してしまう。
そんな極上の物語。
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「子供たちは夜と遊ぶ」の秋山先生,「凍りのくじら」のふみちゃん,その他にもこれら二つの作品に登場した人たちが顔を出してくれて嬉しいです。
「ぼく」の思いが切ない。優しさのある作品です。
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純粋な悪意に向き合ったとき、それに対抗する特別な力を持ったとき、人はどうするでしょうか?
小学生のぼくは何を想い、考え、誰のために、どう言葉を囁くのか。
賢くて優しい男の子のお話。
前作とリンクする登場人物(秋山先生他)が数人出てくるので、それを気にしながら読むのも一興。
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ひねくれた理屈のこね方とちょっと屈折しかけた人間描写が相変わらず面白い。
とても人間らしい本質をよくついてると思う。
出てくる小学生の描写はちょっと小学生には見えないけれど。。。
辻村深月はやっぱりいい。
考え方の傾向が好きなんだと思う。
最後に泣けるのもとてもいい。
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うさぎ殺しの犯人に対して、最後、ぼくがかけた呪文は、小学生がそこまで考えられるかと疑問に思うほど、勇気のいるものだった。だけど、場合によっては、深く悩む事もなく、あまりにも簡単に使われてしまうであろう魔法でもあるので、物語の設定としては、もう少しひねりがある方が、個人的にはいいかな、、と。だいたい、ものの道理もよくわからない人が、こんな力を持っていたら怖いよね。
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神再び来たー!!!とランクは満点の5です。辻村深月さん、ほんっと最高です!!!途中の先生と僕の会話は難しかった・・・というか正直面倒でしたが、それでもきっちりと読めました。やっぱり辻村さんの表現の上手さのお陰でしょうか?しかしラスト。「この秋山先生ってあの秋山先生!?」とショック&感動。辻村さんの偉大さを確認すると同時に何だか涙が出ました。最後、僕が「自分を殺せ」と言った時の秋先生のマジ切れ具合、凄くかっこよかった・・・(秋山先生、「子供達」の時から大好きなんでv)。
そしてラスト。しっかりとハッピーエンドで終る。最高ですよね!!これは読まないと絶対ソンですよ!!
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不思議な力を持つぼくが、心を閉ざしてしまった大切な友達の為に取った最大限の復讐とは…?
「ぼく」は人にある条件を出し、それがクリアできなかったら罰を与えるということができる力を持っている。
それを心無い事件を起した犯人に振るうにはどんな罰がいいのか…。小学4年生のぼくが一生懸命に頭を悩ませ、導き出す答えがとっても切ないです。
そして登場人物に命を与えるエピソード力が今回も本当に光ってました。サンタクロースの話や課題研究の話。そういった小さなエピソードにも感動できる一作です。
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サイン本ゲット!
前に辻村さんのことをトラウマを抉られると書いた。それは辻村さんが人のエゴというものの描写に優れているからなのだと思う。
自分の過去の体験を、登場人物が示すエゴを通して思い出せられ、それが自分のエゴからの行動だったことを突きつけられる。
だから辻村さんの本を読むときは覚悟が必要になる。じゃないと自分が嫌いで堪らなくなる。それほど自分が好きではないけど、嫌な部分を露骨に意識してしまい、自分という存在を度し難くなるんだ。
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脅す能力を持つ小4の少年。母方親族に遺伝的に生まれる。AをしないとBになる。記憶は残らない。1回/1一人。少女(ふみちゃん)のピアノの発表会で順番がかわる。大嫌いな子の次になり、ピアノを弾かないと隠れる。発見した少年が説得。
母が能力を使ったと思う。
少女が大事にしていたウサギを
医大生が惨殺。少女はショックで休学。復讐の為に弁護士を脅し犯人の面会セッティング
母の指示により、同じ能力を持つ児童心理学科の教授に声の先生の所に1週間通う。
犯人脅す言葉。
子供は「反省しなかったら、人間以外の動物が見えなくなる」
先生は「10年後に死んでなかったら、あなたの一番大事なものを壊す」実際に使ったのは、「僕の首をしめなかったら、医学部に戻れない」寸での所で助けられ犯人は再度逮捕。少年が入院したことにより、少女に回復の兆し。少女は
ピアノの発表会で説得されていた
ことを覚えていた。少女に能力が使える事が判明。
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「ぼく」は小学四年生。不思議な力を持っている。忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された……。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。
非常に高い評価を受けている作品だったように記憶しています。「ぼく」は、犯人に対して自分の不思議な力を利用として、その対決の7日間を、親戚の「ぼく」と同じ力を持つ先生と話をしながら準備すると言う形の作品です。
「正義」とは何か、憎い犯人に復習すれば満足なのか?
幼い身体に強力な力を持つアンバランスをどう利用してどのような結末に持って行くのか、その発想が面白い作品です。
しかし、私のは「ぼく」と「先生」の会話が、説明っぽいことや、力そのものをゲームと見る若い感性(^^;についていけない面がありました。それが読んでいても辛かったです。なんと言っても、こんな「先生」との会話(対談?)をできる小学4年生っているだろうか?ここまで内面を抉り出すような小学4年生と言うのがわからないです。中学生でも無理がありそうで、舞台が高校生なら少しは話の内容を理解できたでしょう。学者的な「先生」の言葉を聴いて理解するのは小学4年生には無理でしょう。
そんな設定を無視すればいいけど、大人に相談すると言う設定が必要なのでしょう。そこに重要な「正義とは何か」と言うテーマがあるのですから。そして、最後に自分の不思議な力を利用するアイディア、、これは、面白い発想で、ある意味、恐い子供を演出しています。その恐さがかえって子供っぽさを浮き出しているだけに、決戦までの7日間が、私には辛かったです。もう少し短い作品が出たら読んでみたい作家かも(^^)
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乙一の「神の言葉」に似ているが、条件が多いため話が深かった。
それにしてももっとひどい罰はなかったのだろうか。
何だか悔しい。
悪意が怖かった。
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不思議な力を持つ少年のお話。可愛がっていた学校のうさぎが殺されて、第一発見者になってしまったふみちゃんは、ショックで心を閉ざしてしまう。犯人はすぐに捕まったけど、全く反省していない。法律的な罪も軽い。何とかして罰を与えたい、罪を償って貰いたいと考えた主人公は、自分の能力を使うことにする…。『子どもたちは〜』とちょっと繋がっているので、そっち先読むと良いと思われます。
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25日初見。
泣けた・・・!! nodonって涙腺が弱いらしく、ただ喋ってるだけでも泣けてきてしまいます。バイトの先輩に言ったら「意外」って言われました。すいませんね。
メジャースプーンとはなんぞや? 計量スプーンとは違うんですか?
流れ、凄く綺麗。辻村深月も大好きです。
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060816 結構、私好みなテーマでした。重っくるしいけどね。懐かしい人々も出てきたし。やっぱりこの人の書く登場人物は好きだなぁ。
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友人のオススメです。
『冷たい校舎の時は止まる』が非常に面白かったので読んでみました。特別な力を持つ小学四年生の物語。ある日、小学校で飼っていたうさぎが惨殺される。無残な死体を目撃してしまった幼馴染のふみちゃんは心を失った。
そして僕は同じ力を持つ「先生」のもとへと通い始める。犯人に力によって罰を与えるために…。主人公の少年が持っている、相手に罰を与える能力というのがユニーク。うさぎの命に対して死を持って償うべきなのか、動物の命は人の命と同等の重さを持っているのか、「先生」と僕の間の問答が心に突き刺さります。非常に考えさせられる本で、それが本当に面白かったです。最後までしっかりと楽しめる本でした。