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著書『キャズム (Crossing The Chasm)』を通してキャズムという言葉を流通させたジェフリー・ムーアさんの最近作を発見したので読んでみました。
一読した印象は、単にハイテク産業の色々なタイプのイノベーションを整理してカテゴライズしてみただけ、というものです。『キャズム』や『企業価値の断絶』で見られたロジックとしての鋭さのようなものはあまり感じられませんでした。
それでも、ムーアさんの整理を見るのは、有益だとは思います。忘れてさってしまう前にちょっと書いておくと、製品のカテゴリー成熟ライフサイクルにおける、
- 製品リーダシップゾーン (成長期)
- 顧客インティマシーゾーン (成熟期)
- オペレーションエクセレンスゾーン (成熟期)
- カテゴリー再生ゾーン (衰退期)
の中で、合計14のタイプのイノベーションを整理し(上3つにはそれぞれ4つ、最後のカテゴリー再生ゾーンには2つのイノベーションがある)、その中から製品や企業体に応じた適切なイノベーション戦略を管理することが重要という指摘です。ま、あらためてイノベーションにも色々あるんだよ、ということですね (オペレーションエクセレンスゾーンでは、業務効率化なども含まれます)。
ちなみに、自分の仕事の分野のVoIPは、成長期の中でもすでにキャズムを越えており、製品リーダシップゾーンおける製品イノベーションがあと一段必要という説明でした。
この他、それほど物珍しいというものではないですが、コアとコンテキストの分析と対処や、ボリューム・オペレーションとコンプレックス・システムの違いについてもあらためて再確認というところでした。
前の著書でもそういった印象でしたが、本書の最後でもほとんど躊躇なく解雇を戦略として肯定し、組合や終身雇用に一貫して否定的なところは、合理的にはそうなのかもしれないけど...という感じです。お抱えかと思わせるくらいシスコを絶賛ですしね。
ちなみに原書のタイトルは、"Dealing with Darwin: how great companies innovate at every phase of their evolution"です。副題まで含めると長いですが、こちらの方が本の内容を正確に伝えています。最後の「ようこそ、生存競争の世界へ。」という文にもつながりますし。
少しおまけで星4つ
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コア・コンテキスト分析、人材のリサイクル。つまり選択と集中がメインテーマだったのかな?キャズムを初めて読んだ時程はのめり込みめなかった。2007/09/16
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良書!だが難解。。ハイテク企業におけるイノベーション管理について、各企業の状況に応じたアクションが詳細に示される。こじ付けと思われる部分も多少あるが。。
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「キャズム」で有名なジェフリー・ムーアの本.市場のライフサイクル
にあわせた,イノベーションを実行することで成長しよう!,という話
が書かれている.尺度として2軸使用しており,市場ライフサイクル,
製品・企業特性(コンプレックスorボリューム).2軸から,当てはまる状
決定し最適なイノベーションを導入しましょうというのが基本的な流れ.
14種類のイノベーションを紹介している(らしい)が覚えてらんない.
紙とペンを用意して,自社の領域を考える!,とかいう段になんないと
14個も覚えられません.
イノベーションの話のほかに,業務分野のコアとコンテキストについて
の記述もされている.一般的な話と同様で,コンテキストからコアへ経
営資源を移せるように努力しましょう,という話.その中で,人材は個々
人の特性によって向き不向きな領域があると書かれており,個人的には
新鮮な話だった.
キャズム同様に読みやすく,ふつーに納得のいく本
2008.03.27読了
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ジェフリームーアとクレイトンクリステンセンの本は社会人になる前に一度は読んでおくべき本だと思う。
この本は、自分がいる業界や自分がいる部署での仕事について理解するための本として位置づけていいだろう。
(余裕がある人はキャズムとかも読んで、ムーア理論全体について理解を深めることを強く勧める)
日経新聞とか日経ビジネスが時期によってデカデカとキャンペーンをやっているけど、この本に書かれていることがわかっていなければ日経新聞も日経ビジネスも読んでもたいして意味ねぇと思うよ。
てなわけで、みんな読んでみて。
ちなみにこの本を読むにあたって、以下の二つのことを把握することがまず重要。
1. 自分がいる産業は現在どういうステージにあるのか(初期市場なのか成長市場なのか成熟市場なのか、それとも衰退市場なのか)
2. その中で自社はどういうポジションにいるのか(業界のリーダーなのかイノベーターなのか、それとも追随者なのか)
自分にとっては、これから就職活動を始めていく上で、本書に書かれていることをしっかり理解しておくことが必須となってくる。
これからも何度も読み直したい良書。
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◎「クラウドの衝撃」(ISBN9784492580820)p.154で紹介
企業活動詳細分析。
★ミッション・クリティカル~問題があると重大かつ即時のリスクがもたらされる企業活動
1.コア:顧客獲得の為の差別化を生み出すプロセス
:明らかな差別化要素があり、他社との競合優位が維持できているシステム(クラウド・コンピューティングの適用領域:自社開発)
2.コンテクスト:それ以外の全てのプロセス
:電子メールシステムや会計システムなど差別化にはつながらないが、上手く稼動しなければ企業存続の危機に立たされるシステム(クラウド・コンピューティングの適用領域:SaaS)
★非ミッション・クリティカル~「ミ」以外の全て
1.コア:顧客獲得の為の差別化を生み出すプロセス
:非公式な研究プロジェクト、実験的志向など将来的に協創優位をもたらす可能性がある一方で、成果を出せない可能性もあるシステム(クラウド・コンピューティングの適用領域:PaaS/HaaS)
2.コンテクスト:それ以外の全てのプロセス
:企業経営にとって比較的重要度が低いシステム(クラウド・コンピューティングの適用領域:SaaS)】
《『キャズム』のムーア、待望の新刊!
キャズムを越え、トルネードに乗り、成熟市場で企業が陥る「成功という惰性」に打ち勝ち、企業が成長し続けるための適者生存のイノベーション戦略!
グローバリゼーション、規制緩和、コモディティ化が至るところで影響力をもたらし、企業がイノベーションを起こさなければならないという圧力が高まっている。
◆自社のコア・コンピタンスがもはや差別化要素でなくなった時に何が起こるか?
◆新しい領域に経営資源をシフトするためにはどうしたらよいか?
◆イノベーションに抵抗する慣性力にどう対応すべきか?
◆組織のエネルギーをイノベーションに振り向けるためにはどうしたらよいか?
本書はこれらの問いに答え、どうすれば企業が永遠に進化を継続できるのかについて論じる。
具体的には14種類のイノベーションについて論じ、それらをどこに、いつ、どのように適用していけば企業が生存競争に勝ち抜けるのかを示す。自然界の生態系と同様、市場においても自社の状況に適切なイノベーション・タイプを選択し、競合他社との十分な差別化を実現できるよう活用して、それぞれの市場セグメントで成長していけることを解説する。テクノロジー企業を中心とした100社を超える事例をもとに、成熟市場でもイノベーションは可能であることを提示する。》
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「キャズム」の著者の本。
ライフサイクルごとに、どうイノベーションを起こすか、
という視点で書かれていて、面白い。
イノベーションを差別化に置き換えてもよさそう。
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キャズムのムーアさんが書いた本です
製品のライフサイクルと、その状況に応じてどのようなイノベーションを行うべきかが記載されています。
個人的には、コンプレックスシステムとボリュームオペレーションの分類はとても役に立っており、製品戦略を考えるときは意識するようにしています
この部分だけでも、ぜひ読まれることをお勧めします。
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少々アカデミックな内容ですが、知っておいて損はない知識だと思います。
マーケティングなら、ライフサイクルとは何たるかは理解しておく必要があると思います。
イノベーションというと何か革新的な技術・製品・サービスを生み出すことのように思っていましたが、必ずしもそれに限定されないということが分かりました。
教科書的、辞書的に使いたい一冊ですね。
===メモ===
・イノベーションを永遠に続けていくための基本は、
コンテキストに費やされている経営資源をコアに再配分すること。
・慣性力はイノベーションの敵ではない。
* 変革が必要な場面では、慣性力は抵抗力となる
* 一見相反するようですが、コアでなくなった事業に対しても
イノベーションの機会はあるということです。
・破壊的なシナリオは、既にコアに差別化要因がないにも関わらず
執着しようとする
* 差別化しようと投資をすると逆効果。
ライフサイクルを見極めて素直にイノベーションのタイプを
変更すること。
・ミッションクリティカル性とコアの混同。
* クリティカルなものに時間がとられる傾向あります。
ミッションクリティカルとコアは違います。
・全ての企業はいかなる場合でもイノベーションを行う機会がある。
・ライフサイクル上の位置について社内で共通認識をもつ。
* おのずとどのイノベーションタイプを目指すかが決まる。
各タイプを同時に進行することはできない。
・資源リサイクル
* コンテキスト、コア
クリティカル、非クリティカル
のマトリックスを逆流する
コア(発明ゾーン)
社内起業家
クリティカル(展開ゾーン)
プログラムマネージャ
コンテキスト(最適化ゾーン)
プロセス改善者
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自分の会社の強みは何ですか?それがわかっていれば、ライフサイクルのどの段階でも、その場面に適したイノベーションにチャレンジできる。といった内容だった。(と思う)
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内容は難しくなく普通に読み進められる。
表面をさらーっと舐めたような内容なのが残念だがこの分析量を一冊でまとめようとするといたしかたないか。
随所にムーア教授らしい洞察は見られるが、後半ダレた。
途中、氏も書いていたが結局は自分で消化して深く洞察することが重要で、単純なハウツー物として読むべきものではないです。
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一冊目も理解できないまま、無謀にもジェフリー2冊目。まぁ、ほんと難解。とにかく、イノベーションはどう発生し波及していくかを淡々と飽きもせずキャズムからずっと同じ事言ってる。
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製品ライフサイクルに応じたイノベーション戦略のフレームワークを説明している。 イノベーションというと真っ先に製品のイノベーションを連想してしまうが、特に成熟市場においてコモディティ化してしまった製品をいくらグレードアップしてもその費用は回収できない。 むしろ、サービスやコストダウン面におけるイノベーションへの投資が必要となる、という指摘には納得。
章の後半部分は、同著者前作 キャズム でも展開された組織論が続くので、読み飛ばした。
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ライフサイクルイノベーション
●イノベーションがもたらす結果は、差別化、中立化、生産性向上のいずれか
●キャズムとは、市場投入から期間が経過し、製品の新規性が失われた状態。共通の問題を抱える現実主義者のニッチ市場を狙う
●製品イノベーションでは、研究開発による革新性、その革新性を主張するマーケティング、大量供給の製造、物流能力が重要
●製品の新規/既存、市場の新規/既存から、4つの象限でイノベーションを分類できる
●成熟市場では、表面部分での価値創造と基盤部分でのコスト削減の両方が必要
●製品やサービスの基本的機能がコモディティ化されるに伴い、価値は物理的な世界から個人的価値や人の間のやりとりといった精神的世界へ移行する
●提供機能が満たすべき要件は、ターゲット顧客を引き付けること、自社のコアコンピタンスから実現可能なこと、競合他社と差別化できること
●イノベーションはコアから始まって、最終的にはコンテクストを経てオフロードされる
●一般的にコンテクストのオフロード時に解放されたリソースはコア領域の立ち上げに再配分できるだけのスキルを有していない
●経営者は低利益率で資源集約型の業務を社外へ押し出し、高利益率で知識集約型の業務に置き換えながら投資家価値を増加させる
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ライフサイクルのイノベーション分類定義と多種企業の事例とあわせて、シスコシステムズの企業分析は深い洞察で興味深い。パートナー企業は必読かと思う。