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銀の犬 みんなのレビュー

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みんなのレビュー23件

みんなの評価4.1

評価内訳

23 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ケルト民話を舞台にしたファンタジーの世界を堪能

2006/07/19 00:18

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:T.O. - この投稿者のレビュー一覧を見る

ケルト民話を素材に繰り広げられたファンタジックな物語。祭人(バルド)と呼ばれる、音楽を奏でることで、いろんな祈りや呪術を使う人が登場するお話です。祭人(バルド)は人間ですが、ケルトの世界が舞台ですので、人間も、妖精も、妖魔もあれこれ出てきます。いろんな技を持つ祭人(バルド)の中でも、祓いの祭人(はらいのバルド)と呼ばれる、迷っている魂をしかるべきところへ送ってやる使命を帯びた、選ばれしバルド、オシアンがこの物語の主人公です。このオシアンと、その連れであるやんちゃで明るいブラン少年を中心に、5つの物語が連作的に展開されます。迷っている魂を送ってやる話ですから、その前提には、魂が迷わざるをえない、切ない物語がそれぞれあるのですが、どの話も、最後には心慰められる形で落ち着く結末となっていて、ふんわりしんみりと、読後感はなかなかいいです。
迷える魂を成仏(?)させる話なら、日本でもありそうですが、舞台がケルト風であることや、オシアンの神秘的な雰囲気や、その奏でる素敵な音楽(読んでいても、その竪琴の音色が聞こえてきそうです)とで、独特の世界が作り出され、なかなか読ませてくれます。久々に、とっぷりとファンタジーを楽しませてもらいました。この続編をぜひ書いてもらいたいものです。

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紙の本

そのやさしさが心に刻まれる

2006/07/27 09:50

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

懐かしくあたたかい雰囲気に満ちた物語集である。ケルトの伝説を題材に取った話であって、日本のものとは一見遠く離れていそうなのに、なぜか懐かしいー。
五つの物語はいずれも死んでしまった魂にまつわる事件を、祓いの楽人オシアンとその連れの少年ブランが解決するというもの。オシアンはしゃべることができないが、素晴らしい竪琴の使い手で、竪琴の音色によって迷っている魂を「向こうへ送る」。ブランはそんなオシアンの世話を焼きながら、声を出す場面で活躍する。この二人のキャラクターがとても冴えていて、よい。特に、まだ少年のくせに大人のような口をきくブランの愛嬌が読者の心を惹きつける。
とはいうものの、それぞれの物語の主人公は彼らではなく、この世に思いを残してとどまっている魂。例えば、愛情を知らない妖精を愛してしまった娘。妖精の方も娘を愛しているのだが、愛とは何かを知らない妖精はそのことが理解できないーそのことを教えるのが、ブランの達者な口とオシアンの奏でる調べなのだ。
ラスト二編には、ブランと対抗する様子が微笑ましい獣使いの青年も出てきて、彼はこの先の登場も期待できる様子。光原百合を読む楽しみが、またひとつ増えた。

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紙の本

惜しむらくは、核となる物語の不在

2006/08/13 21:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 楽の音の神秘を操ることができる、祓いの楽人(バルド)。彼らはあるべき様から外れたものに調べを聞かせ、理を思い出させることで、あるべき様に戻す。本書の主人公オシアンは祓いの楽人であり、彼の琴が歌うのは、死して後もこの世に迷いとどまる魂を、行くべき場所へと送るためである。
 行くべきところに行けぬ魂と言うのは、この世に想いを残している。その想いは、愛や憎しみ、悔い、迷い、さまざまなのだが、中でも印象深かったのは、逃げ出した人の魂はいつまでも縛られるということだ。弱さや深すぎる想いのために、人は自分の心や相手、世界そのものから逃げてしまうことがある。表題作「銀の犬」で、迷う魂はその典型で、読むほどに切ない。
 収録された5つの物語それぞれが、優しく心に染みとおった。ただ一冊の本として見ると、物足りなさが残った。核となる物語の不在のせいである。連作の形を取るがそれぞれ独立した5作品を結びつけるものが、全話に共通して登場するオシアンとその助手(?)ブランなのだが、彼らの存在感がやや薄い。一つ一つは妙なる美しさである5つの珠を、首飾りとして完成させるために必要な、紐なり鎖なりが弱いのだ。
 本書を読む限り、オシアンは主人公と言うよりも、物語世界の狂言回しであり、傍観者に過ぎない。それぞれの物語の主人公たちにとって、彼らを癒し、彼らの愛する者を救い、魂を浄化して行くオシアンは、通り過ぎる風のようなもので、血を流し老いやがては死んでいく人の子の仲間ではない。
 放っておくと、とても綺麗に人の心からも、世界からも消えてしまいそうなオシアンを、現世に繋ぎとめているのが、少年ブランだ。歳に似合わず老成したところもあるブランだが、彼一人ではオシアンを引き止める重しにはやや軽いか。
 オシアンは謎めいて美しい、心優しい癒し手だ。だがいつまでも、通り過ぎる風のような存在でいられるわけもない。オシアンを人間たらしめる存在として登場したのが、ヒューではないだろうか。彼の登場は詩的で透明だった世界を一気に俗世に引き寄せてしまった印象があり、賛否が分かれるところだろうが、私は祓いの楽人を畏怖せず、堂々と渡りあう彼の存在に救われた。ヒューと相棒の猫トリヤムーアのやり取りは、軽快で巧妙な中にも愛情が溢れ、とても良い。
 祓いの楽人は、望んでなるものではなく、天によって選ばれるような印象がある。災厄を打ち払うことができず命を落とすこともあり、本来の目的以外にその力を使った時は即座に力を失ってしまう。一つ所にとどまることも、誰かと深い情を交わすことも許されない。生きていながらに、精霊の世界に行ってしまったような存在なのだ。その痛みや悲しみ、そして救い。
 オシアン自身の心が語られる時、はじめて作品世界は完結するのだと思う。つまり続編があると言うことだ。急くほどに先を読みたいというのではない。むしろ、ゆったりとした気持ちで第2作を待つだろう。じっくりと時間をかけて世に送り出して欲しい。
 そして、本書を読んでケルトの伝承に興味を持たれた方は、ぜひとも「ウスカバルドの末裔」「銀の手のバルドス」(講談社ホワイトハート文庫 たけうちりうと著)を読んでみて欲しい。オシアンの清冽さとは一風変わった、飄々とした変な楽人が出てくる。

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2006/07/12 13:11

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2006/12/03 23:51

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2007/02/26 13:08

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2008/08/08 11:52

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2008/02/27 20:13

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2008/03/08 00:34

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2008/07/27 21:16

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2008/11/14 22:29

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2009/02/09 21:15

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2009/03/25 19:19

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2010/02/09 10:48

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2010/10/18 18:56

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