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とてもきれいな文章です。儚く、脆く、そしてほんの少しの狂気を孕んでいるような文章です。主人公の七竈には“どんな女子高生だよ”とつっこみたくはなりますが、私が読んだ桜庭一樹さんの作品の中では最高のもの。
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ふわふわと浮いているふたり。
そんな七竃と雪風。
ふたりが互いを呼び合うシーンは共鳴してるよう。
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別の短編集で「辻斬りのように」だけ読んだ時には始まりが唐突すぎた感じを受けましたが、こうして一冊になると、なかなかです。
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表紙の可愛さに惹かれて読んだ本です。
全体の雰囲気も柔らかくて読みやすく、内容もきちんとしていておもしろかったです。
個人的には擬音表現の可愛らしさがすばらしいと思います。
(梨花)
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台詞がなんだか特徴的でうつってしまいそう。とにかく美しいのです。他の作品も読んでみようかと思わされました。
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ジャケ借り★辻斬りは「Sweet Blue Age」にあったヤツ?人物の名前が可愛いなぁ。旭川を舞台にしてるのが、とてもしっくりきてる。冷たくて寂しい、でも凛として優しい冬の小説。
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わたし、川村七竈は、たいへん遺憾ながら、美しくうまれてしまった。母がインランだと、子が美しくなるといったのは親友の雪風。彼もまた美しい。しかし、この容姿と、母のせいで大変肩身の狭い生活をしている。男たちなど滅びてしまえ。
簡単にまとめると、こんな大層なことが書かれいる本です。
思春期の少女の姿として捉えると、中々面白い作品なのですが、どうしても今ひとつリアリティがなく感じます。
人間関係や親子関係といった多くの物をその中に詰め込んだ結果、そのどれもが中途半端になっているというのでしょうか。
表現自体が綺麗な分、それが際立ってしまっているように感じました。
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久々にハードカバーの小説を読む。もちろん借り物。
装丁が良いなぁと思ったら鈴木成一デザイン室の仕事だった。さすが。ここの装丁はどれも好き。特に森博嗣の「スカイ・クロラ」は秀逸。あれをジャケ買いした人も多いだろう。
話、文体はなかなか好み。いんらんの母から生まれた美貌の娘(七竈)の話。
平凡な女だった七竈の母は自分に対して「白っぽい丸」というイメージを抱いていた。それを打ち壊すように7人の男を辻斬りし始める。
人はいつまでもそのままではいられないということ。変化するということ。そんな現実を、淡々と、繊細に書き上げていると思う。
富士見ミステリー文庫から出てる「GOSICK」で(一部で?)有名な作者だがこっちは未読。読めたら読みたい。
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優奈という女が辻斬りのように七人の男と関係を持って産まれた子供が「七竈」。彼女とその異母兄弟である「雪風(♂)」二人の思春期と成長を描く。二人が「鉄」であるという設定は中々新鮮で意味深。取り巻くサブキャラ達も魅力的。
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「辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。ある朝とつぜんに。そして五月雨に打たれるように濡れそぼってこころのかたちを変えてしまいたいな。」
最初の一章から転がるように成立した長編と理解していいとおもうのだけどこの超短篇の連続のような言葉のえらびかたは何かな!!
好みの問題だけでいうならばドンピシャ、心臓わしづかみ、「かんばせ」は古語ではなく北海道言葉なのかとおもうくらい頻繁に出てくるのが気になるのをのぞけば実にいいかんじ。伏線を回収しながらジュヴナイルと大人の人間の両方をていねいに伴走させて終結する作品としてのまとまり度にも拍手を。
次回作に期待がたかまります。
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詩のように流れるような主人公の語り口や古風な言葉づかいに魅了されて、没頭して読んでしまいました。恋愛よりも深い繋がりを持つ2人の美少年美少女を軸とした切ない話。
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小説の主人公は、「七竈」という名の
美少女である。
このキャラ設定が素晴らしい。
ぶっちゃけ、読めないような部分もあるけれど
それを読み飛ばしても
読む価値はあると思う。
「田舎に住む美少女」という設定は
何作品が読んだことあるので・・・
ある種の定番なのでしょうか?
でも、田舎に住んでる美少女で
しかも鉄道マニアで
侍口調・・・
というキャラ設定は非常に珍しいと思います。
珍しいけれど、逆にリアリティがあります。
この小説には以下のような人物が登場します。
*七竈を産んだ母(ちょっと壊れ気味)
*七竈(鉄道マニア)
*七竈の親友・美少年(この人も鉄道マニア)
*平凡な少女
*謎の中年女性
*昔は美少年だけど今はダメ男
*ダメ男に魅入られた苦労人の妻
↑この登場人物リスト見ただけでも
この小説、魅力的だと思います。
白雪姫の童話の原型を使ったような母子関係や、
「カレールーを持って踊りたくねぇ!」
と言い張る硬派な美少女のセリフとか、
顔だけに惹かれて結婚した女性の末路とか・・・
かなりイケてます。
なごり雪(BYイルカ)的な
定番ストーリーなんだけど
それをキャラ勝ちでカバーしてる。
ここに出てくる「平凡な少女の心情」も
うまく描いている。
最初は美少年目当てだったんだけど
逆に、そのライバル
(ライバル視されてないけど)
である美少女のオッカケになるところとか。
小説ってキャラ設定が命。
その生きたキャラを自由に踊らせてあげるのが
小説家なのかもしれません。
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今までに読んだ事のない時間の流れ方をしていた。とても穏やかで夜の海を連想させるのだが、逆の内面の激しさもまた想像させる、とても良い文章でした。
「淫乱な母から生まれた子供は美しい」に悩まされ続ける主人公の七竈はやっぱり悲恋の似合う。
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大変な作品に出会ってしまった。
同じ言葉なのにどうしてこんなに美しく組み合わせることができるのだろう。
特に一話「遺憾ながら」はここ数年出会った文章の中で一番すごい。
装丁も綺麗だった。
「吹け、滅びの風。」
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内容(「BOOK」データベースより)
わたし、川村七竃十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった。―男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。半身を奪われるような別れ、あきらめていた人への想い、痛みをやさしさが包み込む。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の気鋭、桜庭一樹が描き出す、最高の恋愛小説。