紙の本
菅野虎鉄は失敗でしょう。この名前と行動を見る限り、どう考えても30間近のチンピラでしかない。でも、じつは素朴な高校生?名前の付け方間違ったんじゃないでしょうか
2006/10/06 18:54
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前から何度も書いているんですが、杉田比呂美のイラストが好きです。佐々木マキとどっちがいいか、無い頭を絞るくらい好きです。で、光文社から出ている若竹の本は、その杉田の描くイラストが使われているので、やっぱり好き。色合いが柔らかくて、線がビミョーに震えて、いいなあ。
そして、今回のテーマは猫。ま、テーマ、っていうのは違うかもしれませんが、とりあえず猫。最近、我が家では猫の人気が赤丸急上昇中。特に高三長女は、子猫を見るとついフラフラと・・・。ま、私がこの本を手にしたのも、受験勉強疲れ著しい彼女のためを思ってのことではあるんですが。カバー後の紹介文
「奇妙な事件に奇矯な人々、そして猫・猫・猫・・・・・・
ユーモアとシニカルを絶妙にブレンド。
コージー・ミステリの名手、若竹七海の真骨頂!!
葉崎半島の先、三十人ほどの人間と百匹の猫が暮らす通称・猫島。民宿・猫島ハウスの娘・杉浦響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を出す日々を送っている。そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生・菅野虎鉄が見つけてしまったのはナイフの突き立った猫の死体、いや、はく製だった!?奇妙な「猫とナイフ」事件の三日後、マリンバイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通報が!降ってきた男は「猫とナイフ」事件にかかわりがあるようだが・・・・・・。のどかな「猫の楽園」でいったい何が!?真夏の猫島を暴風雨と大騒動が直撃する」
カバー折返しには、
「周知のとおり、猫とミステリとの相性はよくて、『猫は知っていた』からシャム猫ココまで山ほどの猫ミスが世に送り出され、愛されてきた。なにしろ、ちょこっとしか登場しない猫の名前をシリーズ・タイトルにしちゃった本もあるくらいなのだ。アメリカには〈猫ミステリライター連合〉みたいな名称の団体まであって、猫ミス専門のライターが佃煮にするほどいるらしい。本書にも猫がたくさん登場(かつちゃんと活躍)するが、うち八割の名前は小説や映画に出てくる猫の名前からとってあります。ただし、出典が全部わかったら、相当の猫バカだと思う。」
とあります。うわ、シャム猫ココ、知らないし・・・。関係ないけど、このお話は、書き下ろし。各章タイトルは
第一章 猫も杓子も(七月二十八日)
第二章 熱いブリキの上の猫(七月二十八日・続き)
第三章 鳴く猫はネズミを捕らぬ(七月二十八日・続き)
第四章 猫の手も借りたい(七月三十一日)
第五章 猫が肥えれば鰹節が痩せる(七月三十一日・続き)
第六章 上手の猫が爪を隠す(七月三十一日・続き)
第七章 猫の首に鈴をつける(八月一日)
第八章 猫の恩返し(八月二日)
第九章 猫でも王様を見ることができる(八月二日・続き)
第十章 鳩の中の猫(八月三日)
第十一章 猫を追うより皿を引け(八月三日・続き)
第十二章 猫に小判(八月五日)
となっています。
登場人物を紹介すれば、まず主人公は高校二年の杉浦響子でしょう。彼女は民宿〈猫島ハウス〉のオーナーである杉浦松子の孫にあたります。そこで食事を作っているのが細井ツル子。で、松子の死んだ夫の弟というのが杉浦幸次郎。
次に重要なのは、年齢不詳の葉崎警察署捜査課警部補の駒持時久。で、彼にいいように動かされるのが葉崎警察署猫島夏期臨時派出所勤務の巡査・七瀬晃です。ま、ボケとツッコミというか、映画にしたらかなり面白いコンビでしょう。特に七瀬を見舞う悲劇の殆どが、駒持のせいなんですから。で、意外な活躍をするのがポリス猫のDC、ドラです。
殺人あり、銀行強盗あり、麻薬あり、宝捜しあり、とまあサービス満点のユーモア・ミステリ。しかも、それなりにうまくまとまっていて、さすが北村薫が『ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件』で、ヒロイン小町奈々子として登場させた若竹七海。杉田とのコンビも抜群。
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若竹七海4年ぶりの単行本は葉崎シリーズの第3弾です。コージーミステリのエッセンスをふんだんに取り込んだこのシリーズ。今回はずばり「猫ミス」です。人口よりも猫口のが多そうなこの島で起こる事件の数々。全ての事件に関連はありや無しや?今までの登場人物が元気にしているのが嬉しいです。駒持警部も相変わらずのキレ者(色んな意味で)。もちろん猫たちも大活躍です。・・・なんですが。あの若竹節はどこへ行ったぁ!というのが寂しいところ。本来コージーは「心地よいミステリ」な訳ですから、確かに一番コージーらしい作品かもしれないけど、でもさ!一瞬寒くなるような怖い真相とか、伏線となるさりげない描写とか、その辺がいつもより弱い気がするのです。久しぶりの新刊で一気に読んだから読み飛ばしたところもあるかも知れませんが・・・もう一度じっくり読んでみよう。
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・久しぶりに読んだ若竹作品です。面白いなあ! コージーミステリーにカテゴリーされるのを初めて知りましたが…。・猫ばっかりの島に是非いきたいです。癒されたい。・気を付けて読んでいれば謎解きも出来たと思うんだけど無理でした…。
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意外に面白かった。軽いタッチのお話なので、軽く読むにはぴったり。殺人事件もあるわりには深刻さは全くなし。
猫好きなのでこんな島があったら行ってみたいなー。
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最初から最後まで、軽快で楽しげなテンポで展開してゆく。殺人事件が起きているのだけど、深刻な雰囲気は、ひとかけらもなく、勢いで読みきってしまった。さらっと読みたい気分の時にふさわしい、彼女らしい作風のお話でした。
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若竹さんらしい軽快な一品。
でも、構成はしっかりしていると思う。
葉崎シリーズの3段目。
猫島の話。
猫がいっぱい、謎も一杯
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30人ほどの人間と100匹を超える猫が暮らす通称・猫島。民宿・猫島ハウス
の娘・響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を出す日々。そんなある日、
奇妙な事件が起こる。のどかな「猫の楽園」でいったい何が!?
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葉崎シリーズ。
ガスマスク刑事は新しすぎる。大好き。
猫好きにはもちろん、猫ミステリ好きにはたまらない。
猫島が実在したらとりあえず観光客の一人になっていることは間違いない。
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葉崎半島の先(神奈川県の江ノ島辺りが突然隆起っして出来た架空の半島)猫島海岸から見える小さな島は通称・猫島。
そこは、人が住む前から猫がたくさんいた島。
今は、三十人ほどの人間と百匹を越える猫が暮らす島だった。
夏休みに入った今は、観光客で賑わいを見せている猫島。
民宿・猫島ハウスは、オーナーの杉浦松子・料理人の細井ツル子・高校生の松子の孫・響子。
響子は、家事手伝いで精を出す一日を送っていた。
そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生・菅野虎鉄は、島の人があまり来ない入り江でナイフを突き立てた猫の死体・・・剥製を見つけた。
偶然居合わせた、葉崎警察捜査課の駒持警部補(猫アレルギー)。
この、出来事に興味をいだいた。
そしてこの三日後マリンバイクで海上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突したという不可解の通報が・・・。
のどかな猫の楽園にいったい何が?
この事件により、人々はそれでものんびりしていた。
そして真夏の猫島に暴風雨が来る・・・。
猫がいっぱい登場するミステリーです。
今回も葉崎での騒動。そして、駒持警部補が登場。
ですが、ま〜ぼちぼちの作品でした。
ユーモアとシニカルの持ち味が出てますが、「ヴィラ・・・・」「アゼリア・・・」に比べるとちょと勢いが足りないかな?
でも狙いは、のんびりとだったのかも・・・。
のどかな人々と猫を味わうのにはいいかもですかね?
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猫だらけ本。いつもの若竹節がちょっとなりを潜めた感じで、明るくさっぱりした作品でした。響子と虎鉄に修学旅行で何があったのか…気になる!!
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葉崎シリーズ。どこまでも猫尽くしで、猫好きは必読でしょう。あああ、こんな島行きたいよ~と熱烈に思った私も猫馬鹿。でも作中に描かれる「猫好き」の姿は案外皮肉られていたりして、節操のある猫好きにならなきゃなあ、と思いました。
事件に関しては……いろいろと起こります。そのどれも、決して軽いものじゃない。だけど……重苦しくはならないんだよね。「騒動」という名称がぴったり。これが「コージーミステリ」というものの味わいなんだろうな。楽しく読めて後味すっきり、という印象です。
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若竹七海氏の作品は他に「スクランブル」くらいしか読んだ覚えがないのだが、なんかダラッと読めた感じ。
「焼酎ノラや」に笑った他は出典がよくわからない。
章ごとのイラストもかわいい。lib
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ここのところ見かけなかったから心配しておりました。いつぐらいぶりなんだろう。
コージー・ミステリって、何なんでしょうね。なんかもう「若竹みたいなの」ってイメージを持っちゃってるんですが(それは逆だろう)。
猫がたくさん住む猫島での一騒動。殺人というか、死人は出てるし案外エグイけれど、さらりと読めてしまうのは若竹の力。さすが。謎としてはちょっと弱いかな、という気もしなくもないが、そこが読みどころではないので別に問題なし。そういう風に繋がるか、と驚ける点もあったし。
若竹らしく最後にストン、ストン、と落としてくれて非常に満足でございます。「猫島ハウスのペルシャ絨毯が盗んだ金の行方だろう」(ネタバレにつき反転処理)っていうのは途中で気づけたが、まさかラスト「DCにそれをネタバレ」させるとはね。さすが、うまいなぁ。DC、かっこいいし。演出の仕方というか、読ませ方が本当に上手い作家だと思う。
それで結局、修学旅行の一件って何なんだよ(笑)
お気に入りの部分抜粋。
まぶしい太陽。打ち寄せる波。焼けた肌。サンオイルの香り。はしゃぐ声。そして、おっぱいがいっぱい。
これが一番初めの文章。これを読んで心を掴まれない人はいないと思う。
06.08.29
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若竹七海にしては黒さが足りなかった印象(といっても読んだのがかなり前でまーったく覚えていないんだけどなっ。機会があったら再読しよう)。
とりあえず評価は星三つで。
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ものすご〜く久しぶりの若竹七海さんの新刊は、葉崎市シリーズのコージー・ミステリ。バラバラになったジグソーパズルのピースが、紆余曲折を経てパタパタと収まるところに収まっていき、事件の全貌が一枚の絵として浮かび上がってくるさまはお見事です。登場する人物という人物がみな、あくの強い愛すべき人物ばかりで、この1作にしか登場しないなんて勿体ない!ぜひ他の作品でもその活躍を見てみたいです。私のイチオシは猫アレルギーの駒持警部補…と言いたいところだけど、やっぱりとことんついてない間抜けに活躍する七瀬巡査かな。猫島ハウスを切り盛りする響子ちゃんも捨てがたしって、修学旅行で一体何があったんだっ! 他の葉崎市シリーズの作品と思わぬところでリンクしているので、そういう部分でのお遊びに反応して、くすくす笑えるものいいですね(全作再読したい〜。気づかないだけのリンク部分がまだいっぱいありそうだ)。しっかし!この作品に登場する猫の名前の8割は、小説や映画に出てくる猫の名前に由来するそうですが、ほっとんど判らなかった!悔しいー!猫好きを公言してるものの、まだまだ私、修業が足りません(涙)。(2006.8.9読了)