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トキのキンちゃん Nipponia Nippon みんなのレビュー
- いもと ようこ (作・絵)
- 税込価格:1,430円(13pt)
- 出版社:岩崎書店
- 発行年月:2006.8
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絵本
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紙の本
こんなにも美しい鳥が日本の空を飛んでいたのだ…。トキと、それを見守り心を尽くした金太郎さんとの美しく切ないお話。
2006/09/17 17:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
声に出してみる。「ニッポニア・ニッポン」。トキの学名が「ニッポニア・ニッポン」だと知ったときの誇らしいような喜びを思い出す。この名をつけられたトキの最後の一羽が、このような最後をとげていたとは…。
お話は、減りつつあるトキを保護するために保護センターがつくられたことから始まる。そんなとき、親とはぐれた子どものトキが見つかり、宇治金太郎さんが、このトキを見守り保護することを頼まれる。
金太郎さんは、自分を覚えてもらおうと、毎日、同じ時間に同じ服ででかけるなど、さまざまに心を尽くし、ついにトキと心を通い合わせるようになる。
ところが、捕獲を要請する保護センターの依頼で、トキをつかまえざるをえなくなる。彼をを慕ってやってきたトキを抱きしめ、泣きながらつかまえる金太郎さん…。
金太郎さんの名前から、キンちゃんと名づけられたトキは、それ以来、ゲージにいれられ、36年間飛ぶこともなく死亡した。
絵本の最後は、こう結ばれる。
「みなさんのおかげで、こんなに長い命をいただきました。
でも、もう命はいりません。自由をください!」
キンちゃんは大きく羽根をひろげると、あの金太郎さんとあそんだ大空にむかって、いっきにとびたちました。
あとがきには、こうある。
2003年10月10日金曜日午前6時29分。
日本最後のトキ・キンちゃん死亡。
死因「頭部挫傷」。
(それまで眠っていたキンちゃんは突然飛翔し、ケージの扉に衝突する様子を保護センターのモニターが記録している)
36年生きたキンちゃんは、人間の年齢に換算すると100歳以上にもなります。
人の手で、絶滅種を救うのがいかに難しいか。環境悪化のために減りつつある種を、環境を変えずして、その個体を捕獲、保護し、ひいては種の保存をすることが可能なのか。トキのキンちゃんは、重い問いかけをしてくれる。そして、金太郎さんの苦しみがせつなく伝わってくる。キンちゃんにとって、自由を奪われた「命」とは何だったろうか。
それにしてもトキの美しいこと!いもとようこのイラストがトキの美しさと金太郎さんの誠実さをうまく表現している。
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