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故郷と残してきた忘れられない記憶を取り戻しに、イギリスをあとにする母親。愚かで、周りの人を傷つけるけど、結局自分の居場所というのは自分が欲する場所なのだなとしみじみ思う。愚かだけど母親の気持ちは正直で、泣きたくなる。
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本当にいい本。
家族について、伝統について、著者がたくさんのことを考えて生きていたことが分かる。これからも大切にしていきたい一冊。
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イランの要人の娘として育ったマリアムは勝ち気な美しい娘で看護婦志望だった。ある事情で家を出されて英国へ。英国人と結婚して家庭を築くが、心の奥には封印した過去があった…40年後、故郷へ戻ったマリアムを一人娘のサラは追い、母の引き裂かれた初恋といまだに残る因習に直面する。作者自身がイラン人の母と英国人の父の間に生まれ、35歳でこの本を執筆。まさか事実そのままではないでしょうが…母親の望郷の念や、イラン人の女性について見聞きしたことが元になっているのでしょうね。サラが母を理解し、救いのある結末になっています。風景描写がとても綺麗で、ロンドンもイランもその地への愛情が感じられ、印象に残りました。
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イラン人とイギリス人のハーフである主人公の女性が、両親の絶対的に分かり合えない心の奥をつなごうとする話。過去は振り切ろうとしても、どこまでも付いてくる場合があるという悲しさを思った。
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誰にも理解などできはしない、まして共有などできはしない。
胸に秘めた忌まわしい思い出も引き裂かれた想いも。
悲しみは悲しみのままに、ただほんの少しの癒しと明日からの生きる力をくれる本。
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[ 内容 ]
マリアムには娘も知らない過去があった。
イランの都市マシャドの邸宅に要人の娘として生まれ、ある出来事をきっかけに、父によってイギリスへと送られたのだ。
英国人青年を夫とし、平穏な家庭を築いてきたマリアム。
だが40年を経て、かたく封印してきた懐かしくも忌まわしい過去を辿る旅に出る。
遥かなる故郷と引き裂かれた恋人への思い。
長い年月をともに過ごしながら残された夫の哀しみ。
そして、揺れる母をみつめる娘のまなざし。
イラン系英国人作家によるデビュー長篇。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「きみがまた、ぼくを見つけにきてくれるまで、ここで待っているから」
という帯に惹かれて手に取りました。
マリアムとアリに関しては、お嬢様(はねっ返り)と従者(控えめ)っていう王道すぎるくらいの設定効果もあって、ときめくものがあるし、
二人の引き裂かれ方やマリアムが受けた心の傷を思うと彼女を責められないとも思うけど、
それにしてもこれじゃああまりにもエドワードが報われない・・・と思ってしまいました(;m;)
エドワードといいジュリアンといい、イギリス人男性がすごく優しくて、もし映画化されても絶対これはヒュー・グラントではないな、っていうくらい思いやりにあふれた存在として描かれてました。
(ヒュー・グラントは大好きですがw)
サラとサイードがキッチンのペンキ塗りをする場面が好きでした。
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表紙の美しい青に惹かれて読んだ本。
身分違いの恋、別離、再会、などロマンスが満載。
イランという馴染みのない、漠然としたイメージしかなかった国に興味を持つきっかけにもなった。それがイスラム文化を知りたい、中東問題を知りたい、と派生していく。
ロマンスもいいが、風景描写や生活描写もよく、映像化しても映えそう。
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ヤスミンクラウザー「サフランキッチン」読んだ。辛かった。読んでて辛くて読み終わっても辛い。。異文化という言葉はよく目にも耳にもするけれど、ここには文化どころか何もかも全く別の世界がある。描かれる出来事がみな痛ましく惨い。挿しこまれる童話すら胸がつぶれそう。(つづく
中盤そして終盤でほわっと救済と再生の兆しが差すもののすぐに消え去り、最後まで乾ききってひりひりして、閉じ込められたままま扉は開かない。裏表紙の書評がどれも前向きなのが信じられない。わたしには救いがちっとも感じられなかった。わたしは禍福は糾える縄の如しという考えが好きではないのだ。
最後)マリアムと関わる男たちは優しいけれど意気地なしの印象が笑。ここでも前に進むのは女ばかりで男は踏み出せず留まっている。まったく!表紙の青に惹かれて手に取った本。サフランは赤い雌蕊、「血」と大地の赤。新潮クレストでは既に絶版。http://t.co/MILGts7C
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久しぶりに衝撃を受けました。マリアムとアリの二人の愛の形に!どう説明しても陳腐になるので読むしかありませんが男女間でこんなに堅い絆を築けるうらやましさとそこに行き着くまでの代償と犠牲のことを今でもふと考えてしまうのです。
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きな臭いニュースでたまに名前を聞くだけの国、イラン。ムスリムの人たちに対しても、何となくネガティブなイメージがあるだけで、日常生活など想像もできない。そんな馴染みのない国や人たちの物語。
イランから逃れるようにイギリスに来たマリアムは、イギリス人男性と結婚し、娘をもうけた。イギリスで生まれ育った娘サラも結婚し、子供を持とうとしている。そんな中、イランから親を亡くした甥がマリアムの家にやってくる…
長い時を経て、過去と向き合う母。隠されてきた母の過去を知り、戸惑いながら理解し、受け止めようとする娘。
静かな感動に浸れる、家族の再生の物語だと感じた。
故国や家族という自分のルーツから離れて暮らすことで彼らが感じる空虚さや孤独だったり、「自由に生きる」ことが許されない場所があるという事実だったり、イランの生活が意外な程"普通"ー何となく戦前の日本と似てる感じなのかなと思ったーだったり、緑の多い寒いイギリスと乾いて暑いイランとのコントラストの美しさだったり。色々なことを感じられる一作だった。とても、良かった。
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旅の本つながりでイランを舞台にした小説を読んでみる。
こちらは1960年代に始まるイスラム革命を背景にまだまだ宗教的に厳しい規則や習慣に縛られたイランが舞台。
イランは一時期「悪の枢軸」なんていわれていた時期もあるほどの国。世界的な石油資源の主権争いの結果、ペルシャ帝国はズタズタになってしまいます。世界に広がるメディアなんて欧米のバイアスがかかった情報で流れてくるということがよくわかります。
伝統的習慣に引き裂かれ、知らない国の暮らしに引き裂かれるという、なんとも苦しい人生を送ってきた主人公である女性の物語を通して、人々だけでなく自分をも自由にする言葉の大切さを教えてくれます。この息苦しさは、乾いた土漠の暑いイメージから雪が吹きすさぶ冬のシーンと相まって全く違うイラン像を見せてくれます。こんな多面的な激しい姿をもつイランに行ってみたいような、やっぱり怖いような。
非常に興味深い異世界です。