紙の本
フィクションかノンフィクションか? 夜明け前の空の様な本
2008/02/09 15:32
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝光 - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性誌の企画で、超能力を持った主婦に自分の前世
を見てもらった著者が、告知された前世の自分につい
てのヒントを調べてゆくルポルタージュ。
前世や超能力を信じない著者が、告知されたルネサン
ス時代の男デジデリオをイタリアまで調べにゆく。
調べれば調べるほど、その信憑性は高くなってゆく。
ヒントの一つ一つの裏を取ってゆくプロセスが淡々と旅行
記録のように記されてゆく。
ルネサンス時代のフィレレンツェの様子もだんだんと浮か
び上がってくる。
もしかしたら、これは実話? 逆に もし創作だとしたら
本当に良くできた物語。
幽玄の書という印象を受けました。 夜明け前の青黒い
中にオレンジが混ざり始めた空みたい。
「身近な不思議」を読んでみたい人にお薦めです。
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人の前世が見えるという清水さんという女性から「あなたの前世はルネサンス期に生きた、デジデリオというイタリアの彫刻家だ」と言われた著者。まさか!と思いつつも、そのあまりに細部に渡る話に、確かめずにはいられずフィレンツェへ旅立つという、とてもわくわくするお話です。調べてみれば見るほど、清水さんのお話は信憑性があり、微妙にずれたりしているところもまた妙に信憑性がある感じがして興味津々。私もぜひ清水さんに前世をみてもらいたいと思うのです。
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前世を言い当てられるという女性に「あなたはイタリア、ルネサンス期に活躍し夭折した美貌の彫刻家デジデリオの生まれ変わりだ」と伝えられたルポ作家が、その真偽を確認しようと徹底的に調べ上げ、ついには、イタリア、ポルトガルまで飛んで その謎に迫るという内容の本だ。日本人が自分の前世についてこれほど徹底的に追求したノンフィクションがあったのとは迂闊にも知らなかった。読み出すと結局最後まで止まらなくなる。わくわくするような謎解きの面白さだ。私も、他の仕事そ っちのけで一気に読んだ。
京都在住の霊能者である主婦が語った著者・森下氏の前世、つまりデジデリオの人生は、その生まれ、同性愛者としての数奇な人生、残された作品の秘密にいたる まで細部にわたり、専門的な知識も欧米語の知識もない主婦が文献で調べあげられるような内容ではない。日本語の文献で必死になって調べても、分かるのはせいぜ い、百科事典的な生涯の記述などごく限られた情報でしかない。欧米の文献でも事情はそれほど変らないらしい。
しかし、イタリアに飛んだ森下氏が、徹底的に調べれば調べるほど、京都の女性 が見たデジデリオの人生のビジョンの正確さが裏付けられていく。そのスリリング な調査のプロセスにこの作品の面白さがある。一例を挙げると、通説では、デジデ リオの友人ロッセリーノの作とされる彫刻があった。実はその顔の部分がデジデリオの作であった決定的な証拠が、偶然に見つけたポルトガル語の文献から確かめられる。京都の女性が語っていたことが正しかったのだ。こうしたいくつかの例から、 京都の女性が見たビジョンはかなり信憑性があると、誰もが思う。
一方で読後に若干の物足りなさを感じる。確かに京都の女性が見たビジョンは、 現地でかなり確かめられていく。しかし、それが森下氏の前世だと主張しうる根拠 は何もない。森下氏が愛用するベネチアグラスの小さなガラス瓶を手に持ちながら 京都の女性が見たのは、たまたま浮かんできたデジデリオの生涯であり、森下氏の人生とは何も関係ないかも知れない。それは、ただ京都の女性の透視力が確認されたに過ぎないのではないか。そういわれても反論できない。森下氏とデジデリオに 説得力のある共通点があるわけでもなく、デジデリオゆかりの場所で、彼女が何か強烈なインパクトを受けるわけでもないのだ。
それにしても、これまで精神世界とは無縁の仕事をしてきたルポルタージュ作家が、懐疑を捨てきれぬままに霊能者の見たビジョンにしたがって徹底的に調べ上げ、 ついに通説を超えたデジデリオの真実に迫ったという事実は、高く評価されていい。
この作品は、ぜひともその続編が書かれるべきだと思った。霊能者の女性によれ ば、デジデリオと変らぬ愛を誓いあった同性愛の相手が、今日本に生まれ変わって、 彼女と同じライターの仕事をしているという。その人物については、もちろん何も 手がかりがないのだが、もしその人物との出会いが語られるならば、この作品は見事に完結するだろう。デジデリオを調査する過程で起こった数々のシンクロニシテ ィを思えば、そういう結末があっても不思議ではない。
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もしも 輪廻転生が証明されたら すごいと思いませんか?
⇒ http://resonohondana.seesaa.net/article/224196872.html
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地理、歴史、ちょっとミステリー、スピリチュアル、色んな要素がからまってるわりに、ご本人が基本「前世とか信じない」という態度を貫いているのでどっぷりな感じではなく読みやすかった。
わたしも前世を見てもらったことがあるので、自分の前世が個人を特定できるレベルまでわかったら…と思い読みながらドキドキ。
ヨーロッパに行きたくなりました。
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BSジャパンでやっていた「フィレンツェラビリンス」の原作。当たり前だがドラマより情報も多く、丁寧に描かれている。何より、デジデリオという日本ではメジャーでないアーティストを知ることができ、満足。でも、真実は分からない。
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BSのドラマで「フィレンツェ・ラビリンス」というのをやっていまして。イタリアの町並みと建造物の美しさ、ストーリーの完成度に思わず「原作が読みたい!」と衝動買い。
ドラマのほうが確かにまとまりはありますが、描かれなかった部分にも面白いお話が沢山あってとても面白かったです。
ただ、一部同性愛表現があるのでいやな人はご注意です。
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著者はフリーのルポライター。女性だが、占いのような非科学的なものは全く信じない性格。ところが、あるとき行きがかりで占い師の取材をすることになり、そこで「あなたの前世は中世ルネサンスの彫刻家デジデリオ」と告げられる。聞いたこともない名前だったが、その話があまりにも微細に渡っていたので調べてみると、確かに史実と一致した。しかし、日本語の文献だけでは載っていない部分もあり、にわか仕込みにしては手が込みすぎている…気になり出して調査を続けるうち、ついに著者は仕事を投げ出してイタリアまで足を運んでしまう。
「前世」というスピリチュアルな内容だが、いわゆる「スピ本」ではなく、普通の視点で書かれている。それだけに神秘性がいっそう際立ち、ミステリアスな印象を与える。「そんなことがあるものだろうか」と思っているうちに、ぐいぐい引き込まれてしまう。なまじ前世というものを信じている人より、著者同様信じていない人の方が楽しめるかもしれない。
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デジデリオって誰?
雑誌の取材で、眉唾物の企画と思いながらも人の前世が見える人のインタビューを行い、自分の前世がイタリアルネサンス期に生きた夭折の彫刻家デジデリオであるといわれてしまった著者。
最初はペテンと決めつけていた前世の話も、調べていけばのめりこみ、はてはイタリアはフィレンツェに行っての大捜査。疑い100%で始めていてそこまでやるかという徹底ぶり。そうして得られたものはなんだったのか。
著者は最初から最後まで、基本「前世?そんなうさん臭そうなものはちょっと……」というスタンスを貫くが、それでも眼前に現れる奇妙な符合に心が揺れる。そんなところが実にプレーンで、そしてリアルだった。
いやもう、面白くって一気読み。
でもこの本のジャンルってなんでしょうね。
歴史?
ミステリ-?
僕はあえてノンフィクションに分類してみました。
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ただの物語として読んだとしても、ノンフィクションとして読んだとしても
面白い・・・というか、混同してしまう。
前世をたどる旅してみたい。
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2012.9.2 読了。読み始めておもしろくて一日で読み終えてしまった。。。
ジェットコースターのよう。
謎がとけていくというか、符合があうことに、こわさも感じるような。。。
杏のふむふむ、を読んで、読みたくなった本。最後のメッセージの、人生はおもったより長くなくて、自分のやりたいことをやらなきゃというところが残った。
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前世など信じない私がこの本を読もうと思ったのは、この作者自身も前世というものに懐疑的だったから。読み進めるうちに次々と歴史的な新事実が明るみになり、ドキドキしながらあっという間に読了。オススメです。
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自分の前世を探して旅に出る経験をした人なんて滅多にいないと思う。とても興味深い内容だった。前世を追い求めた結果、最後の言葉も印象的だった。
「人間はどこから来て、やがてどこへ帰るのかわからない。けれど、どこから来て、どこへ帰るにしても、人生は心からしたいと望むことをするためにある」「人生に、遠回りしている時間はない」「心から望むものに向かって、真っ直ぐに来い」
果たして、私が望むものとは何なのか…
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前世と言われた人物の謎を追いかける物語。
実話とのことだったが、ミステリー性もあり面白かった。
ルネッサンス時代の文化も、興味深かった。
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以前読んだ「デジデリオ」の、これは改題されたものですが、以前より写真が多くなって、ちょっと加筆もされていて、保存しておくならこっちの方がいいかな。
写真は、「なんだー、この文で説明されている絵(や彫刻)が見たいのに……」と思っていたことを叶えてくれてありがたかったです。
何度読んでも、不思議な気持ちになる本。
森下さんの前世は、本当にデジデリオなのか?
正直、まだその辺は信じられない。
一人の人が、デジデリオとか、もしくは鑑真に縁のある人物だったとか、歴史に出てくる人とつながっている前世が2つもあるなんて、本当だろうか?
でも、じゃあ清水さんが見たものはなんだったのか。
どんな書物をひもといても出てこないことを言ったり。
とんでもない歴史通のぺてん師か、はたまた……。
こんな不思議な体験をした森下さんがうらやましい。
「デジデリオ」の感想にも書きましたが、前世とか来世とか占いとかに全く興味のない私だけど、私も自分の前世、と言われる人を教えてもらって、歴史の旅に出たい。
……なんの文献も残ってない一庶民でしょうね、きっと。
鑑真と縁のある人もデジデリオも森下さんも、絵を描くのが好きだったとのこと。
じゃあ私の今の趣味も、前世とつながりが?
えーと、編み物とゲームと、あと読書?
この中でありそうだとしたら、子供の頃から好きな読書かなあ。
デジデリオの恋人で、その人も生まれ変わって今日本人だという人は、果たして誰なんでしょう?