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みんなのレビュー27件

みんなの評価3.6

評価内訳

27 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

大いなる虚構

2006/10/28 20:33

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中乃造 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この東京は滅茶苦茶だ。作品が文庫化された二〇〇六年から見て、辛うじて近未来と呼べる時間距離に、舞台はある。ガイコクジン排斥運動と占い信仰が激化するニシオギ、異国とほとんど化した新小川町俗称レバノン、共同租界としてある神楽坂の角、地下には傾斜人が蠢いている。東京は熱帯化して生態系は変わりつつある。この都市は侵されている。

フィクション性に対するまっとうな、壁越しの見識は無用だ。得られるのはリアルでしかない。それは例えば、鴉が人語を操ることに可能性が裏付けられている、といった小手先のレベルでは全然ない。ここにある“現実”を魚眼レンズで覗いた世界だから、とも違う。“現実”の否定、変容、再構築、どの言葉も当て嵌まりそうで当て嵌まらない。
クロイが映像に魅せられて、その内側へ融けていったのと似ているかもしれない。だから、この作品を読みリアルを得ることは、神秘の領域に属している。八咫烏と見做されたクロイがそうであったように、そうして読者は覚醒するのだろう。

映像を創るのは、レニだ。鷹匠の後継であり鴉匠、場所によりジェンダーを選択し一人称を統一しない。クロイのために傾斜人をミナゴロそうと決意して取った戦略が、撮影し、闇に投影することだった。shoot。ここに創造および愛の本質があり、それはつまり銃撃である。

レニを守ると言ったのはトウタで、そもそもは十歌、しかし同時に持つ意味に従い淘汰する。一挺のリボルバーを片手に本能のまま生きる。旋律を持たない男。極めてイリーガルだが、生活は牧歌的でもある。幼少期の無人島生活、小笠原から本州の東京に上陸し、ピアスと出会い、そしてレニと出会う。いくつものイニシエーションを経る。レニを守るとういう約束を守ろうとする時、トウタは彼らしく気ままでありながら、ひとまわりかふたまわり大きくなるほどのフル装備で登場する。生きる重火器となり驀進する。向かったユートピア、西方で、どうしてトウタは妹のヒツジコを思い出したのか? 神託にほど近いピアスからの連絡だけが、理由ではないだろう。

ヒツジコは、踊る。地震を引き起こす、世界を揺らすために。踊りは見た者は呪われるという伝説は、伝説ではない。ダンスはシェアされて席巻し、その様は侵略に良く似て、事実私立女子校テレジアは陥落した。ヒツジコのように踊る、ガールズ。中でも特に力を持った三人がいる。それぞれ強い個性を持っていて、烈しい戦闘性ゆえカナにも惹かれるが、私が一番興味を覚えたのはフユリンだった。幼い印象があるまでにポジティブな、小柄な少女。子供の頃脱毛現象でかつらガールとなり、逃げるように東京の女子校を選んだフユリンは、再び自毛が生えて来た時に鏡の前で泣きながら思う。
「ああ、みんな、幸せになるといい。」
そんなフユリンは踊る時、純粋な悪意を撒き散らす恐怖メーカーになる。絶望と希望が螺旋を描くのか。フユリンのハイパーリアルな地獄というものを、見てみたいと思った。

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紙の本

最後まで疾走していく東京崩壊小説

2017/01/12 22:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めて読んだ古川先生の本でしたが、まるで全力で歌い上げられる音楽のような、全速力で駆け抜けるような独特の文体はハマるとやみつきになります。
変容した東京という舞台で、上巻は少女期のカリスマとなるヒツジコや、アンダーグラウンドで居場所を得ていくトウタ、そして「無性」のレニなど、魅力的な登場人物たちが疾走していきます。下巻をすぐに読まないと何も手につかなくなるぐらいの中毒性です。
個人的には『LOVE』より好きかも。こちらの方がよりエネルギッシュで猥雑で壮大な気がします。あと巻末の動物図鑑が何気に面白いです。

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2006/10/10 18:47

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2007/01/14 15:06

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2007/01/17 15:05

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2007/09/02 15:54

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2007/02/19 10:25

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2007/07/09 06:30

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2007/09/08 01:19

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2007/11/16 23:50

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2008/03/21 01:36

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2008/07/30 23:12

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2008/09/15 00:03

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2008/11/04 17:25

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2008/12/06 00:09

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