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みんなのレビュー68件

みんなの評価4.1

評価内訳

7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

役立つ視点をあなたに

2007/10/08 19:28

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

あとがきにもあるように、これは専門書ではない。啓蒙書である。とにかく分かりやすいのが素晴らしい。世に最新の学問を分かりやすく説明するとした本が多数あるが、本当に分かりやすいものはまれである。この本は実感に即した例を用いてうまく説明していて、すんなり納得できるものばかり、講談社科学出版賞受賞もうなずける。
 
 この本で扱われているASEP「非対称単純排除過程」とセルオートマトン法の視点(手法)は、他の学問分野はもちろん日常生活での行動決定にも応用がきく。現在社会のストレス軽減に、緊急時のパニック回避に、学問的にも、個人として行動する上でも役に立つ。渋滞はもちろん、通勤・通学でイラっとしたことがある人、必読です。
 
 そしてまた、コンピュータが万能であると思っている人には、「パイこね変換」の結果を知るだけでもためになる。どんな道具も何ができて、何ができないか。何に向いていて、何は向いていないか。限界は?それをしらないと大きな落とし穴に陥ることになる。それを知るにも、必読です。

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紙の本

渋滞という視点からとらえた世界

2006/12/27 22:43

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 高速道路などで、ある地点から渋滞がすっと消え、その後はビュンビュン飛ばせるようなことがよくある。べつに分岐点や事故があるわけでもないのに、突然渋滞がなくなるのである。そんなとき、実に不思議な気分になり、どうしてこんなに急に空くのだろうと悩んでしまう。この理由について今までいろいろ考えてみたが、どうしてもわからなかった。
 「事故もないのに自然渋滞ってなぜ起きるんだろう?」という宣伝文句を読んだとき、この問題についての答えをあたえてくれる気がして、手にとったのが、この『渋滞学』という本だった。実際に、答えはクルマの渋滞に関する最初の章であたえられた。その鍵となったのは、ASEPという近年、数学や物理学で使われるようになった理論であった。
 ASEP理論を使って渋滞を単純なモデルに変換することにより、不可思議な謎は、まったく納得のゆく現象へと姿を変える。この理論において、道路は一列に並べられたいくつもの箱に、クルマはその箱に入ったボールに見立てられる。クルマの進行は前の箱にボールを移す行為と見なされる。そして、直前の箱にボールがあって前に進めない状態が「渋滞」と定義される。何のことはない、渋滞とは単純に自分のすぐ前にクルマが存在している状態であり、直前からクルマが消えたとき、渋滞は消えるのである。渋滞の終点において、クルマは前の箱に何も入っていないことを見、スピードをあげて走り出すのだ。次の瞬間、その次のクルマも同じように走り出す。...ASEPの理論とその応用について読みながら、このことにハタと思い当たった瞬間、私の中で件の謎は氷解していった。
 かくして私の積年の謎も冒頭で解決したのであるが、筆者の西成活裕氏は、このような渋滞の概念をクルマだけでなく、人やアリさらにはインターネット等さまざまな領域に応用してゆく。私は、世界を渋滞という視点からとらえることのユニークさと分析の鋭さにひきつけられ、結局最後まで読んでしまった。ASEP理論を使った分析にもとづくこの新たな学問を渋滞学といい、その応用範囲は医療、都市計画、IT産業などさまざまな分野におよぶと期待されている。物理学者が本業の筆者の記述はなるほど、どの分野においても、専門的な知識と深い洞察力が感じられるものばかりだ。
 ただ「お金の渋滞」と称して、財産相続が社会にあたえるマイナス面を指摘し、相続税率100パーセントを推奨するかのような記述には、首をかしげたくなった。子供の生活や将来を考える親心というものは、人が一生懸命に働き、財をたくわえようとする際の非常に大きな動機である。親が子供に何も残してやれない世の中がどんなに暗いものであるか、普通に考えればわかりそうなことなのに、どうしてこんな主張をするのだろう。ひょっとしたら、著者は自然科学の概念だけで人間や社会を測ろうとしているのでは、あるいは単純に、この人は社会科学的思考に疎いのではないかと感じ、残念であった。
 このように疑問点はあるものの、自然・社会現象におけるさまざまな渋滞を扱う渋滞学は、これからもどんどん発展し、その成果は社会に多大な利益をもたらすだろう。著者自身も述べているように、渋滞学は基礎科学と応用科学の融合というこれからの大学がめざすべき方向の、具体例でもある。渋滞学をめぐる科学界の状況は、新しい時代の新しい科学のあり方を示しているのかもしれない。

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紙の本

日常ありふれている現象を

2022/09/17 17:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

道路の渋滞のように日常ありふれている現象を理論的に解明すればどの様になるか 身の回りにいくらでも例があるせいで、とてもわかり易くしかも有用な解説となっている。交通渋滞のみならずインターネットや電話の輻輳、スーパーマーケットのレジの待ち行列など、いくらでも応用範囲が広がるのが多白い。

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紙の本

自由に動ける車が道路事情で動きを制約される状況を解き明かす

2013/04/27 17:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る

キャッチ;渋滞が起きる原因と過程を明らかにした図書。自由駆動粒子と呼ばれる,自動車や人のような自分の意思で動く存在が,実は動く場の状況に制約されており,限られrた自由度の中で環境からの制約の下で動いているのが,数学的なシミュレーションモデルで予測できるという,面白い内容を分かりやすく説いた本です。
移動場の制約条件と駆動粒子の挙動特性という,二つの条件に移動要因を切り分けて,結果として表れる状況を予測する手法は興味深いですね。このアプローチは,土壌汚染の拡大のような観察科学からモード2サイエンスに展開する力を秘めているように思われます。
7年前の著書なので,腰が低く書かれており,その後どのように発展した続編に期待するところですが,黎明期の謙虚さ(著者の人柄あるいは渋滞額が置かれた当時の環境?)故に,読んで分かりやすくイメージできるのが楽しい本です。
続編を探してみたいと思います。(真正面からの続編はないようですね。)

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紙の本

未解決の問題もふくむ,さまざまな渋滞現象の解説

2008/07/02 00:21

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る

おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」などを読んできたが,これは「渋滞学」というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である.くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている.未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.

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紙の本

あくまでも「学問」でした。

2011/09/02 07:57

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

もう20年くらい前になるかもしれない。「JAF」の雑誌で、渋滞の原因のひとつに、「サグ」というものがある、という記事を読んで非常に興味深く思ったことが記憶になる。サグって、つまり緩やかな(気づかないくらいの)上り坂にさしかかる個所、ってことで、無意識に車のスピードが下がることによって、ある程度の密集度のある状況だと後続の車が次々にスピードダウンしてブレーキを踏むようになって、結果渋滞が...ってことだった。当時に比べれば、「上り坂。速度注意」っていう標識があったり、もっと大きな原因であった料金所が、ETCの普及によって緩和されたり、かなり「取り組み」はされているんだなあって改めて思う。
そんなこんなで、車を運転する身になって考えて、この「渋滞のメカニズム」的なものには興味がある。「学」門としてあるとは知りませんでしたが、精神的な意味も、或いは時間コストという観点でも、渋滞は基本的に回避したい、というのが万人に共通している「問題点」である以上、それを解決するための研究が存在するのは当然だろう。
本書はその課題に取り組んでいる著者が、車だけではなく、人間そのもの、アリ、インターネット、たんぱく質、などさまざまなフィールドにおける「渋滞」を、簡易にしたモデルを使って「解説」してくれるというもの。著者自身が本書で述べているように、専門家向けの論文ではなく、一般向けに「やさしく」説明してくれているものである。が、やはりそこは「学問」であり「専門家」「科学者」であるので、途中から「難しさ」が、「(渋滞への)興味」をはるかに上回るようになってしまって、結構読みこなすにはパワーが必要。インターネットの例あたりで、専門用語(専門家にとっては「一般用語」扱いかもしれないけれど)の比率が多くなってきて、後半はアタマに入らなくなってしまった...
アリの行列にも「渋滞」が生じる、という話や、電車の「幅広ドア」などの取り組み、など面白い話もでてくるので、読めるところは読めます。「学術書」ではないので、興味がより深ければ読み切れたのかも...ちなみに東京メトロ東西線の幅広ドアは、個人的には嫌いですね。ドアの開け閉めに余分な時間がかかるし、すいている時間帯に席の少ない幅広ドア車両がくると気分的によろしくない。
都心と空港を結ぶリムジンバスが、GPSとリアルタイムの渋滞情報を利用して「管制塔」のようなコントロール機能によって、高速を使ったり一部一般道を使ったりして時間通りの運行を実現している、という話は面白いし、こういう取り組みが実行されることが「学問」の在り方だと思いますねー。
「渋滞学」自体が新しい分野であり、従来の他の分野との「横断的な」取り組みであることを強調されています。これは大事なポイントかもですね。渋滞は誰でもイヤなもの。外的環境に左右されることは多いし、そもそも心理的な要因が多いと思いますが、こういった課題に取り組む姿勢は、なんだかかっこいいと感じます。

【ことば】...砂時計で1分を正確に測るのに必要な砂の量や容器の形を理論的に計算することすらまだ誰にもできていない...実験と経験と勘によって作られている...

「へぇ~」って感じですねー。昔はいざしらず現在ではもっとも「科学的」に作られているのだと思ったら...科学でも越えられない「経験」って価値があります。こういうのがあるから、おもしろい。

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紙の本

予想通り。

2021/12/26 13:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『渋滞学』と題された本書は実に多岐に亘る渋滞について著述されています。渋滞と言えば、真っ先に思い付くのは車の渋滞ですが、それに限った事ではありません。アリの行列、出口に集中する人の流れ、インターネットのパケット通信、航空機の離着陸、砂時計の砂の落下、脳の神経伝達、火事の延焼・・数多くあります。
 本書はこれらの中の幾つかをピックアップして数学的な或いは物理学的な視点から詳しく述べています。故にちょっと難解な箇所が散見されますが、その様な箇所は流し読みしても大丈夫です(私は流し読みしてしまいました)。
 車の渋滞原因は言わずと知れた『サグ』なので(約30%というトップ原因である)、サグの解消法についての詳細を本書に期待すると、その期待は外れてしまいます。もっと広い範囲・分野での渋滞の実状に関心を持つ場合に本書は有効だと思います。

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