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悪夢のサイクル ネオリベラリズム循環 みんなのレビュー

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みんなのレビュー13件

みんなの評価4.0

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

20人中、20人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/10/28 10:22

改革と規制緩和の皮をかぶった狼の正体

投稿者:cuba-l - この投稿者のレビュー一覧を見る

90年代の前半頃まではうちの近所にも小さな店が肩をを寄せ合った商店街があって、毎日子供連れの買い物客が行きかい、お盆や歳末にはに店の間には万国旗が張られて福引もある大売出しの期間のにぎやかさは穏やかな日本の風景そのものだった。

だが今はどの店にもシャッターが降り、後からやってきた大手資本のコンビニが営業をつづけているものの、通りに子連れの家族の姿はなく、埃と騒音を巻き上げる車がスピードを落とさずに走り抜けていくだけだ。

圧倒的に支持に基づいて改革を押し進めた未来とはこんなものだったのだろうか。

最も直接的な原因は、市場原理主義に基づく「規制緩和」が既得権益にすがりつく悪い悪人や商慣行ばかりか、実際には社会が営々と積み上げてきた公正なルールも破壊することになってしまったためだともいえる。
本書では、そんな野放図な市場原理主義と虚業のマネーが実体経済を破壊し、人々の暮らしを荒廃させていく過程を、各国の事例に基づいて検証し、「ネオリベラリズム政策によって生じる循環」(悪夢のサイクル)であると結論づけている。

さらに、人は潰れても市場経済は元気なシステムのもと、一部企業と資本だけの好景気を受けて、さらに経済効率化を進めようとする日本はこれから二度目の経済破局に向うとも予言する。その向こうに待っているのは更なる格差と社会不安だろう。
身近に現在実感できる社会事例で読んでいて気の重くなる面もあるが、いずれにせよ社会の制度は人が作って動かす。私たち一人ひとりが、経済の効率化と金儲けが究極の目的なのではないと認識すること、人々の幸福・公正こそ社会の目指すべき目的だと自覚して振舞うことが第一歩だと気づかせてくれる本書は良書である。

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低い評価の役に立ったレビュー

30人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/11/03 17:54

気が付いた点を指摘させていただく

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ピンポイントで気が付いた点を指摘させていただく。
【所得格差がひらいちゃいけないの?7頁】
内橋さんは冒頭で所得格差の拡大を指摘しつつ「日本がとんでもない格差社会に変貌した」と今はやりの格差論に便乗しつつ悲嘆にくれる。ここで思い出すのは今から25年位前だろうか、「窓ぎわのトットちゃん」が馬鹿売れした翌年、居並ぶ「作家先生」と共に記者会見を開き、涙ながらに「日本の所得税は高すぎる。血と涙の結晶であるところの印税の90%近くを奪うなんて血も涙もないことをしないでほしい。こんなことは泥棒でもしないことだ」と所得税引き下げを訴えていた。この様子を見た山本夏彦氏は「あんたの血と涙の結晶はせいぜい5万部くらいだろう」と「やぶから棒」でからかっている。稼いだ分が9割近くも取られることはなくなったのだから、日本国民は本来喜ばなくてはいけない気もするが。
【フリーターという柔軟な存在12頁】
正規雇用が減り、賃金が下がったのは「中国の挑戦」の結果、日本の高すぎる賃金体系ではやっていけなくなったことが直接の原因であり、このままでは企業が丸ごとやっていけなくなるので、規制緩和をせざるをえなくなったというのが実態ですよ。原因と結果を(わざと?)取り違えて規制緩和を非難しても、意味ないよ、内橋さん。タクシーの収入減も同じ。台数が増え、就業機会が増えただけ、マシなんじゃないの?
【スチュワーデスを保護しないと空の安全は守れない?31頁】
何か亀井静香みたいになってきたな。あのね。規制緩和前、ジャルのスチュワーデスはね、毎回黒塗りのハイヤーが自宅前までお迎えに来ていたんですよ。化粧品はもちろんパンストまで全額会社支給ですよ。これもそれも全部規制の結果消費者が法外な航空運賃を負担させられていた結果ですよ。スッちゃんは海外でも当然一流ホテル。こんなことが罷り通っていたんですよ。それにねえ、規制運賃が無くなったら手抜きして事故を増やすなんて国労動労と同じ主張じゃない。やろうと思えばやれるんですよ。現にシンガポール航空や全日空はやっているじゃない。
【アルゼンチンがおかしくなったのは自由化が原因じゃないよ110頁】
アルゼンチンがおかしくなったのは自由化が原因じゃありません。あの国の徴税能力の低さ、国民の納税意識の低さがあいまって、国家の歳入が恒常的に不足し、大量の人員を抱えている国営企業セクターの赤字を補填できず、常にインフレか財政破綻かというパターンを抜け出せないのが原因なんです。
【バブル崩壊はアメリカのせい?114頁】
天文学的レベルまで土地マンションを買い漁って自滅したのがほんとだろ。どうしてワンルームマンションを4500万円なんかで買う馬鹿がいたの?これもアメリカのせいなのか。
【ネオリベラリズムは軍事大国を目指すって?162頁】
ブッシュ(父)、ブッシュ(息子)と並べて「ネオリベラリズムは軍事については大きな政府という形態をとります」などと。間にクリントンがいたことを忘れてもらっては困る。クリントンは冷戦終了後「平和の配当」と称して軍事費を大幅に削減し、この結果、アメリカの名門軍需産業はばたばたつぶれ合併に次ぐ合併を繰り広げた。軍需産業が多かったシアトルやカリフォルニアの失業率は跳ね上がった。ブッシュ現政権が軍拡に踏み切ったのは9.11事件のショックが余りに大きかった結果ですよ。

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13 件中 1 件~ 13 件を表示

紙の本

改革と規制緩和の皮をかぶった狼の正体

2006/10/28 10:22

20人中、20人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:cuba-l - この投稿者のレビュー一覧を見る

90年代の前半頃まではうちの近所にも小さな店が肩をを寄せ合った商店街があって、毎日子供連れの買い物客が行きかい、お盆や歳末にはに店の間には万国旗が張られて福引もある大売出しの期間のにぎやかさは穏やかな日本の風景そのものだった。

だが今はどの店にもシャッターが降り、後からやってきた大手資本のコンビニが営業をつづけているものの、通りに子連れの家族の姿はなく、埃と騒音を巻き上げる車がスピードを落とさずに走り抜けていくだけだ。

圧倒的に支持に基づいて改革を押し進めた未来とはこんなものだったのだろうか。

最も直接的な原因は、市場原理主義に基づく「規制緩和」が既得権益にすがりつく悪い悪人や商慣行ばかりか、実際には社会が営々と積み上げてきた公正なルールも破壊することになってしまったためだともいえる。
本書では、そんな野放図な市場原理主義と虚業のマネーが実体経済を破壊し、人々の暮らしを荒廃させていく過程を、各国の事例に基づいて検証し、「ネオリベラリズム政策によって生じる循環」(悪夢のサイクル)であると結論づけている。

さらに、人は潰れても市場経済は元気なシステムのもと、一部企業と資本だけの好景気を受けて、さらに経済効率化を進めようとする日本はこれから二度目の経済破局に向うとも予言する。その向こうに待っているのは更なる格差と社会不安だろう。
身近に現在実感できる社会事例で読んでいて気の重くなる面もあるが、いずれにせよ社会の制度は人が作って動かす。私たち一人ひとりが、経済の効率化と金儲けが究極の目的なのではないと認識すること、人々の幸福・公正こそ社会の目指すべき目的だと自覚して振舞うことが第一歩だと気づかせてくれる本書は良書である。

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紙の本

本文より

2006/10/23 17:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ビーケーワン - この投稿者のレビュー一覧を見る

それはアメリカで始まり、南米、そして日本にやってきた。今から10年前に今日の格差社会を予測した著者が解明した恐るべきサイクル(循環)

**********

 もともと経済の動きにはサイクルがあって、上がれば下がるものです。その上下動は、何の規制も加えなければ、健全な雇用や生産活動を破壊してしまうほど激しいものになり、多くの悲劇を生みます。私の目にはネオリベラリスト=市場原理主義者たちは、それに気づいていないか意図的に無視しているとしか思えません。
 日本にチリやアルゼンチンの教訓を当てはめた場合、これから日本はどうなるのか。
 この「ネオリベラリズム政策によって生じる循環」という視点で見た場合には、かつての日本のバブルとその崩壊、そして「失われた十年」がなぜ起きたかという謎、そして今また日本がもう一度、バブルと「失われた十年」を繰り返そうとしているということが明らかになってきます。
 新自由主義者たちに言われるまま市場経済に任せている限り、今、資本の流入で一時的に景気が上がっていたとしても、その流出とともに必ず景気も落ちてゆく。バブルと同じで、規制が少ないほど上がり方が大きくなり、上がり方が大きいほど落ち方も大きくなる。そして落ちてゆくときには、それが実体経済と人々の生活に大きな被害を与えてしまいます。
 日本も放置すればそうなるだろうと予測されるわけです。

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ネオリベラリズム・サイクル

2007/04/17 20:23

12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 内橋克人著『悪夢のサイクル』というタイトルは「ネオリベラリズム・サイクル」を意味します。
 「ネオリベラリズム」は「新自由主義」とも呼ばれます。1970年代にアメリカ合州国で育ち、80年代以降に米国レーガン大統領や英国サッチャー首相に採用され隆盛をきわめ、いまも北米大陸や東アジアなどの地域で主流になっている経済思想(イデオロギー)です。
 その特徴を一言でいうと「自由市場至上主義」とでもなるでしょうか。すべての経済活動は「自由市場」にゆだねるのが、もっとも効率的である。国家による市場への介入は最小限に抑えろ。「小さな政府」を目指せ。そうすればすべては上手く行くのだ。こういった原理主義的な色合いの濃い「思想」です。
 「ネオリベラリズム」のキーワードをいくつか挙げてみましょう。「規制緩和」「自由化」「民営化」「累進課税の見直し」「所得税減税」「自己責任」「頑張った者が報われる」「行き過ぎた福祉の見直し」・・・。おや? どれも聞き覚えのあるものばかりですね(笑)。
 そうです。現在の日本は米国を源《みなもと》とする「ネオリベラリズム(新自由主義)」潮流のまっただなかにあるのです。このごろは「格差社会」「勝ち組・負け組」「下流」「ネットカフェ難民」ということがよく言われますが、これらの現象も「ネオリベラリズム」と密接な関係があります。
 ここで『悪夢のサイクル』から「規制緩和」に関する証言を引用してみましょう。米国で70年代に「航空自由法」の制定にかかわり、規制緩和を推進した学者ポール・デンプシーの証言です(29頁)。
 《もし、あなたが日本で規制緩和しようと言うのなら、こう理解しておけばいい。要するに規制緩和とは、ほんの一握りの非情でしかも貪欲《どんよく》な人間に、とてつもなく金持ちになる素晴らしい機会を与えることなのだと。一般の労働者にとっては、生活の安定、仕事の安定、こういったものすべてを窓の外に投げ捨ててしまうことなのだと》
 米国「航空自由法」による規制緩和が実施されて、航空業界はどうなったか? 競合会社に勝つための経済合理性を欠いた値下げ競争、賃金・労働条件の悪化、コスト削減による安全性の低下、利益優先による公共性の喪失。企業体力の弱い会社は倒産したり合併吸収されたりして航空業界内で寡占化が進行・・・。その結果、当初の狙い(自由競争によるサービス・安全性の向上)などはまったく達成されず、逆に独占による運賃の上昇・赤字路線の廃止(地方住民の切り捨て)などさまざまな弊害が生じてしまいました。
 そして日本もまたネオリベラリズムの「当事者」なのです。「ネオリベラリズム・サイクル」は他人事ではありません。バブル景気とその崩壊。その後の規制緩和・自由化・民営化(小泉・竹中政権による郵政民営化!)。中小零細企業の倒産。年間3万人を超える自殺者。雇用の縮小・不安定化。貧富の差の拡大と固定化。外資による日本企業買い(悪夢の三角合併!)・・・。
 いままさに日本はネオリベラリズムによって食い尽くされようとしている。これが我々の目の前で堂々と行なわれている「経済侵略」の実態なのです。では、どうしたらいいか? 正直に言ってボンクラ者の私(喜八)にはまだ分かりません。日本国民の将来を憂える「憂国」の志のある方は、ぜひとも『悪夢のサイクル』に目を通してみてください。きっと「救国」のヒントがたくさん見つかるだろうと思います。

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気が付いた点を指摘させていただく

2006/11/03 17:54

30人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ピンポイントで気が付いた点を指摘させていただく。
【所得格差がひらいちゃいけないの?7頁】
内橋さんは冒頭で所得格差の拡大を指摘しつつ「日本がとんでもない格差社会に変貌した」と今はやりの格差論に便乗しつつ悲嘆にくれる。ここで思い出すのは今から25年位前だろうか、「窓ぎわのトットちゃん」が馬鹿売れした翌年、居並ぶ「作家先生」と共に記者会見を開き、涙ながらに「日本の所得税は高すぎる。血と涙の結晶であるところの印税の90%近くを奪うなんて血も涙もないことをしないでほしい。こんなことは泥棒でもしないことだ」と所得税引き下げを訴えていた。この様子を見た山本夏彦氏は「あんたの血と涙の結晶はせいぜい5万部くらいだろう」と「やぶから棒」でからかっている。稼いだ分が9割近くも取られることはなくなったのだから、日本国民は本来喜ばなくてはいけない気もするが。
【フリーターという柔軟な存在12頁】
正規雇用が減り、賃金が下がったのは「中国の挑戦」の結果、日本の高すぎる賃金体系ではやっていけなくなったことが直接の原因であり、このままでは企業が丸ごとやっていけなくなるので、規制緩和をせざるをえなくなったというのが実態ですよ。原因と結果を(わざと?)取り違えて規制緩和を非難しても、意味ないよ、内橋さん。タクシーの収入減も同じ。台数が増え、就業機会が増えただけ、マシなんじゃないの?
【スチュワーデスを保護しないと空の安全は守れない?31頁】
何か亀井静香みたいになってきたな。あのね。規制緩和前、ジャルのスチュワーデスはね、毎回黒塗りのハイヤーが自宅前までお迎えに来ていたんですよ。化粧品はもちろんパンストまで全額会社支給ですよ。これもそれも全部規制の結果消費者が法外な航空運賃を負担させられていた結果ですよ。スッちゃんは海外でも当然一流ホテル。こんなことが罷り通っていたんですよ。それにねえ、規制運賃が無くなったら手抜きして事故を増やすなんて国労動労と同じ主張じゃない。やろうと思えばやれるんですよ。現にシンガポール航空や全日空はやっているじゃない。
【アルゼンチンがおかしくなったのは自由化が原因じゃないよ110頁】
アルゼンチンがおかしくなったのは自由化が原因じゃありません。あの国の徴税能力の低さ、国民の納税意識の低さがあいまって、国家の歳入が恒常的に不足し、大量の人員を抱えている国営企業セクターの赤字を補填できず、常にインフレか財政破綻かというパターンを抜け出せないのが原因なんです。
【バブル崩壊はアメリカのせい?114頁】
天文学的レベルまで土地マンションを買い漁って自滅したのがほんとだろ。どうしてワンルームマンションを4500万円なんかで買う馬鹿がいたの?これもアメリカのせいなのか。
【ネオリベラリズムは軍事大国を目指すって?162頁】
ブッシュ(父)、ブッシュ(息子)と並べて「ネオリベラリズムは軍事については大きな政府という形態をとります」などと。間にクリントンがいたことを忘れてもらっては困る。クリントンは冷戦終了後「平和の配当」と称して軍事費を大幅に削減し、この結果、アメリカの名門軍需産業はばたばたつぶれ合併に次ぐ合併を繰り広げた。軍需産業が多かったシアトルやカリフォルニアの失業率は跳ね上がった。ブッシュ現政権が軍拡に踏み切ったのは9.11事件のショックが余りに大きかった結果ですよ。

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2007/04/17 19:55

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2007/07/02 11:27

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2008/01/16 13:18

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2008/10/26 14:07

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2010/04/20 17:36

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2010/06/03 15:12

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2011/10/07 23:51

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2012/10/23 23:54

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2012/12/13 18:14

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