投稿元:
レビューを見る
前作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚にあたる、ディムズデイル・ボイルドの話。
空軍のエリートパイロットだった彼が、如何にして全てを喪失して虚無へと堕ちていったのか。
前作以上にバトルが加速してて、最後の方はびっくり人間対決に。
まさにSF版山田風太郎。
バトルだけかと思いきや、ナタリアとの結ばれぬ純愛やウフコックとの決別など、人間ドラマも充実してて重厚な物語。
「マルドゥック」シリーズ完結編の『マルドゥック・アノニマス』が待ち遠しい!!
投稿元:
レビューを見る
長かったけど、やっと3冊目終了。
希望いっぱいで始まった1巻から、虚無へとまっしぐらの3巻。
それぞれが加速し、それぞれの炸裂(エクスプロード)。
そして、誰も居なくなった。
って位にみんな死ぬ。
そのため、登場人物がぐっとへり理解しやすくなった。
おちは、2巻くらいから予想してたとおり。
あまり、L4Eの正体とかは、意外という気もせず、予定調和的に終了。
まぁ、スクランブルに向けてのカウントダウンである以上、終着点は決定しているんだけど。
クリストファーがシザーズだったってことくらいが意外だったかな。
とりあえず、来年でる完結編がたのしみ。
投稿元:
レビューを見る
2010 12/21読了。WonderGooで購入。
『~スクランブル』で語られていた顛末と、ウフコックたちには見えていなかったボイルドの意図や行動が見えるヴェロシティ最終巻。
「ボイルドの印象が全く変わる」「スクランブル⇒ヴェロシティ⇒スクランブル」、と読むのがおすすめ、と言われる意味がよくわかった。
投稿元:
レビューを見る
…
なんとも言えない終わり方だった。
『消失』を描いた作品だと本のカバーに書いてあったけれど、本当に『虚無』を書いていたと思う。
一人の男が全てを失うまでの物語。
救いはなく、ただ全てを無にする話。
まともな精神で書ける話しではなないと思った。
投稿元:
レビューを見る
怒涛の展開と明かされる驚愕の真実。読み終えた後の虚しさがすさまじいです。覚悟していた以上の高さから突き落とされました。ボイルドの選択は悲しすぎるし、もっと他に方法があったのだろうけど、自分を捨ててでもやりとげたこと、自分を慕ってくれた人達がいたことがあるのがせめてもの救いでしょうか。暗く輝く珠玉の一冊です。
投稿元:
レビューを見る
ラストまでの疾走感が素敵。一度読み始めたら、なかなか止められない。
終わり方がある程度分かっていたとはいえやはり切なかったです。
各所で言われているとおり、読み終えたあとにスクランブルを読み返したくなりました(笑)
投稿元:
レビューを見る
マルドゥック・スクランブル3部とマルドゥック・ヴェロシティ3部を読み終えて、少しボイルドがわかったような気がする。
投稿元:
レビューを見る
ボイルドがウフコックを濫用した後で何度もウフコックとの連携を思い出すととても切ない。
ボイルドは最後に望みを叶えたのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
ボイルドも恋をしたり
したんですね。
仲間がだんだん減って行ったり
傷ついたりしていくのが
読んでて辛かった。
謎めいた過去が色々分かって
ちょっと気が済んだ感じ。
スクランブルより、疾走感があって
こっちの方が好きかも知れない。
表紙が素敵。
作者のあとがきが小説みたいで
面白かった。
投稿元:
レビューを見る
一巻、二巻は長く感じたけれども、三巻は一気に読み上げました。
読み終わった後のこの気持ちは一体なんと言い表せばいいのか…。
すごく重い。
重くて胸の底に沈んでいると言った感じに捉われました。
このヴェロシティはボイルドが臨界点まで達するその過程を描いているのだと思います。
死と暴力の物語であり、怒りと哀しみの物語だと感じました。
スクランブルではボイルドは非情な敵役だったけれど、ヴェロシティのボイルドは人間的だと感じた。またそれがひどく切なく思えた。
ウフコックと決裂する理由やその様子に胸が詰まりましたし、ボイルドのウフコックへの愛情、または友情が哀しかった。
また、三巻のラストで事件の真相が次々に明らかになっていくが、不明確な個所もあって(ボイルドの娘?)気になるところ…。
しかし、登場人物がこの物語上に何人現れたのかさっぱりわからないんですが、本の人物紹介だけでも50人以上いますね…。
読みながらキャラの名前が判らなくなることもあって、戸惑いましたが流れとしては面白かったと思います。
ボイルドという一人の犠牲者が力を得て犠牲者という弱者ではなく、自らの意志で復讐を遂げる。
そんな物語だと受け止めました。
ヴェロシティは総体的に残酷描写が多く、うっ…。と思う部分も多かったですね。
女性向けではない気がします。
が、ハードなバイオレンスものがお好きな方には堪らない作品ではないでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
3冊合わせて10時間ほどで読了。
私はボイルドが大嫌いだ。力で叩き伏せ、潰して、その上を表情も無く踏み荒らしていく、ボイルドのやり方が大嫌いだった。バロットとウフコックとイースターが大好きだったから、彼女たちが苦しむ姿を見るのは本当に辛かった。だからスクランブルのクライマックスは胸がすっとしたし「やっと終わったんだ」と安堵のため息さえ漏らした。
だから、ヴェロシティを手に取る事ができなかった。スクランブルを読み終えてからヴェロシティを手に取るまで3年もかかった。
ヴェロシティはスクランブルより少し前の話、ボイルドがウフコックとパートナーだったときの話を描いている。そこにはスクランブルのような餓えた獣のように虚無を求めるボイルドはいなかった。愉快な仲間たちとチームを組み、時折笑みを浮かべることすらあった。ページをめくるたびに違和感と激しい拒絶があった。だって、あのボイルドが「笑ってる」んだから。衝撃的でもあり、興味深くもあった。何が彼を変えたのか、ページをめくる手は止まらなかった。
話が進むうちに沢山の謎とおぞましい事件が発生する。09の面々は、チームを組んで、少しずつ謎に迫っていく。その中で起きる痛くて辛い結末。読むのも辛い凄惨な出来事。けれど、読まずにはいられなかった。ボイルドを理解するために。ボイルドの有用性を確かめるために。
すべて読み終わってから、スクランブルのクライマックスを改めて読み直した。「やっと終わったんだ」と思った気持ちは変わらなかったけれど、それはボイルドの本心でもあると、分かった。
投稿元:
レビューを見る
とうとう読み切ったマルドゥック・ヴェロシティ。ヴェロシティの意味の通り、話に引き込まれて読むスピードがどんどん加速していった。
ボイルドの虚無への軌跡、もの凄かった…。
投稿元:
レビューを見る
とにかく仲間が全滅するのはわかっていたわけだけど、その過程が切ない。
盲目の覗き屋と不可視の猟犬のコンビ・クルツとオセロットは好きだったんだけどなぁ…、って言うか、クルツのファンは絶対多いと思う。
それとフライト刑事。実のところ、この人は必ず途中で裏切るか殺されるかすると思っていた(だって普通の人だし)んだけど、裏切るどころかメンバーが次々と殺されていく中で最期までボイルドの味方だった。
ラストは1巻の最初(『マルドゥック・スクランブル』のラストでもある)につながって、死んだボイルドが目的を遂げる。
ちょうど円環が閉じるような感じで、ああ、そうなるのかぁ、と感心した。
投稿元:
レビューを見る
陰謀が明らかにされつつ、悲哀と孤独と、安らぎが訪れる。
そんな終盤は、なかなかいい余韻をもたらしてくれる。
みながお勧め本に入れるわけです。
まとまった、休みの息抜き。正月休みにもってこいの3冊です。
投稿元:
レビューを見る
『進歩的な社会ほど“苦痛する肉体”は心理において消える傾向にあり、実体としては残り続ける。結果、“苦痛する価値”は、ねじれを起こした。あってはならない苦痛の源泉が他ならぬ自己の肉体であるという事実に愕然とするのだ。
以来、人間は様々な方法で苦痛を征服しようとしてきた。苦痛を快楽の延長とみなした。娯楽化した。苦痛する者をときに排除し、ときに歓迎した。苦痛をもたらす自己の肉体を改造しようとした。切除しようとした。特定の個人に苦痛を閉じ込めて背負わせようとした。苦痛は消えなければならなかった。たが全て無為だった。我々は消えたと思っていた肉体に常に報復され続けている。』
いや〜、壮絶な総力戦、めちゃくちゃ面白かったなぁ。後半は謎解きで、ミステリとしても楽しめる。“虚無”の誕生秘話。それにしても、09に対してカトル・カールのメンバーのキャラ設定が雑すぎて笑える。少なくとも言葉話せる設定にしてあげれば良かったのに…。