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安心して絶望できる人生 みんなのレビュー

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みんなのレビュー17件

みんなの評価4.2

評価内訳

17 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「安心して絶望できる人生」に必要なのは・・・

2008/12/13 20:10

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

私がこの本を購入したのは、2006年11月26日の
「家族のためのべてるワークショップ パート2」の会場。

著者の向谷地生良氏の字で、
「06.11.26 むかいやちいくよし それで順調!」
とサインされている。

この本は、740円+税、つまり、777円なのである。

本の半分にかかる大き目の赤い帯には白い字で
「病気なのに心が健康になってきた。」と
書いてあるのだが、その赤い帯の右上に
「¥777」のシールが貼ってある。

「絶望」と名のつくタイトルの本を777円で売る。
それが、べてる、である。

私は、浦河べてるの家とは最初に仕事で縁があったのであるが、
この日は個人的にこのワークショップに参加していた。

出会ったときにはすでにうつになっていた彼氏と一緒に。

当事者のそばにいる家族という立場を自分もある意味
選択しているということの表明のつもりだった。

この日は、向谷地生良氏と川村敏明氏の超脱力系対談ライブのあとに、
6人のグループを作って、家族の当事者研究&SSTが行われた。

「家族の回復のための9ステップ」について
みんなで分かち合ったのが印象的だった。

このワークショップは、家族が当事者研究をするのが特徴である。

当事者研究の簡単な手順については、
『べてるの家の「当事者研究」』の冒頭にまとめられており、
それが原型である。

この本は、『べてるの家の「当事者研究」』の続編なので、
もちろん、その原型が進化した形の手順が書かれている。

最初の本よりもより具体的になっているようだ。

そして、ワークショップのことを書いたブログにもそれは書かれている。

少しずつ順番が違ったり、項目が増えていたりする。

当事者研究を重ねながら、日々進化しているからだと思う。

ブログに整理されたものが自分にはしっくりきたので、
これを引用しようと思う。

====

1.仲間と共に「問題」と「人」との切り離し作業をする

2.苦労のデッサンをする-自由に苦労の構造を書いてみる

3.苦労に自己病名、自己流の表題をつける
  例「心配過剰からまわり状態」

4.「研究テーマ」を明らかにする

5.テーマに向けた当事者研究の意義の確認、
  研究活動の主役が当事者自身であることを確認する

6.テーマをもとに仲間を巻き込んだ研究活動を開始
  研究中に起きてくる出来事「実験」を重視し、
  失敗も含めて支援体制をつくる

7.研究に必要な「観察」「自己対処」「情報収集」の重要さを確認、
  具体的なそれぞれの方法を研究ミーティングを通じて明らかにする

8.研究の進捗状況を定期的に研究ミーティングで報告、成果の確認、
  仲間の体験などを取り入れながら修正点を明らかにする。

  見えることは「見える形」で、聞こえることは「聞こえる」ように、
  感じることは「感じる」ように場面を「構造化」する

====

この言葉を体感するには、実際に浦河べてるの家に行って、
見て、感じてくるのが一番いい。

だか、言葉だけでも、感じるところが多い。
彼らのつむぎだす言葉は、上滑りではない、
何かからだの内側から出てきた言葉だと感じる。

この本では、同世代や私より若い女性陣が内面を語っていて、
自分と向かい合い、研究として掘り下げていき、
自分との付き合い方を見つけていこうとしている。

その姿勢に深く共鳴した。

研究テーマのタイトルがまたなんともユニークである。

・べてるウイルス感染症候群の研究
・"劇場型"統合失調症の研究
・"人格障害"の研究
・見捨てられ不安の研究
・人間アレルギー症候群の研究
・"サトラレ"の研究
・起業の研究
・救急車の乗り方の研究
・どうにも止まらない涙の研究

そして、症状も対処法もユーモアの塊だ。
それを大真面目にやっている。

たとえば、浦河では、幻聴さん(さんづけは基本だ。)に
いじめられても喧嘩しないで、
「今日は疲れているのでお帰りください」と頼むとよいと
仲間に教えてもらい、実践している人も多いのだが、
効かないこともある。

SWの向谷地生良氏に電話をすると、
幻聴さんを電話に出してくれという。
電話をかわると、あまりいじめないでくれと
幻聴さんにやさしく頼んでくれた。
そうしたらやくざな幻聴さんが帰った・・・・などなど。

ユニークな事例に、みんなで考えながら真剣に付き合っていくのだが、
その中にユーモアがあるのだ。

研究テーマは、決して楽なことではない。

それなのに、なんて楽しそうなんだろうと思う。

表現の仕方もわかりやすく親しみやすい。

たとえば、「苦労の雪だるま理論」や「石ころの原理」のように
苦労が雪だるま式に増えていってしまう様子や
人間関係の川をぶつかりながら流れていっているうちに
丸くなることなどがかわいいイラストつきで描かれている。

「人格障害の研究」の副題は、"嫌われショウコの一生"となっている。
彼女が浦河にやってくるまでの自己破壊的な生き様がまるで
「嫌われ松子」であるということでついた
彼女のニックネームだったという。

彼女は「嫌われ松子系」というわけだ。

私は、これがとても気になってしまった。

なんとか系と言われている、その元がなんだかよくわからないのは、
なんとも悔しい。

私が『嫌われ松子の一生』を読んだのは、これがきっかけだった。

この出会いがなかったら、本も読まなかっただろうし、
映画も観なかっただろうと思う。

今、私にも、私の研究が必要だと感じている。
とあるパターンをなぜか繰り返すことが気になっているからだ。
当事者研究です、ばーん、みたいな発表はしないと思うが、
ブログやSNSに文章を書くこと、そして、
この書評にしても、私の当事者研究のひとつの表現ではないかと
思っている。

「安心して絶望できる人生」には、必須条件がある。

これは各部のタイトルをつなげると答えになる。

・自分自身で、共に-弱さを絆に、苦労を取り戻す
・「弱さの情報公開」をはじめよう
・苦労や悩みが人をつなげる

「弱さの情報公開」ができる仲間が必要なのだ。

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2007/01/22 17:28

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