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紙の本
空をこえて ららら
2016/07/08 07:25
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2012年6月、東京の世田谷文学館で「地上最大の手塚治虫展」が開催されていた。
「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫が亡くなってからすでに二十年以上経つが、こうして今でもその業績をたどる展覧会が開催され人気を集めているのは、私たちのように子どもの頃から手塚マンガに親しんできた人だけでなく、若い人たちもまたその魅力にひかれるのだと思う。
手塚マンガはいつの時代であっても、勇気や愛を問い続けている証しだろう。
本書は手塚マンガをこよなく愛した推理作家二階堂黎人さんの極めて個人的な回想録だ。
だから本格的な手塚治虫論でもないし、退屈な漫画評論でもない。それでいて、読むのがとまらなくなるほど、面白いのだ。
おそらくそれは二階堂さんと同世代の人に特にいえると思う。なぜなら、ここにいるのは二階堂少年だけでなく、あの頃マンガに夢中になったあなた自身だから。
二階堂さんは1959年(昭和34年)東京に生まれた。この本の中でも何度も書かれているが、この年少年サンデーや少年マガジンなどのマンガ週刊誌が誕生した年でもある。
まさしく「マンガ世代」の子どもである。
そんな著者が手塚マンガを収集し始めたのが小学五年生というから並みの少年ではない。でも、世の中は広いもので、著者も驚くような手塚マンガマニアはまだたくさんいて、この本の面白さは著者だけでなく、そういったマニアたちが持っている図版がたくさん収められているところにもある。
見ているだけで、その時代、昭和30年代や40年代にタイムスリップできるのだ。
そういえば、手塚マンガの面白さは手塚の代表作『火の鳥』ではないが、過去から未来を自由に行き来できることもそのひとつといっていい。
この巻(このシリーズはすでに三冊刊行されている)では、手塚の代表作『鉄腕アトム』が掲載されていた雑誌「少年」や初のTVアニメとなった『鉄腕アトム』のことなど、1970年頃あたりまでのことが、すべてそれを実際に読んで(見て)いた側から書かれている。その上で手塚マンガの特長や手塚の性格などが描かれていく。
手塚治虫のファンだけでなく、マンガ少年たちにとっては、かつて夢中になって漫画を読んだあの頃を思い出すアルバムのような本である。
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