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毎日のように肉を食しているにもかかわらず、家畜を肉にする過程である「屠畜」の場を想像したことはなかった。この本は日本の芝浦屠場をはじめ、韓国、インド、トルコなどの屠畜の場をイラストレポートするという本。日本の食生活に欠かせないはずのこの職業がほとんどメディアで露出されないのは、それを残酷と思ってしまう現代人の奇妙な感情とは別に部落差別に起因する屠場に対する差別感情があるとはしなかったよ。部落解放同盟の機関誌に連載されていた連載が元になっているので、当然差別というテーマが横たわるんだけど、著者自身も部落差別に馴染みのない関東圏の人らしく、部落差別起因の差別と動物を殺すことを「かわいそう」と思う現代人の感情に起因する差別との間でどっち付かずになってしまってる感じ。普段取り上げられることの少ない屠場の職人たちに光をあてた功績は大きいけれど、問題の出発点が揺らいでいるために一本筋通ってない感じが非常にもどかしい一冊。てか、部落差別の関係で屠畜に関わる人と差別する人って今はどの程度いるんだろうか・・・
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各国の”とちく”状況をルポしていくが、視線・文体・立ち位置が素晴らしい。イラストもキュート。
意図してか意図せずにか隠されている「お肉」製造過程を、わかりやすく細かに開き示してくれる。さらに最近の食にかかる各問題も射程にはいっている。何しろ面白く、そして読むからにうまそうである。
これも読んで損はない一冊。
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コンビニの弁当を食べているとき、ふとおかずのお肉に対して、「てか、おまえだれだよ!」とこころの中で叫ぶときがある。この肉は生きてたんだよな。うんうん、納得。
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動物の命が肉になるまでが鮮明につづられています。非常に読みやすいし、感覚的にこのことを捉えられていると思います。肉を食べる方はぜひ!
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普段食べている肉はどうやって作られているのか、つまり屠畜の方法は勿論、屠畜を巡る世界各国の人々の考えや食肉文化を細緻な描写のイラスト付きでわかりやすく説明している。
屠畜に対して忌避意識を持たない著者の体当たり取材は、屠畜への好奇心で溢れており、その文章は、現在の日本では乖離しがちな屠畜と消費者の関係を読者に突きつけてくれる。
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なかなか語られない世界の屠畜事情を内澤氏がレポート。
絵が綺麗で書体も平易であるため、読み易く分かり易い点が素晴らしい。
しかし世界というわりには日本にレポートが3分の1ぐらいをしめているので、
もっともっと世界の食肉事情を!と求めてしまいそうにもなる。
だが芝浦と木下川のレポはその仕事に携わる人々の姿がよく見えていて良い。
双方に足を運んだことのある身としてはとくに手に取るように様子が見えて大変面白かった。
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飯を喰う、調理する、楽器を奏でる、音楽を聴く、絵を描く、靴を履く、日々の生活は屠畜の延長線上にある行為の連続と言ってよいのだが、なんでかどうやって行うのか知らずに居る。足許を見ないまま歩くようで酷く不自然で野蛮なことだ。
その形容し難い不安をある程度解消……してくれるわけではないが、とにもかくにも第一歩になるだろう本。
作者はその好奇心とパワーとでもって、世界の屠畜の現場を歩きに歩き、見た聞いた感じたことをそのままに、ひたすらにひたすらにレポートする。無論彼女自身の感じたそのままを描いているので、「ああこれは違うなあ。血と汗と恐怖、読むと大体わかるよ」とか「いやゲルマン文化圏だしね」などと注釈したくなるところは多々あるのだが、それを敢えて行わないところがこの本の潔さでもあると思う。
ごく普通の日本女性のコモンセンスでもって、我々の日々の暮らしの根っこのところをしっかりと捉えようとした、本当によい本。さり気なく装丁がとてもお洒落なのも、作者の趣味のよさを感じさせる。かならずカヴァー下もチェックすべし。
実はこれ単純に紀行文としても一級品。イラストルポとか軽いエッセイとか、そういうのが好きなひとにもお薦めです。面白いから!
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家畜がお肉になるまでの肯定をことこまかにイラストルポされた本。世界各国編。牛豚鳥、屠畜方法からさばき方まで丸分かりです。
こんなの課題じゃなけりゃ読まねぇよってくらい嫌煙してきたジャンルでしたが、これ読むととってもおもしろい。
普段目にする事の無い世界を覗けるってのが一番のおもしろ所ですが、土地土地で出会った人の人間観察がまた楽しい感じに書いてあって旅行記のように読めちゃうのです。おまけに話し言葉でノリと勢い大事に書かれてるのでとっても読みやすい。おすすめ
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2008/07/20
どこかのサイトで紹介されていたのが気になって購入。
スーパーに行けばパックにつめられて並んでいるお肉ですが、もとは動物です・・・
著者は屠殺とは表現せずに屠畜と表現しています。
日本はもとより韓国、モンゴル、インドなどなど各国の屠畜事情がイラスト入りで表現されています。
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動物を“肉”にする一連の作業を屠畜または屠殺と呼ぶ。肉を食べる文化を持つ地域なら必ず誰かがやっているはずの仕事だが、動物を殺すという場面が含まれるため、なかなか目にする機会がない。そこに興味を持った著者(イラストルポライター)が、日本と世界の屠畜場を巡って綴るエッセイ集。
日本で屠畜を語ろうとすれば差別の問題は避けて通れない。では海外ではどうなのかという点にも強い関心を割いて取材されている。実は途中まで読み進んでから知ったのだが、この本はもともと『部落解放』という月刊誌に連載されていた記事を書籍化したものだ。世界と銘打ちながらも内容の半分近くが日本について書かれているのも、その辺りの事情かと思われる。
差別の問題も大事ではあるが、個人的にはもっと単純に「ものづくりとしての屠畜」に関心が湧いた。職業柄、金属やプラスチックで作られた製品の工場は大体想像が付くが、食肉の「作り方」は何も知らなかった。
ただ殺して切り刻めば良いわけではないことくらいは判るが、具体的にどのような工程で作業が進むのか、取引や流通はどんなシステムになっているのか、日本の話も海外の話も、この本で初めて知ることばかりで面白かった。
もちろん、肉と工業製品は同じではない。私はベジタリアンではないし、これからも肉を食べて生きていくだろう。そういう立場として一度くらい屠畜の現場を見学したいものだが、なかなかその機会には恵まれないと思うので、せめて食事の前には手を合わせて祈ることをまた心がけるようにしたい。最近すっかりさぼっていたので。
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イラストルポライターが世界の屠畜場を興味深々前のめりレポート。
豚・牛・羊・ヤギ・ラクダ・犬!まで屠畜を観て・体験してそして食べる。
現地コーディネーターも凝視出来ない様な現場を著者は常に前のめり。
更に深く、屠畜という職業差別・宗教との係わり、更にはそもそも食肉とは?と思考の根は深まっていく。
<第12章 動物の立場から>が深い。考えさせられます。
逆に大笑いは最終章<屠畜紀行その後>にある”獲物と死体”。
あれだけの体験を全くヒクことなくレポートして来た著者であるのに!!・・・・ネタばれっぽいので、言えない。
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世界の様々な屠畜文化が知れて非常に面白かった。
世の中色んな文化が存在するんだから、食肉のために牛・豚などを屠殺することを「動物愛護に反する」とステレオタイプに抗議するのは如何なものかしら、ホント。
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すっきりした線のイラストに、さばけた文章。
屠畜というテーマを重すぎず軽すぎずルポ。
食に対して考えさせられた、というどっしりした感想よりも
おもしろい!(funnyじゃなくてinteresting)と素直に思える。
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世界の食文化、宗教、民族習慣、差別の問題が綿密に描かれた屠畜状況のレポート 生きるとは他の生きもののいのちをいただくこと
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購入した本。
ん~、いろんな意味で中途半端。
まず、である調にですます調が混じってるのがちょっと嫌。
それから、屠畜と差別の問題が表面を撫でるだけのような
扱いも、ちょっと不満。
なりよりも、肝心な屠畜シーンがちょっとわかりにくいぞ。
これが、一番の不満点。
そんでもって、あんまり「世界」じゃないし。
もっとこう、私たちがスーパーで買ってる肉はどう捌かれているのか、アジア・アフリカ・ヨーロッパできればもっと多くの国での
様子が知りたかったんだけれど。スケッチも、もっと欲しいなぁ。