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“手”をめぐる四百字 文字は人なり、手は人生なり みんなのレビュー

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紙の本

手書きの世界へと、ポンと背中を押されてゆくような。そんな一冊。

2008/06/26 11:18

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本。その帯には「五十人の肉筆原稿を読もう!」とあります。

そういえば、夏目漱石の「直筆で読む『坊っちゃん』」(集英社新書ヴィジュアル版)で、原稿用紙の升目にきちんと納まっている漱石の文字を、以前読んだことがあります。この「手をめぐる四百字」をひらくと、達筆であったり、無骨な文字であったり、絵画じゃなかろうかと思う文字だったりと、はなから原稿の言葉をたどるよりも、その文字姿に見取れながら、ぼんやりと、自分の連想に身をまかす、そんな楽しみにひたれる一冊(何より言葉の内容を、たどるのも疲れそうな達筆文字もあります)。

連想といえば、ドナルド・キーン著「明治天皇を語る」(新潮新書)の第一章にこうあります。
「明治天皇は自分の書いた字を人に見せたくなかったようです。自信がなかったためかどうかわかりません。短歌を詠むとき、まず紙切れに歌を書いて、誰か字の上手な女官に命じてきれいな紙に書かせたあとは、自分の原稿は破って捨てていました。それゆえ、歌稿は一つも残っていないでしょう。伝記を書こうとする身には大変困ります。」(p18)

そうそう。「明治天皇御集・昭憲皇太后御集」という本を開いていたら、明治天皇の御歌の中に、こんなのがありました。

 うるはしくかきもかかずも文字はただ読みやすくこそあらまほしけれ

 手ならひをものうきことに思ひつるをさな心をいまくゆるかな

 ものかかむ暇なければすらせたる硯の墨もそのままにして



さてっと。この本「手をめぐる四百字」は原稿用紙に、皆さん縦書きで書かれております。それで、天邪鬼(あまのじゃく)な私に思い浮かんだのは小渕暁子編「父が読めなかった手紙」(扶桑社)でした。小渕恵三首相が、闘病中にお見舞いの手紙をもらったのを、そのまま写真で紹介した一冊。小学生たちの手紙も、けっこうまじっています。それでかもしれません。お見舞いの手紙は、縦書き横書きと、いろいろです。おもしろいですね。改まった原稿を書こうとすると縦書きになる。けれど、いつか、横書きになるかもしれません。
この二冊の本を比べてみると、私たちは、縦書きと横書きとの、ちょうど境目に暮らしているような塩梅じゃないかと、あらためて現在の立ち位置を思い浮かべるのでした。履歴書は横書きですが、原稿用紙は縦書き。
まあ、それはさておいて、手書きということでした。
清水義範著「大人のための文章教室」(講談社現代新書)で、清水さんはこう書いております。

「そんなわけで、この文章教室で最初に導き出される文章のコツは、心をこめた文章は手書きにすべし、である。」(p19)
「何らかの組織から、会員全員に届けられる報告文書などは、ワープロ文であることが多いが、それは構わないと思う。あれは手紙というよりは、通信文、といった性格のものであろう。しかし、人を動かしたい手紙ならば、手で書くべきである。ここ、重要なところである。ひとは文章を、他者に何かを伝えるために書くのである。そして、何かを伝えるとは、事情を了解してもらえばそれでいい、ということではない。こちらの情報を正しく伝達されることはまず第一の目的だが、それだけではなく、相手の同意、同感させることが文章の二番目の目的である。そして、相手をこちらの希望するように動かすのが、文章の究極の目的なのだ。」

そんなわけで、私が(と言わないまでも)あなたが、心をこめた手書きの文章をかこうとしたなら。そのためにですね。一度「手をめぐる四百字」を御覧になってもソンはなさそうです。
ですが、この本。一度見ればそれで十分という気もします
( おっと、これで終らせるわけにはいきません )。
けれども、これだけは言えそうです。ペン習字のような文字を規範にして、自分の文字を書くのが、いかにも億劫な方には。こういう文字もありなんだ、と自分なりの字を書くのがメンドウでなくなる。そんな効能がありそうなのです。それはまるで、手書きの世界へと、ポンと背中を押されるようにして入ってゆく。そんなドコデモドアみたいな一冊。手書きで手紙を書きたいと思いながらも、その敷居の高さに、戸惑っている方にとっては、じつに効能あらたかな一冊(笑)。

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紙の本

手書き文字からひしひし伝わるメッセージ! 50人!

2008/05/24 13:10

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

加島祥造さんの本を探していて、たどり着いた一冊!
手をテーマに文学、美術工芸、学術、芸能など各界で活躍されている50人の方たちの四百字一本勝負です。
しかも、すべて手書き文字!
まずその肉筆からひしひしと伝わってくるメッセージに圧倒されました。

文字は人なり、手は人生なり…と
表紙に書いてありましたが、ほんとうにそう。
一文字一文字、たどりながら、しみじみそう思いました。

さて、加島祥造さんのエッセイタイトルは「傷めた手」。
60年前に軍隊にいたときの体験を語りながら、
右手への感謝への気持ちで締めくくられていました。
簡単に感想など言えないような深い内容に
おののきながらも、実にいろんなことを考えさせられた四百字でした。

田辺聖子さんの「左丸・右丸」では、よく働いてくれる手へのあたたかい感謝の気持ちを感じ、
角田光代さんの「母のキルト」では、彼女のお母さんがつむぎだすキルトの色合いと、その針をもつ手先が鮮やかに脳裏に蘇るような心持ちがしました。

使用される原稿用紙も実に興味深く見て、楽しかったです。
その中でも筑紫哲也さんの原稿用紙が一番いいな~と思ったり、
車谷長吉さんの文字にはとても心惹かれたり…。
いろんな作業をする手のカラー写真も何枚かありましたが、こちらも見ごたえあるものばかりでした。

読み応えたっぷりの一冊!

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紙の本

手が生み出す広大無辺の世界

2007/04/27 08:53

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:イム十一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

50人の著名な方々が、「手」を巡る様々なエピソードを綴っています。
一人400字以内(原稿用紙一枚分)なので大変読みやすいこと、また肉筆原稿がそのまま掲載されているので、愛着のある方の字に直に触れることができるのもこの本の特長です。
内容も、その方の職業ならでは、と思わせる味わい深い言葉が沢山ありました。
「手」が生み出していく世界、それは千差万別・広大無辺の世界であり、それはまるで千手観音の無数の手のようである、と感じました。

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2007/06/11 10:49

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2007/07/04 12:52

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2007/09/29 10:27

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