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紙の本
人それぞれ、ラーメンには思い出の湯気が立ち上っている。
2007/01/28 20:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
九州ラーメン研究会代表の原 達郎氏が書き溜めた、ラーメンと人にまつわるドラマが詰まった一冊である。
近年、ラーメンといえばエリアごとにガイドブックまでが出版され、外食における市民権を確立したのは喜ばしいことだが、「うまい、マズイ」の評価にさらされるという弊害が生じたのも確かである。この本はそういった「うまい、マズイ」という評価をするためのものではなく、醤油、味噌、豚骨の区別無く、日本人ならば誰もがすすったことのあるラーメンドラマのエキスである。
筆者の原 達郎氏は九州ラーメン研究会代表という肩書きの通り福岡在住の方であり、そのために九州地区のラーメンの話題が多くなるのは致し方ない。
しかし、全国に博多ラーメン、豚骨ラーメンの店が進出した割には九州地区のラーメン情報、特にラーメン店の主人の個性が伝えられるということはなく、地道な取材から滲み出た人間味あふれる九州エリアのラーメン情報が綴られた本書は食べ逃すと損だと思う。
作家・漫画家、芸能人・スポーツマン、政治家・経済人、文化人・宇宙飛行士、やんごとなき方々、つくる人に分類された一冊であるが、そのつくる人のところに原 氏の人間性と人間観察力という持ち味が生きている。巷のラーメンブックではどうしても有名人ご贔屓のラーメン店が主力になりがちであるが、庶民の楽しみであったラーメンを庶民に供してきた人々の話はまさにコクがあってこれぞラーメン話と思わせる。
また、やんごとなき方々に登場する朱 舜水、聖一国師の件などはラーメンの歴史、年越しそばの起源にも触れることができ、トリビアものだと思うがいかがだろうか。
原 達郎氏は本書のほかに『九州ラーメン物語』『久留米ラーメン物語』という著作があるが、併読されると日本人にとってのラーメンとはなんぞや、と考えさせられる。
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