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紙の本

マンガがマンガに踏みとどまるために

2007/05/24 03:08

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る

 地下鉄サリン事件以前にオウム真理教への疑惑をいち早く指摘し、一般にも影響力を有する一マンガ家として戦ったのは小林よしのり氏だ。オウム信者によるVXガスによる攻撃を受けた時点でそれは彼にとって本物の戦争に変わった。それを抜きにして現在の氏の営為は語れないだろう。9・11テロは、アメリカンコミックスの本拠地であるNYで起きた。アメリカンコミックス作家たち、出版社、書店関係者たち、そして読者にとって、それはまぎれもなく戦争だった。
 本書は三部から構成されている。第一部では日本では「スーパーマン」など映画化されるような有名作や、一部の突出した作品しか一般には日本では知られてこなかったアメコミの歴史(新聞漫画との関係、マッカーシズムの下での統制の功罪なども丁寧に解説)、どんなジャンルがあるのか(新聞の付録から発展したいわゆるメジャーとヒッピー文化から生まれてきたアングラコミックの織りなす関係、それ以後)、制作体制(脚本・作画・レタリング・カラーリングをそれぞれ別の人間がやるのが普通)、作家の立場(作品と内面のドライな関係)、流通(近年まで一般書店では扱われず専門店のみで扱われていた)、出版社、契約関係と網羅的に、日本のマンガとひとくくりに並べて語れないアメコミの全容をわかりやすく解説している。これだけでも一冊の単行本が成立するぐらい凝縮された内容だ。
 しかし第二部「9−11」、第三部「戦時下のマンガ表現」が本論といえるだろう。
 第二部はテロ直後の作家や関係者、ファンたちの様々な反応をインターネットへの書き込み(空想の世界にいた自分たちへの困惑・否定)、作家たちの作品(9・11テロに一番早く反応したのがアメコミだった)などを通して分析し、彼らの混乱、困惑、さまざまなプロパガンダに巻き込まれて行く動き、現実に向きあうことの困難な営みを活写していく。
 第三部ではまず9・11以後の日本のマンガ・アニメ界にも「テーマ」として「戦争・テロ」が「代入」されていく現象を(浦沢直樹「PLUTO」、TVアニメ「ガンダムSEED Destiny」などを例に)分析している。そして9・11テロ後の戦時下の米国で、テロを一つのきっかけとして活性化するアメコミ市場の中、事件を契機にテーマを見いだして自意識の悩みから抜け出す作家、逆にヒーローを自由に扱えなくなってしまい沈黙に陥る老練な作家、「子どもを作る」ことに希望を見いだす作家など、様々なアメコミ作家たちの葛藤を取り上げ、そんな作家の内面などお構いなく、大統領選挙などに彼らを利用しようとして二転三転するリベラル派文化人の言動をも追いかける。
 綿密な調査に基づく、力作であり、丁寧な脚注、豊富な図版、構成・文体もわかりやすい。
 日本マンガ・アニメの世界的人気は事実であるが、それは無制限ではないという当たり前の事実。そしてマンガは社会(戦争)と無関係な場所には存在できず、しかしそれゆえにマンガはマンガとして日常に踏みとどまるべきであるという著者の実直な立場に深く共感した。サム・ライミの凄さも再認識しました。
 「そしてぼくらは赤ちゃんをつくることにした…」(James Kochalka「THE CUTE MANIFESTO」、ALternative Comics刊、2005年、本書より再引用)

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2014/09/14 14:14

投稿元:ブクログ

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