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レアメタル資源争奪戦 ハイテク日本の生命線を守れ! みんなのレビュー
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紙の本
石油の枯渇も心配だが、レアメタルも相当な懸念材料だ
2009/09/27 10:34
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
レアメタルとは、その英語名から分かるとおり資源量が少ないか、抽出が非常に困難な金属のことと定義されている。ひとくちにレアメタルと言っても、リチウム、インジウム、タンタルなど47種類ある。本書ではレアアース(希土類)もこの中に含めて論じている。
経済危機のために市況が落ち着いている今は切迫感が薄れているが、いずれ景気が回復し、インドや中国といった国の消費が増せば、再びレアメタルの価格高騰が起こるに違いない。
ただ、気をつけたいのは、47種類のすべてが同じ事情を抱えているわけではないことである。著者は4系統に分類しているし、同じ系統に属するものの中でも違った動きを見せる。
何やら専門的な話のようだが、私たちの生活がレアメタル抜きには成立しないことは忘れてはいけない。携帯電話、液晶テレビ、デジカメ、パソコン、自動車、電池材料、ゲーム機などなど。
そして、日本はこうしたレアメタルをほとんど持ち合わせていない。深海に眠る鉱山を開発する余地はあるのだが、価格的に引き合うまでには時間がかかるだろう。また、著者は大学の鉱山学科に人気がないのも気がかりとしている。
さて、レアメタル事情においては、中国の存在感が大きいと繰り返し語られる。レアメタルを有する国は偏在しているが、一大生産国が中国なのである。同時に消費国にもなっており、資源争奪戦の様相を呈している。
中国はほかの資源国とのパイプ作りに熱心であり、日本が買い負ける事態も起きているそうだ。ちなみに、日本は中国からレアメタルを輸入している。一方、中国はレアメタルに輸出規制をかけ始めた。中国の政策に左右される構図だ。2009年になって、EUと米国は中国の輸出規制に関して、WTOに提訴する事態にまでなっている。
しかし、ここは著者も言うように、資源を巡る争いを繰り広げるよりも、友好関係を築いて、東アジアの平和な経済圏を確立したいところである。
石油があと何年で枯渇するか、というところから脱石油社会が打ち出されつつある。レアメタルに関しても、代替素材を開発して、世界の不安定要因を取り除きたい。
ちなみに、石油が投機マネーのために、2008年に1バレルあたり147ドルをつけたことがあるが、景気の冷え込みとともに半値以下に急落した。
レアメタル市場も同じように需要が伸びれば高騰しやすい。といっても、レアメタルを持つ国が経済危機に直面してレアメタルを放出するようなことがあれば、同様に価格は急落する。素人が手を出すのは危うい分野であることも知っておいて損はないと思う。
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