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紙の本

松本清張晩年の作品『神々の乱心』の素材となる短編集。

2009/02/27 21:49

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この短編集には「笛壺」、「皿倉学説」、「粗い網版」、「陸行水行」の四点が収められているが、そのなかでも「粗い網版」は松本清張晩年の作品であり、未完に終わった「神々の乱心」の基であり松本清張の社会派作家としての始まりを感じさせる短編である。
 新興宗教と政治との結びつき、それが歴史にどのような作用を及ぼしていたかを検証する基となったものである。「粗い網版」から始まり、「昭和史発掘」を経て「神々の乱心」に至る流れを巨木の幹に例えると、他の多くの作品が枝葉末節にみえてくるのではないだろうか。
「笛壺」を描くことで考古学の知識を得、「皿倉学説」によって満洲における旧日本軍の生体実験を匂わせ、「粗い網版」では「神々の乱心」の核心に迫り、「陸行水行」で古代天皇制と権力との関係を想像させる。
 しかしながら、松本清張晩年の作品に無理やりに結びつけることをしないまでも、単純に人間が持つ心の闇とも欲ともつかぬものを楽しめるものであることには違いない。

 ちなみに、「粗い網版」は京都府亀岡市に本部がある大本教の第二次弾圧について小説形式にまとめてあるが、杭迫を秋島、愛知を福岡と変えている以外はほぼ事実に即していると『大本襲撃』の著者である早瀬圭一氏が述べている。さらには、このノンフィクション作家でもある早瀬氏が「松本清張はどのようにして早い時期に第二次大本事件の事実を知ったのだろうか」と疑問をもっているところに松本清張自身の謎があるような気がする。

 はたして、松本清張は「陸行水行」の主題である「魏志倭人伝」のように、出発点と到着点とを読み込んでから空想を膨らませ、次から次へと作品を振りまきながら作家人生の筆を進めていたのだろうか。
 こうなると作家自身がミステリーそのものだ。

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2009/08/24 18:34

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2010/03/17 09:22

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2012/01/18 00:21

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2020/08/14 07:31

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